どうも両ゲームともに活気が感じられない・・戦術的な見所が希薄・・だから見ている方も気のエネルギーを充実させられない・・。
マリノス対グランパス戦の全体的な構図は、例によっての堅牢な「守備のチーム戦術」をベースに、ウェズレイの決定力に賭けるグランパスに対し、ホームの心理パワーを背景に攻め上がるけれど、うまくチャンスを作り出すことができない(グランパスの堅守を崩せるという雰囲気をかもし出すことができない)マリノスといったものです。マリノスは、全体的にゲームを支配しているものの、グランパスの堅守を崩せないないのです。
立ち上がりの時間帯は、グランパスのツボ(彼らがイメージする仕掛けのツボ)にはまりそうになります。互角の展開から、ウェズレイが、一本、二本と、決定的シュートを放ってしまうのです。もちろんカウンター気味の攻撃から。これは・・と思っていたのですが、そのピンチがマリノス選手たちを覚醒したようで、そこからは例によっての堅実なサッカーがもどり、ゲームを掌握しはじめます。それでも、変化を演出することができない・・最後の仕掛けに勢いと鋭さが感じられない・・。
要は、マリノスが、強固なディフェンスブロックを敷くグランパス選手たちの守備イメージのウラを突いていけない、グランパス守備陣のイメージを超越した仕掛けを演出できないということです。ボールがないところでのフリーランニングが緩慢だしポジションチェンジもうまく機能しないから、素早く広いボールの動きを演出することもままならない(走る方も、十分にパスを期待できていない=チーム内での仕掛けに関するイメージシンクロレベルがまだ高まっていない)。
グランパスは、例によって、マークを受けわたしながら(うまいポジショニングバランスを基盤に)、素早いブレイクから、勝負所では確実に「人」をマークする。そんな守備イメージが徹底しています。
それでも、ドゥトラが攻め上がっていく場面では、チャンスへの期待が高まります。やはり攻撃の変化は、守備プレーヤーのオーバーラップ(タテのポジションチェンジ)がもっとも効果的というわけです。だからこそ、守備的ハーフのバランス感覚が重要になってくる。遠藤と那須の守備的ハーフコンビは、攻守にわたってうまく機能していたとは思うのですが・・。
ということで、マリノスのチャンスメイクは、何度かあったドゥトラの攻め上がりとセットプレーが中心ということになります。セットプレーですが、前半42分の左からのフリーキックは惜しかった。
それでも後半は、マリノスの前へのエネルギーが増幅します。どんどんとグランパスを押し込んでいくマリノス。それでも、グランパス守備ブロックを崩し切るところまでいけない。そんな展開のなか、マリノス側に皮肉なチャンスメイクがありました。押し込まれていたグランパスが押し返していた時間帯。マリノスが、鋭いカウンターから二本のシュートチャンスを作り出したのです。特に右サイドを攻め上がった二本目のカウンター攻撃は絶対的なチャンスになります。まったくフリーのマリノス選手が中央ゾーンで待ち構えている。それは、このゲームでのハイライトでした。
でも、そのハイライトシーンで主役になったのは、マリノス選手ではなく、グランパスGKの楢崎でした。彼には見えていました。明確に、ラストクロスが見えていたのです(そのタイミングとターゲットマンを明確にイメージしていた!)。そして最後の瞬間、ゴールマウスを飛び出し、中央ゾーンでシュート体勢に入ったマリノス選手に対して、爆発的セービングを敢行したのです。見事にはじき出されるボール。それにノーファール! それは、それは見事なGKのリスクチャレンジプレーでした。
その後は、ゲームの構図に大きな変化なく、そのままタイムアップになったという次第。フ〜〜ッ。
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さて、やっと到着した国立でのヴェルディー対レッズ。ちょいと遅れてしまったために、レッズ山瀬の先制ゴールシーンは見逃してしまいました。永井が「落とした」ボールを素早くトラップし、一度左へ切り返して左足一閃! 見事なミドルシュートだったとのこと。フムフム・・。その後も、エメルソンの「ここしかない」というコースのヘディングシュートが決まり、前半でレッズが「2-0」とリードしています。
でもゲームはまったく盛り上がらない。全体的にゲームをコントロールし、攻め上がっているのはヴェルディー。でみまったくといっていいほどレッズ守備ブロックを崩せない(フリーでボールをもつ仕掛けの起点を演出できない)。スピード感のない展開からドリブル突破とワンツー勝負ばかりをイメージし、「中央ゾーン」へのごり押し攻撃をつづけるヴェルディー。世界中でもっとも「人口密度が高い」場所なのに・・。
ヴェルディー選手たちは感じていなかったのですかネ、チャンスを作り出せるとしたら「サイドからの仕掛け」しかないということを・・(数本は作り出した惜しいチャンスは、その全てがサイドからの仕掛けだった!)。彼らの組み立てからは、「最後はサイドで起点を作り出す」というイメージが、まったくといっていいほど感じられなかったのです。
その仕掛けイメージは、(読売サッカークラブ時代も含め)以前の悪いときのヴェルディーを見ているようでした。それじゃ無理だろう!!
前節のセレッソ大阪は、素早くシンプルなボールタッチと、パス&ムーブも含む、活発なボールがないところのランニングで(素早く、広いボールの動きによって)、マンマーク・レッズ守備をキリキリ舞いさせました。まあヴェルディーのコアな問題は、やはり、選手たちが描いている「パスリズム」が緩慢だという事実でしょう(正確ではあるのですが・・)。だからパスを受ける前に、次のプレーをイメージできていない・・トラップからのプレーが遅い(ボールのこねくり回し)・・次のパスタイミングをイメージできない周りの選手たちも様子見になってしまう・・そして無理な状況から中央突破の繰り返し・・。
変わらない(変われない?!)レッズも含め、ちょっとゲーム内容に落胆していた湯浅でした。
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あ〜〜あ、内容がない・・。それでも、印象レベルだけでも記録しておかなければと、気乗りしないままキーボードに向かっていた湯浅でした。書き手が楽しめていない文章が「弾む」はずがない・・。ご容赦アレ・・。