湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2010年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第3節(2010年3月21日、日曜日)
- セルヒオには、本当に、誰か専任のコーチがつきっきりで、心理マネージメントとイメージトレーニングを施す必要がある!・・(山形vsR, 1-1)
- レビュー
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- この試合はテレビ観戦。ということで、ポイントだけ短くまとめます。
まず、ロブソン・ポンテ。前回のコラムでは、彼のパフォーマンスが大きく減退している(彼のところで攻撃がスピードダウンし、そこを起点にボールを奪い返されていた・・等々)と書いたけれど、この試合では、調子が(プレーイメージが)上向きだと感じさせてくれた。
一番の問題だったボールの動きの停滞傾向(最初のボールコントロールでの持ちすぎ傾向)が改善されたことが大きいですかネ。要は、シンプルにボールを動かすというイメージが優先しはじめたということだけれど、もちろんその後のパス&ムーブも忠実になっているから、彼のところにボールが集まるというチーム戦術的な現象も含め、ポンテが中心になって、最終勝負へ向かう人とボールの動きが加速していくというイメージが復活しつつあるということです。
またポンテは、守備イメージでも復調していると感じさせてくれた。ココゾ!のボール奪取勝負で魅せる実効プレーの内容だけではなく、チェイス&チェックという汗かきプレーへの意志もアップしてきたのです。まあ、守備がよくなっているからこそ、次の攻撃でのイメージが好転しているとも言えるわけだけれどネ。
次のポイント。アントラーズとの初戦に敗れた後に、「ウラの決定的スペースをうまく使えない・・」というニュアンスのことを柏木陽介が言っていたらしいけれど、もちろん「その現象」の背景として、人とボールの動き(組織プレーの量と質)が減退気味だったということが挙げられる。
要は、相手守備ブロックが「予想しにくい」ほど、しっかりと『前後にも』ボールを動かしつづけなければ、決して相手守備のウラに広がる決定的スペースを、流れのなかで突いていくことは難しいということです。足許パス「ばかり」をつないでも、何も起こせない・・ということです。
もちろん、単独ドリブルで突破していっても決定的スペースを突いていけるわけだけれど、どうだろうネ〜・・、まあ田中達也やエジミウソンには可能性を感じるけれど・・。
聞いたところによると、セルヒオが減量に成功し、調子がいいということで期待していた。でもアントラーズ戦でも、この試合の後半でも、わたしがレッズに期待している、要は、昨シーズンの前半のようなダイナミックな組織プレー(人とボールの動きを、タテ方向へも加速していける組織パスプレー!)の勢いが、セルヒオのところでストップしてしまっていたことは確かな事実だよね。
たしかに「ボールを持ったときの」プレーは、少しは軽快になったし、自分のイメージに乗れば、彼からはじまるコンビネーションも繰り出していける。でも、それ以外の、ボールがないところでのプレー内容や、ディフェンスに対する「意志の内容」には、大きな発展は感じられない。彼が、レッズの攻めにおける組織プレーの「リズム」を阻害する存在になっているのは確かなことだよね。
二列目のフタ・・。まあ、そういうことだね。
要は、ボールがないところで(田中達也のように)走り回り、味方にスペースを作り出したり、シンプルにプレーすること(爆発的なパス&ムーブ!!)でボールの動きを加速したりするプレーが(それに対する意志が)まったく感じられないということです。いつも、止まって「足許パス」を要求し、そこでボールを持っても、詰まってしまったら、逃げの横パスを出し、そして足を止めてしまう。
パス&ムーブは、絶対的な義務なんだゼ・・それをやらないんだったら、プロ選手は辞めた方がいい・・アンタは、ディエゴ・マラドーナでは決してないんだから・・そして、絶対的なゴールチャンスも決められない・・フ〜〜・・
ちょっとアタマにきているように思うけれど、全身全霊で、ブッ倒れるまで闘うという「意志」がない選手は、個人事業主として、まったく尊敬に値しない・・観る価値がない・・そして怒りばかりを感じる・・のですよ。
レッズのサッカーだけれど、たしかに前半の最後は、集中を欠いたプレーが出たけれど、それ以外は、とても良いサッカーを展開できていた。それが、後半になって、セルヒオ・エスクデロという「二列目のフタ」が出てきてからは・・。
彼の潜在的なポテンシャルの高さは(私も含めて)誰もが認めるところでしょう。でも、その天賦の才が、まだまだ、本物のブレイクスルーにはほど遠いレベルで停滞してしまっている。
とにかくセルヒオには、本当に、誰か選任のコーチがつきっきりで、心理マネージメントとイメージトレーニングを施す必要があると思いますよ。セルヒオが大幅な減量に成功した・・なんていう、表面的にはポジティブなニュースを聞きながら、「何だ・・それじゃ、これまでは一体なんだったんだ?・・それこそ、クラブの体質を如実に表す現象ということじゃないか・・」なんて、とてもイヤ〜な感覚に苛(さいな)まれたものです。フ〜〜・・
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