My Biography


My Biography(51)_大ケガ(その1)・・(2015年10月12日、月曜日)

■またまたご無沙汰してしまった・・

もう、言い訳は書き飽きた(皆さんからすれば、読み飽きただろう!?)けれど、やっぱり、4か月ぶりの「My Biography」だから、「何か一言だけでも・・」と、書きはじめることにした。

でも、言い訳なんか・・、ないよ。要は、書きつづけるための気力(モティベーション)を充実させるのに四苦八苦しているっちゅう体たらくなんだ。でも・・

そう、先日、その気力を呼び起こし、充実させられる出来事があったのだ。

私の兄。

彼が、人工の「股関節」を埋め込む手術を受けた。そして、彼を見舞うため、J2、ヴェルディ対アルディージャ戦に合わせて病院へ立ち寄ったときのことだ。

彼が入院したのは、味スタからほど近い日赤病院だったのだが、そのとき彼に、こんなことを言われたんだよ。

「な〜・・、オマエの自伝、このころ途切れがちだよな・・前回のアップから、もう3か月は経ってしまっているんじゃないか?・・内容は面白いし、楽しみにしている読者も多いはずなのに・・」

彼は、私の様々なコラムを欠かさず読んでくれている。

「う・・うん・・でも、どうも気力がサ・・まあ、たしかに継続しなきゃいけないプロジェクトではあるよな〜・・」などと、最初の私の反応は、とても鈍いモノだった。

でも、そのとき急に、「The Core Column」も含めた新連載をスタートさせるまでの経緯が脳裏に浮かんだんだよ。そして思った。

たしかに、このまま途絶えさせてしまうのは、惜しい・・。

「そうだよな〜・・読売サッカークラブ時代のハナシまでたどり着けるかどうかは分からないけれど、プロサッカーコーチ養成コースあたりまでは完遂すべきかもしれないな・・娘の卒業式アテンドでアメリカへ行ったときは、B級ライセンスのストーリーを書いたからね・・」

「そうだよ・・時間なんて、いくらでも作れるだろ・・」

「うん・・」

・・ということで、バイオグラフィーをリスタートすることにしたのだけれど、今回は、ドイツで負った大ケガについて書くことにした。

それは、入院手術が必要なほどシリアスな骨折だった。

■人工芝でのミニサッカー・・

ケルン体育大学に設置されている、何面かの人工芝スモールフィールド。大きさは、ハンドボールコートといったところだろうか。

まあ、人工芝とはいっても、当時のヤツだから、クオリティーは推して知るべし。硬いし、不自然に引っ掛かる。下手にスライディングなどしようものなら、すぐに皮が剥けてしまうほどの(やけどに似た!?)擦過傷を負ってしまう。

そんなだから、膝や足首の関節への負担が大きいのは推して知るべしだ。

少しでも「変な方向のチカラ」が掛かったら(天然芝のように自然に滑らないから!?)、すぐにでも「引っ掛かってねじれ」、じん帯を伸ばしてしまうのだ。

とにかく、当時の人工芝は、常に気を遣ってプレーしなければならない危険なフィールドだったんだよ。

でも、エネルギーを持て余しているスポーツ学生連中は、そんな危険などお構いなく、少人数のミニサッカーに興じていた。もちろん私も、折にふれてプレーしていたことは言うまでもない。

ミニゲームは、楽しい。

何せ、サッカーでもっとも面白くエキサイティングな「ゴール前のせめぎ合いシーン」の連続なんだから。

ランチタイムなどで学生食堂(メンザ)へ行けば、必ず誰かがボールを携えて食事をしている。そして、ミニゲームのメンバーを募るっちゅうわけだ。

「どうだオマエ・・やるか?」ってなノリだ。

そして8人集まれば、すぐにでも4対4のミニゲームがはじまる。

その日も、メンザで顔見知りの学生に声を掛けられた。

「どうだい?」

「もちろん!!・・ランチが終わったら、すぐに行くよ・・」

食後は、少なくとも30分間は胃を休ませなきゃいけないけれど、我慢できず、ランチを終えてから直ぐにプレーをはじめるなんていう、スポーツを科学として探求している学生とは思えない「乱暴な行動」だって厭(いと)わないコトも多かった。

そんなだから、プレーしている最中に、急に横っ腹が痛くなって休憩せざるを得なくなるなんていう無様なコトだってしょっちゅうだった。

でも、ミニゲームは、本当に楽しいから止められない。

また、遅れてフィールドに馳せ参じたことで、すぐにフィールドに入れないこともあったけれど、そんなときでも、待っていれば、すぐに誰かが交替してくれた。

もちろん、そんな「自主交替」の背景には、仲間と「楽しいプレー機会をシェアしよう」っちゅう情緒的(文化的!?)なバックボーンがあることは言うまでもない。

とはいっても、なかには(外国人学生も含めて・・)プレー機会を譲りたくないヤツ等もいる。

誰が考えても図々しい利己主義学生。でも私は、そんな出来事からも「文化の違い」を体感し、考えさせられたものサ。

そう、それは、様々な「文化の違い」のコノテーション(言外に含蓄する意味合い)を、体感ベースで自分のモノにするための有意義な学習機会だったんだ。

あっと、ハナシが逸れた。

■そして、大ケガを・・

そのとき、一瞬、何が起きたのか分からなかった・・。

それは、ボールをもつ私の前に立ちはだかった相手を、上手いフェイントで抜き去ったことが発端だった。もちろん私は、とても気持ちよかった。でも・・

そう、その抜かれたヤツが、(悔しさのあまり!?)背後からスライディングをブチかましてきたんだよ。

そんな背後からのスライディング(タックル)なんて予測だにしていなかった私は、(気持ちよく!?)前方へボールを押し出していた。

そのときコトが起きた。

ボールを押し出した次の瞬間、その押し出した足が、背後から仕掛けられたスライディングタックルに引っかけられたというわけだ。

私は、引っかけられたというコト以外、本当に、まったく記憶がない。

そして気付いたら、右足のつま先が、「あらぬ方向」を向いていた。そのつま先が、右足首外側のくるぶしよりも外側へ向いてしまっていたんだ。

次の瞬間、一緒にプレーしていた友人が、「見るなっ!!」と、私に目隠しをした。でも、私は、見てしまった。

その瞬間、「これは大変なコトになった・・」と感じていた。そして、吐き気までもよおしていた。

もちろん感覚はないし、痛みも感じなかった。

(PS:今回はちょっと短めだけれど、長い中断の後だから、今日はこんなところでご容赦・・)

(つづく)

============

これまでの「My Biography」については、「こちら」を見てください。

===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





[ トップページ ] [ Jワンポイント ] [湯浅健二です。 ]
[ Jデータベース ] [トピックス(New)] [ 海外情報 ]