湯浅健二の「J」ワンポイント


2013年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第25節(2013年9月13日、金曜日)

 

この試合もまた、ものすごくエキサイティングな勝負へと成長していった・・そして、ネルシーニョ事件についても・・(レイソルvsジュビロ、 1-3)

 

レビュー
 
 ・・え〜〜・・個人的なことになりますが、わたしは、ネルシーニョさんが「帰ってこられた」ことを、とても喜んでいるのですよ・・

 ・・えっ!?・・別に、帰ってきたわけじゃなく、日本にはいたからネ(笑)・・と、ネルシーニョ・・

 ・・それにしても、あんなコトがあった後にもかかわらず、先週土曜日のマリノス戦(ナビスコカップ)でも、この試合でも、とても素晴らしいサッカーを魅せてもらいました・・

 ・・とにかく、攻守にわたって、ボールがないところでの動きの量と質が素晴らしかった・・それこそが、良いサッカーの絶対的ベースですからネ・・確かに負けちゃったけれど、まあ、結果なんて、結果にしか過ぎないですからね・・

 ・・あんなコトがあった後ですからね・・にもかかわらず、この素晴らしいダイナミックサッカーじゃないですか・・わたしも、ドイツも含めて、このようなケースは何度も体感しているのですが、いままで、それで上手くいったケースは、とても希ですよね・・

 ・・そこのところの経緯について、できるところまでで結構ですから、話してくださいませんか?・・それって、ネルシーニョ・マジック??・・

 またまた長くなってしまった。

 土曜日のナビスコカップ(マリノス戦)はテレビで観ました。

 たしかにマリノスも、例によって、高みで安定した高質サッカーを展開したけれど、対するレイソルも、優るとも劣らない、立派な、立派なサッカーを展開していた。

 まあ、そこでレイソルが奪った4ゴールについては、この試合にように(ジュビロが奪った3ゴールのように)、ゲーム内容を「正確に反映したモノ」じゃなかったけれどね・・

 この試合でのレイソルは、ゲーム立ち上がりに、ポンポ〜ンと、コーナーキックから失点を重ねてしまった。

 まあ、ネルシーニョが言うように、集中切れ。でも、そんな「強烈な刺激」をブチかまされたレイソルは、そこから、マリノス戦のように、全盛期を思わせる、ダイナミック組織サッカーを展開したんだよ。

 そして後半。

 まさに順当といえる「追いかけゴール」を奪ったレイソルが、「ココゾッ!」ってな感じでたたみ掛けていったんだ。でも・・

 そう、ジュビロの追加ゴール。それは、それは、見事なカウンターゴールではありました。これでジュビロが、「3-1」と、レイソルを突き放した。

 誤解を避けるために断っておくけれど、この試合での関塚ジュビロも、とても、とても立派なサッカーを展開したんだよ。

 たしかにジュビロはリードしているから、少しディフェンスを安定させたことは確かだけれど、そんな展開のなかでも、全員が「蜂の一刺し」を狙いつづけ、そして実際にツボにはめたというわけです。

 関塚隆さんも言っていたけれど、彼が監督に就任してからのジュビロは、サッカー内容と結果が、まったく「乖離」していたよね。

 ガマンの関塚隆。でも、この試合では、とても貴重な、勝ち切る・・という感覚を体感できた(選手たちが、その快楽を思い出した!?)。

 残り9試合。記者会見で関塚隆さんにも言ったけれど、ここからのサバイバルレースは、ホントに、血湧き肉躍る「学習機会」だよね。

 ちょっと不謹慎かもしれないけれど、プロコーチ関塚隆にとっても、ものすごく貴重な学習機会になるだろうね。羨ましい・・。あっ、不謹慎!? すみませんネ、関塚さん・・。あははっ・・

 あっと・・試合・・

 とにかく、ジュビロは、素晴らしいダイナミックサッカーを展開していたんだよ。そして、だからこそ逆に、レイソルが展開したサッカーの素晴らしさ「も」際立ったっちゅうわけなのです。

 さて・・ということで、ネルシーニョとの対話。

 わたしの話を聞きながら、満足げに頷いていたネルシーニョが、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。曰く・・

 ・・そう、わたしも、レイソルが展開したサッカー内容には、とても満足しているんだ・・えっ!?・・魔法!?・・そんなこと、あるわきゃないよ(笑)・・

 ・・「あのコト」だけれど、決して、意図的なモノじゃなかったんだ・・何らかの狙いがあったわけじゃなかったんだよ・・

 ・・本当に、純粋に、アントラーズ戦で感情的になってしまったんだ・・わたしも人間だからね、過ちもするさ・・選手には、常に高いものを要求しているからね、自分も反省するところは、しっかりと反省しなきゃいけないと思うんだ・・

 ・・アントラーズ戦は、決して負けてはいけないゲームだったんだ・・とにかく、かなり「入れ込んで」いた・・だから感情の方が、理性に優ってしまったんだよ・・

 ・・でも、間違いを犯したら、それを素直に認めて反省し、謝罪しなければいけない・・そして、選手たちに謝罪し、彼らの反応を、本当に注意深く感じようとしたんだ・・

 ・・そして確信した・・我々の間には、まだまだ信頼関係がある・・ってね・・

 いいね・・ネルシーニョ。

 まあ、意図したわけではないと言っていたけれど、ネルシーニョは、確信していたはずだよね。もし、「このコト」を乗りこえられたら、もし、選手たちとの信頼関係が残っているのだったら、確実に、その信頼関係を、より一層強化できる・・ってね。

 そう、脅威と機会は表裏一体・・なんだよ。

 でも・・サ・・そんな人間心理のメカニズムを、「あの」ネルシーニョが意識しなかったはずがない。

 だから私は、ネルシーニョが、ちょっと「マンネリ」になっていたチームの「ぬるい」雰囲気を、一度ブチ壊すことで、パワーアップさせようと思った面がなきにしもあらずだった・・ってね。

 そう、彼は「創造的な破壊」を完遂させた・・とも言えるんだよ・・と、思う。

 そしてネルシーニョは、そんな私の捉え方とは関係なく、あくまでも、前述した「コンセプト」に基づいた言動に徹する。

 いや・・ホント・・とても、とても刺激的な出来事ではありました。

 スミマセン・・ちょっと思考停止状態になってきた。ではまた明日〜〜・・

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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