湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2007年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第14節(2007年8月2日、木曜日)
- やっぱり全体を通したゲームの流れもしっかりと把握しておかなければネ・・(レッズ対サンフレッチェ、4-1)
- レビュー
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- どうも皆さん。長い、長〜〜い東南アジア遠征から帰国し、予定どおりレッズ対サンフレッチェを観戦したのだけれど、事情があって、レポートは今日にずれ込んでしまいました。
その事情ですが、こんな感じでした。昨日の8月1日、早朝0730時バンコク発の便で帰ってきたのですが、その前夜に、急に寒気におそわれてしまったのですよ。あっ、ヤバイ!と、葛根湯を二包飲んですぐにベッドに潜り込んだのだ。
でも身体が温まらずに寝付けない。結局、汗をかきはじめるまでに2時間以上もかかっただけではなく、その後も、大量に汗をかくほど身体は温まっていたのだけれど、まったく眠れなくなってしまった。大きなベッドだから、一方の端っこの掛け布団にくるまり、そこががベチャベチャに濡れてきたことで、逆の端っこの布団にくるまる・・。そんなことを繰り返しているうちに、起床予定の0400時になってしまったという次第。フ〜〜。
仕方なく、ゴソゴソと起きだし、シャワーを浴びて朝食のレストランへ。大量に汗をかいたことで、少しは体調がもどってきたようには感じたけれど、そう簡単にはリカバーできるはずもない。たしかにフライト中には2時間くらい眠ったけれど、成田に着くころには寒気が戻ってきていた。そしてその後は、「こんな」経過をたどることになったという次第。
成田に着いた次の瞬間には、ビジネスパートナーから連絡が入り、急遽ミーティングに参加しなければならなくなった・・その後、埼玉スタジアムへ急いだけれど、首都高速は大渋滞・・結局スタジアムに到着したのは後半がはじまったタイミングだった・・そして記者席に着いた次の瞬間には、サンフレッチェの佐藤寿人が、マークする坪井をクレバーに身体でブロックしながら素晴らしい先制ゴールを挙げる・・でも、その後はレッズが盛り返し、トゥーリオの同点ゴール、ポンテの(PKでの)勝ち越しゴール、田中達也とワシントンの追加ゴールと、結局レッズが「4-1」の大勝を収めてしまった・・そんなエキサイティングな試合とは裏腹に、風邪からくる寒気は厳しくなるばかり・・帰宅して体温を計ってみたら39度以上もあった・・そんな状況でも、ビジネスの用件で何度もドイツへ連絡しなければならなかったし・・
言い訳ばかりでスミマセン。とにかく・・そんなわけで、昨日は、まったくレポートを書く余裕はありませんでした。身体的にも、心理・精神的にも。
そして今日も、熱が下がったわけではなかったけれど朝からビジネスワークに追われてしまった。ということで、2200時からのスカパー再放送を観ながら簡単にレポートをまとめることにした次第。あっ・・と、実際の(熱っぽい!?)レポートよりも前段の方が長くなってしまったかもしれません。ご容赦あれ。
それにしても、ゴールが入るまでのレッズは重かったね。ボールがないところでの動きが鈍重。それに対して、サンフレッチェの攻守にわたる動きの軽快なこと。それは、自分たちのサッカー(イメージ)をいつものように継続しようとするチームと、この試合での勝利を懸け、全力でゲーム戦術に徹するチームとの意識や意志の差とでも言い表せるものだったかもしれないね。
レッズが相手を甘く見ていたわけじゃないだろうけれど、主体的に、組織プレー(守備でのダイナミズムや、攻撃でのボールがないところのプレーの量と質)の勢いをアップされられなかったことは確かな事実だったからね。リーダーシップの欠如!? いや、この試合にはトゥーリオもいたわけだから・・。
このように、全体的な試合の流れを追うようにレポートが書けたのも、今日の再放送を観たからに他なりません。昨日のスタジアム観戦は、サンフレッチェが先制ゴールを挙げたところからだったからからね。
とにかく、ゴールが入るまでのゲームの流れが気になったのですよ。記者の方々からも、ゴールが入るまでの重い雰囲気について聞かされていたからね。これは、盛り上がってきてからのゲームを分析するだけじゃ足りないよな・・。まあそれも、昨日レポートを書く気にならなかった背景の一つでもあったというわけです。
たしかに、サンフレッチェに先制ゴールを叩き込まれてからのレッズは、全体的な「動き」が何割かはアップしました。守備でのイメージ連鎖の活性化と、攻撃でのボールがないところのアクションの量と質。だから攻守わたって、勝負所での(効果的にプレーに絡める)人数を増やすことができた。やはりサッカーでは、数的に優位な状況をいかに素早く、効率的に演出するのかというのがメインテーマだということです。守備においても、攻撃においても。
要は、長谷部誠と鈴木啓太、そして両サイド(山田と相馬)の、勝負(仕掛け)スポットまでの「距離感」がテーマということなんだろうね。試合がアクティブに動き出してからの「距離」は、確実に縮まっていき、最終勝負ゾーンでの組織コンビネーションもうまく回りはじめたからね。だからこそ、ポンテ、ワシントン、田中達也の核弾頭トライアングルの機能性も大きくアップしたのですよ。それは、仕掛けプロセスでの「組織と個のバランス」が本来のレベルに戻ったということです。
もう一つ、「人数」についての注目ポイントがあります。前半でも見られたけれど、最後尾の選手が最前線へ飛び出していくという「タテのポジションチェンジ」が、点を取られてから目に見えて活性化していったのですよ(まあ前半でも見られたけれど、ちょっと単発に過ぎた!)。
トゥーリオの頻繁な上がり、阿部勇樹や坪井慶介が魅せつづけた、高い位置でボールを奪い返してからの最前線へ飛び出していく動きなど。もちろん「それ」も、組織コンビネーションの機能性をアップさせ、個の才能を存分に発揮させるバックボーンになったのです。そして、そんなタテのポジションチェンジを効果的にコーディネイトしていたのが、言わずと知れた鈴木啓太でした。彼は、チーム内の「相互信頼関係のシンボル」ともいえる重要な存在なのです。
それ以外にも、相馬崇人のサイドゾーンでのドリブル勝負に威力が増してきたとか、攻守にわたる実効レベルが向上しつづけている山田暢久とか(何度か魅せたスーパーなボール奪取シーンは印象的!)、いろいろとテーマはあったけれど、まだアタマがボ〜〜ッとしていることもあるので、今日はこのあたりで・・。
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しつこくて申し訳ありませんが、拙著(日本人はなぜシュートを打たないのか?・・アスキー新書)の告知をつづけさせてください。本当に久しぶりの(ちょっと自信の)書き下ろし。それについては「こちら」をご参照ください。
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