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2016_国際フレンドリーマッチ・・相手守備のイメージを超越するような「変化」こそが仕掛けプロセスの命・・(日本vsオマーン、4-0)・・(2016年11月11日、金曜日)

カシマスタジアムで書き終えてから帰宅することにしました。

ということで、前半。

たしかに、清武弘嗣と大迫勇也のコンビで2点のリードは奪ったけれど、シュートへつながるスペースの攻略(本当の意味での相手ディフェンスを崩す!)という視点では、どうも・・ね。

もっともっと、人とボールを効果的に「動かさなければ」いけない。たしかにボールは動くけれど、それも、ほとんどが「足許パス」ばかりだし、オマーン守備の「眼前」での動きばかりなんだよ。

そんなだから、ダイレクトバスを織り交ぜた組織コンビネーションでも、どうしてもオマーン守備に、次のパスを読まれて潰されてしまう。

その、もっとも根源的な「ネガティブ・ファクター」は、何といっても、人の動きが十分ではない・・ということだよね。

だから、ボールの動きにも「限界」がある。だから、オマーン守備の「イメージングのウラ」を着くことがままならない。

そんな展開についてハリルホジッチ監督は、「試合のリズムが足りない・・」とか、「ゲームの(実効的な!)支配が足りない・・」などと表現していた。

まあ・・そういうことだね。

たしかに日本は、(オマーンのスペイン人監督も言っていたように!)ボールは支配している。でも、そのボールの動きに、前述したとおり、「怖さ」がないんだよ。

だからオマーン守備ブロックにしても、まさに余裕をもって、日本の仕掛けを受け止められていた(日本の次の仕掛けが明確に見えていた!?)。

ところで・・

試合のリズムが足りない・・ゲームの(実効的な!)支配が足りない・・というハリル語録に秘められた意味合いは?

それって、多分、相手ディフェンスの「守備イメージ」を超越するような人とボールの動きが十分ではない・・というニュアンスなんだろうな。

もちろん齋藤学のドリブルには、十分な威力が備わっている。でも相手は、屈強な中東選手だから、完璧に「置き去りにする」なんてコトは至難のワザ。

そのことについては、後半に登場した浅野拓磨も同様だった。

やはり個の勝負で、相手守備をズタズタに切り裂き、決定的スペースを突いていく・・という勝負は、日本には(アジアのなかでも!?)まだまだ難しい・・ということなのかもしれない。

まあ、武藤嘉紀は言うまでもなく、もし宇佐美貴史がホンモノのブレイクスルーを果たしたら、そりゃ、推して知るべし・・だけれどネ。

とにかく宇佐美貴史は、攻守にわたる、ボールがないところでの動きの量と質・・(≒攻守ハードワーク)というテーマと取り組まなきゃいけない。

それが充実してくれば、必ず、(チームメイトからの信頼を勝ち取って!!)もっと良いカタチでパスを受け、効果的なドリブル勝負をブチかましていけるようになるばすだよ。

ホントに、歯がゆい。今度アウグスブルクを知っている知り合いと話してみよう。

あっと、「本物のドリブラー」に恵まれていないハリルジャパン・・という話題だった。

そう・・、だからこそ、コレクティブ(組織的な!)コンビネーションサッカーなんだよ。

それも、(この試合のように!)相手ディフェンスが、常に前を向いて、ボール奪取勝負をイメージングできるような、単調なコンビネーションではなく、タテ方向に激しく動きつづけるパスと、人の(タテ方向の!)ポジションチェンジを組み合わせるんだよ。

いつも書いているように、相手ディフェンスが怖がる仕掛けは、何といっても、味方を追い越していくフリーランニングと、タテへ深く送り込まれるタテパスの組み合わせだよね。

要は、相手ディフェンダーが、前後左右に「クビを振らなきゃ」いけなくなるような、「人とボールの効果的な動き」を演出するっちゅうわけさ。

と、いうわけで、ハリルさんと同様に、ゲームの内容については、チト不満がたまっていた筆者だったんだよ。

「あいつ等」が出てくるまでは・・ね。

あいつ等・・

この試合で、様々な意味合いを内包する「アクセント」になった交替選手は、何といっても後半23分と26分にグラウンドに送り込まれた、小林祐希と久保裕也だった。

守備的ハーフとして山口螢とコンビを組んだ小林祐希は、(これまで彼に対して描いていたイメージを!)完璧にポジティブに覆(くつがえ)してくれた。

その積極的で攻撃的なプレー姿勢は、まさに「猛禽類」。良かったし、とても頼り甲斐があった。

だからチームメイトたちも、積極的に、小林祐希にパスを「付けて」いたっけね。

良い良い・・

また久保裕也。

20分くらいだったし、相手も疲れていたわけだけれど、それでも彼が醸し出しつづけた「本格的なストライカー風情」には、別格の雰囲気があった。

フリーランニングにしても、味方とのコンビネーションにしても、個の勝負プレーにしても、ラストパスやシュート(最終勝負プレー!)にしても。

うまく表現できないけれど、ちょっと、フットボールネーションの伝統に根ざした雰囲気を感じていた筆者だったんだよ。

この試合については、こんなところですかね。そろそろ、東京へ向けて愛車をスタートさせよう。

明日は、勝負の天皇杯(フロンターレ対レッズの四回戦)。いまから楽しみです。

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あっと・・

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ちょっと、プロモートさせてくださいね。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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