The Core Column
- The Core Column(64)_戦友カリオカ(ラモス瑠偉)との対話・・良いサッカーは、ミスの積み重ね・・(2019年7月9日、火曜日)
- ■優れたサッカーは、(前向きな!)ミスの積み重ね・・
「ところでサ・・オレ・・」
それは、私の、こんなアプローチからはじまった。
「良いサッカーは、ミスの積み重ねだっていう、ちょっと刺激的な考え方(発想)を、サッカー界に発信しつづけているんだよ・・」
「あっ・・さまざまなメディアで発表しているコラムに書いているっちゅうことネ」
そしたら・・
例によってカリオカが、間髪を入れずに反応するんだ。
(ラ)「そうだよっ!!」
そして・・
(ラ)「読売サッカークラブ時代、一番たくさんミスしたのは、オレだからねっ!!」
スゲ〜〜ッ!! まさに大迫力の、刺激的な反応だね〜・・
サスガに、カリオカ。
だから、私も、間髪入れずに「カウンター」をブチかますのさ。
(ゆ)「たしかに、読売サッカークラブ時代のカリオカは、攻守にわたって、ものすごくアグレッシブに仕掛けまくっていたよな〜・・」
(ゆ)「だから、失敗につながってしまうことも多かった・・」
(ゆ)「カリオカが言いたかったのは、チームのなかで一番リスクにチャレンジしていたのは自分だったっていうことなんだろ?」
(ゆ)「そんな自負があったからこそ、周りに、強烈な文句をブチかませたっちゅうことだよね?」
(注釈)これは、グラウンド上の刺激ジェネレーター(発電器)というテーマなんだけれど、それについては、「このコラム」をご参照あれ・・。
あっと、カリオカ・・
もちろん、間髪入れずの反応がつづく。
(ラ)「いいね〜、湯浅さん!? オレが言いたかったこと、すぐに理解してくれたじゃない。こんなに反応が早いとは思わなかったよ・・」
そして私も、間髪入れずに・・
(ゆ)「それって、オレを甘く見ているっちゅうことなのか!?」
(注釈)まあ、そのやり取りは、戦友同士の、心の触れあい(サッカー理解レベルの探り合い!?)っちゅうことですかね。
(ラ)「ところで、そのミスだけれど・・」
(ラ)「技術的なミスは、まあ、仕方ないよね」
(ラ)「オレが言いたかった、もう一つの意味は、逃げや、アリバイといった後ろ向きのプレーでミスをするのが最悪だということなんですよ」
(ゆ)「そう、そう・・」
(ゆ)「たしかに、前向きにチャレンジしているときの失敗は、リカバーするのは苦しいにしても、次の進歩にはつながるよな〜〜・・」
(ラ)「そう、そう・・」
(ラ)「でも逆に、自信がなかったり、失敗したくないからっていう後ろ向きの気持ちで、横パスやバックパスに逃げてサ、そこでボールをかっさらわれたら、もう最悪なんだよ!」
(ラ)「そんなときに限って、まったくリカバーできないくらいの絶対ピンチに陥っちゃう・・」
(ゆ)「そう・・ベンチで観ているオレたちにとっても、最悪さ・・」
(ラ)「いや、ベンチよりも、グラウンドのオレたちが受けるダメージの方が何倍も大きいよ!」
例によっての、ヒートアップ・・
(ラ)「そんな、後ろ向きのミスをリカバーしなきゃいけないのは、オレたちだからね。そのときの、オレたちの気持ちを考えてヨ・・」
(ゆ)「そりゃ、ベンチよりも、切実だよな〜・・」
(ゆ)「オレも、ドイツのマチュアでプレーしていたときのコトを思いだすけど、味方の後ろ向きのミスで失ったボールを追い掛けるときの疲労感ったら、まさに最悪だったよな」
(ゆ)「でも逆に・・」
(ラ)「勇気をもってチャレンジしていったときの失敗に対しては、ものすごく前向きに、全力でリカバーに入れた・・!?」
(ゆ)「うん、そう・・」
(ラ)「味方が、勇気をもってリスクにチャレンジして失敗しても、その失ったボールを全力で追い掛けるときの気持ちは、まったく違うんですよネ」
(ラ)「そこじゃ、まず、チームメイトの積極的なミスをリカバーしたいっていう、前向きな気持ちがあるわけだから・・」
(ゆ)「うん、そう・・」
(ゆ)「でも逆に、後ろ向きのアリバイプレーで犯したミスをリカバーしなきゃいけなくなったときの疲労感は、とても大きくなるっちゅうことネ?」
(ラ)「そうなんですよ・・」
(注釈)グラウンド上では、そんなふうに、気持ちのアップダウンが繰り返される。だからこそ、チーム全体の情緒を、ポジティブに、前向きに保つためにも、
一人の例外もない全員が、攻守にわたって、積極的にプレーすること(攻守ハードワークとリスクチャレンジ!)が、良いサッカーの大前提なんだ。
(明日に、つづく)
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「The Core Column」の全リストは、「こちら」です。
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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