とはいっても、中盤での攻防は、両チームの攻守に「意図」が豊富にあっただけに、面白い展開だったとすることもできるし・・
ヴェルディーは、前節、アントラーズに「0-3」の勝利を収めました。私は見ていないのですが、内容的にもクレバーな良いゲームだったようです。そのことは、この試合にもいえます。「クレバーな・・?!」 フム・・
サッカーが安定してきたヴェルディーですが、それは何といっても中盤守備が確固たるカタチを持ちはじめたからです。その中心が、「リンリン(小林と林)」のボランチコンビです(中盤で、攻守にわたって縦横無尽のダイナミックプレーを魅せる山田も特筆モノの大活躍!)。思い返してみれば、前年シーズンでも、この二人がコンビを組みはじめてから、ヴェルディーのサッカーが安定してきましたからネ。それでも、攻撃の「ダイナミズム」には不満が・・
ヴェルディーの攻撃は、極限まで「効率」を追求している・・なんて表現できそうです。(特に後方の)選手たちは、確実に、本当に確実にパスが回される状況にならなければ前方のスペースへ上がっていこうとはしません。まず「状況の発展性」を観察し、確実なチャンスにならないと思ったら、サポートに上がっていこうとしないのです。そして、とにかく確実に自チーム内でボールをキープ(高いボールポゼッション)!! もちろんヴェルディーの選手たちには、そのベースになる「技術的な基盤」があります。
小林と林の「リンリンボランチコンビ」、山田、石塚など、中盤選手たちのキープ力は、もうリーグ有数?! だから逆に、「足元パス」が増える?! マーク相手を背負っていても確実にボールをキープし、次に展開できてしまうのですから・・。そして、そんな「ゆっくり」としたボールの動きから、チャンスとなったら、急にスピードアップして仕掛けていきます。中盤からのドリブル突破。はたまた、最前線のキムを中心にした爆発的な決定的フリーランニングと「タメ」からの勝負パスの組み合わせ・・など。それでもグランパス守備ブロックの「ウラ」をほとんど突くことができない・・。たしかに考え方によっては、「クレバーで効率的な攻撃」ではありますが・・「限界」もミエミエ?!
とはいっても、(その時点で良いポジションにいる)何人もの選手が積極的にに絡んでいくヴェルディーのカウンター攻撃は危険そのもの。やはりカウンター攻撃のベースは、選手個々の「高い戦術能力」ってなことなのでしょう・・
特に、グランパスに素晴らしい先制ゴール(ピクシーの、ピンポイントFKからの呂比須のダイビングヘッドゴール!!)を決められた後の前半11分に魅せた、一瞬のチャンスを突いた素早い攻撃は見事の一言でした。
中盤でショートパスを受けた山田が、軽くドリブルした瞬間、最前線の廣長がアクションを起こします。グランパスゴール前の決定的スペースへ飛び出したのです。そのスペース、測ったような山田からのラストパス。たまらず、グランパスGKの楢崎が廣長を倒してしまいます。PK!!
この一瞬のチャンスに、爆発的に「スピードアップ」して作り出した決定的チャンスは、本当に一級品でした。この「一瞬のウラ取り」がヴェルディーの真骨頂?! でもそれだけでは・・
その後ゲームは、一進一退の展開へ・・。縦横のバランスをしっかりと取りながら、まずしっかりと守って「一瞬のカウンターチャンス」を狙うヴェルディー(高い位置でのボール奪取に意識を絞り込んでいる?!)。そんな攻撃の基本的な意図については、ヴェルディーの全員が高い「集中力」を見せていました。
対するグランパスの選手たちは、ピクシーを「最終勝負の仕掛け人」に、できる限りサイドから攻めるという共通イメージをもっています。彼らは、しっかりとボールを動かしながら、ゲーム全体としてはペースを握っていますが、それでも簡単にはヴェルディー最終守備ラインの「ウラ」を突くことができない・・。ヴェルディー「リンリンボランチコンビ」と山田の、これこそ「クリエイティブな穴埋め」というクレバー守備が目立ちます。もちろん最終守備ライン(杉山、米山、中澤、西田)の安定性は折り紙つきですからネ・・
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結局試合は、林を退場で失ったヴェルディーが、延長後半に飛び出したピクシーのFKゴールで振り切られてしまいましたが、内容的にはまったく互角といった展開ではありました。
前半のヴェルディー、林のループシュート。前半のグランパス、カウンターからの、岡山のフリーシュートや、ゴール前20メートルからのピクシーのフリーロングシュート。後半9分の、これまたヴェルディーカウンターからの、キムの素晴らしいセンタリングに合わせた山田の「フリー」ヘディングシュートや、カウンターから抜け出した山田が放ったフリーシュート。逆にグランパス、山口のロングシュートや、ワンツーから抜け出した至近距離のシュートなどなど、ゴールチャンスは十分にあったのですが、どうしても「チャンスの内容」に不満を感じてしまう湯浅なのです。
ちょっと文章に「まとまり」がないように感じている湯浅ですが、ヴェルディーの「高効率サッカー」については、別の機会に、もっと分かりやすく書こうと思います。では・・