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2016_「J2」とナビスコ・・この、マインドを盛り下げる「たそがれ感」は何?・・(ヴェルディvs町田、0-1)(フロンターレvsアビスパ、0-1)・・(2016年3月27日、日曜日)

フ〜〜ッ・・・・・

2日もつづけて「こんなゲーム」を観せられてしまったから、どうも、スッキリしない心持ちになってしまったんだよ。

こんなゲーム・・

昨日の土曜日が「J2」。そして今日がナビスコカップ。

その両ゲームともに、まったく同じような「勝負の展開」になったんだ。

ゲーム内容的には引き分けが妥当だったし、観ているこちらも、「さて、そろそろ・・」なんて記者席を立とうとしたタイミングで、まさに唐突に、決勝ゴールが入ったしまったというわけだ。

それも、両ゲームともに、コーナーキックからの「ワンチャンス」ゴール。

もちろん、サッカーではよくあることだし、両ゲームの、戦術的な視点ベースの内実は、違う。

でも・・

まあ、まず、戦術的な視点ベースの内実・・を表現してみようか。

ヴェルディ対町田ゼルビア戦については、まず何といっても、町田ゼルビアの「意識と意志の高さ」に脱帽させられた。

彼らは、最初から最後まで、まったく気を抜かずにプレッシング守備をブチかましつづけたんだ。対するヴェルディは、そのプレスを効果的に「いなす」ことが出来ない。

ヴェルディが放ったシュートらしいシュートは、まあ二本あるかないかってなところだった。

とはいっても、町田にしても、たしかに試合ドミネーション(支配)という意味では上回っていたけれど、攻撃で、攻め切ってチャンスを創りだす・・という視点では、多くの課題を感じた。

だから、お互いに守り合う・・ってな退屈なゲーム展開になってしまったというわけだ。

たしかに、個のチカラを単純総計した「チーム力」では、たぶんヴェルディの方が、上でしょ。でもこのゲームでの彼らは、その「差」を、観ている方に感じさせられなかった。

もしヴェルディが、町田ゼルビアと同じくらいのプレッシングエネルギーで守備をブチかましていたら、そりゃ、明確にチーム力の差を「表現」できたはず。

でも彼らは、町田ゼルビアのプレッシング圧力を、受け身に「かわそう」とするばかり。それでは、ゲームを支配されちゃうのも道理だよね。

要は、「サッカーの絶対的スタートラインはディフェンスにあり・・」っていう基本コンセプトを地で行ったゲーム展開だったっちゅうことだね。

とにかく、ディフェンスにおける「ボール奪取の内容」によって、次の攻撃の内容も大きく影響を受けるというのは、世界共通の認識だからね。

とはいっても、何度かあった町田のチャンスの流れにしても、とても安定した組織ディフェンスを見せるヴェルディ守備ブロックが、確実にはね返していたよね。

だからこちらは、「まあ・・引き分けが妥当だな・・」という気持ちになっていたんだよ。

それが・・

私は、ヴェルディを応援しているし、これまでは見たことないような、全体的にゲームを支配される中での敗戦だからネ、ちょっとショッキングな出来事ではあった。

彼らには、町田ゼルビアが魅せつづけた、ものすごく高い意識と意志に支えられた「積極プレッシングサッカー」を見習って欲しいと思いますよ。

それさえ忠実に実行できれば、必ず、その努力が結果を生み出すはずだと思うわけです。何せ、個人的にもチームとしても、基本的なチカラは十分に備えているわけだから・・。

そして、今日のナビスコカップ(フロンターレ対アビスパ)。

そこでも、アビスパの粘り強い守備が光っていた。私は、「流石、井原正巳だ・・」なんて、ちょっと感服していた。

まあそれには、フロンターレの(特に前半の!)出来がヒド過ぎたこともあったね。

たしかに(風間八宏監督のゲキが効いた!?)後半は、かなり改善した。でも結局は、攻め切れるだけのエネルギーを充填することが叶わなかった。

ところでハーフタイムでの風間八宏監督のゲキだけれど、そこで彼は、こんなニュアンスのコトを、選手たちにブチかましたらしい。曰く・・

・・デタラメと自由は、まったく違うぞ!!・・

やっぱり風間さんも、前半の出来には、とても不満足だったということだね。

彼の言うデタラメとは、それぞれの状況における仕掛けの流れや「攻守バランス」を、しっかりとした意識と意志をもってコントロールすることが十分に出来ていなかった・・というコトらしい。

まあ、アグリーだね。

私には、とにかく彼らが「タテへ仕掛けていかない・・」という、アリバイ的なプレーマインドが目に余っていた。

例えば、後方で、ある程度フリーでボールをキープする状況。

そこで、何度も、田坂祐介とか森本貴幸、はたまた、2列目から三好康児といった前戦プレイヤーが、アビスパ守備ブロックの背後に広がる決定的スペースへ飛び出していった。

でも結局、「そこ」に勝負のタテパスを送り込むのではなく、横パスでお茶を濁していたんだ。

もちろん観ているこちらは、フラストレーションに苛(さいな)まれつづけた。

まあ、たしかに後半は、少しは良くなった。でも、いつも書いている「フロンターレの人とボールの動きのリズム」とは、一味も二味も違う(落ちる)。

この、フロンターレの「人とボールの動きのリズム」というテーマについては、「このコラム」をご参照アレ。

とにかく、あの攻め方では、アビスパ守備ブロックに簡単に「読まれて」しまうのも道理でしょ。

そして、そんな鈍重なゲーム展開がつづくなかで、「まあ、今日は仕方ないネ・・」なんて思いはじめた後半34分にコトが起きてしまったという次第。

あっと・・、前述したヴェルディ対町田ゼルビアの決勝ゴールは、後半ロスタイムに入ったタイミングだったネ。

ということで、盛り下がったマインドで、「これもサッカーだよね・・」なんて、自分自身に言いきかせながら、皆さんにも、その「たそがれ感」をシェアしていただきたい・・なんて、ものすごく自分勝手にコラムをアップする筆者だったのであ〜る。

へへっ・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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