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2010_「J1」_第15節・・「コントロール・サッカーの機能性」というテーマ・・(PvsR, 0-4)・・(2010年7月28日、水曜日)

この試合は、「FC東京vsジュビロ」のコラム(城福浩監督との対話)をアップした後でビデオ観戦。もちろん結果は知っていたから、酒の肴として、ゲーム内容に舌鼓を打っていました。

 それほど、レッズが魅せつづけた、コントロールされたドミネーション(ゲーム支配)が心地よかったのですよ。たしかに、何度かカウンターは喰らったけれど、レッズが魅せつづけた『しっかりとコントロールされた』攻撃的なプレー姿勢と、それをバックボーンにした「ゲーム支配の傾向」は、後半もしっかりと高みで維持できていたし、実際にゴールも奪えたからね。それも、四点も。

 この試合はビデオ観戦だし、酒が入ってほろ酔い気分だったから、とにかく簡単にテーマをまとめよう。もちろん、厳しい気候環境をも「味方」にしてしまう「コントロール・サッカー」というテーマ。

 そこでの目標イメージは、必要なときに、少しオーバー目な感じで「動ける」ということ・・なんていうニュアンスかな。要は、両チームともに全体的な運動量がダウンしているなかで、より効果的に選択された「実効レベルの高いアクション」を積み重ねる・・っちゅうイメージ。もっと言えば、厳選された「汗かきアクション」を、主体的に繰り出していく「意志のチカラ」っちゅうテーマですかネ。

 厳しい自然環境のなかで問われてくるのは、やっぱり「正確なイメージ描写力」と「それをグラウンド上に現出していく意志のチカラ」だからね。でも、行き過ぎた欲望の空回りはダメよ。また、とはいっても、「蛮勇はダメよ・・」ってコーチが口にした次の瞬間には、チームのモラルが地に落ちてしまうだろうから、軽口にも気をつけなければ・・。

 とにかく、日本の夏という厳しい自然環境のなかで、限界まで闘いつづけることには、とても繊細で強固な「イメージ描写力」と「意志のチカラ」が必要になってくるということが言いたかった。だからこそ、その意志を、繊細にコントロールしながら、情緒的にも「ハイ・モティベーション状態」にキープできるような監督の「ストロング・ハンド」の質が問われてくるというわけです。

 とにかく、この試合では、レッズが志向する(!?)コントロール・サッカーの機能性が、徐々にアップする傾向にあることが確認できたと思いますよ。もちろん、ガンバ戦、サンフレッチェ戦とゲームを行っていくなかで積み重ねた体感ベースの「コントロール・サッカー」の機能性アップ。

 この「コントロール・サッカー」だけれど、もちろん、気候条件が「緩んで」くれば、動きの「量と質」が、それに伴って「限界レベル」までアップしていかなければならない。それ「も」難しいテーマだよね。そこでも、監督のストロング・ハンドの「質」が問われてくる。

 とにかく、いまのレッズが志向するテーマは、コントロール・サッカーにあり・・と思っている、酔っぱらいの筆者なのです。

 ところで、後半。ゴールを重ねるごとに、レッズの「動きの量と質」が高揚しつづけ、それに伴って、チャンスの量と質も大幅にアップしていった・・という印象があります。要は、選手たちの「ノリ」が何倍にもアップしたということです。本物の心理ボールゲームであるサッカーの面目躍如っていうことかな。

 そういえば、フォルカー・フィンケも、ある試合の後の記者会見で、「たしかに気候条件は厳しいが、それを、選手のモティベーションが上回ってしまうことだってある・・要は、考えられないほど、選手の運動量が落ちずに、ダイナミックな組織サッカーを継続できるようなゲームもあるということだ・・」なんていうことを言ったことがあったっけ。

 そう・・、モティベーションの量と質によって、選手が表現するダイナミズム(活力・迫力・力強さ・・)の内容がガラリと変容してしまうのもサッカーだということです。フムフム・・

 さて、次のアルディージャとの埼玉ダービーが楽しみになってきた。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓しました。

 4月11日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定し、WMの開幕に合わせるかのように「四刷」まできた次第。フムフム・・。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。岡田ジャパン(また、WM=Welt Meisterschaft)の楽しみ方という視点でも面白く読めるはずです・・たぶん。

 出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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