湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2013年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第30節(2013年10月27日、日曜日)
- 3つのテーマをピックアップしましたよ・・それにしても(Jet Lagで)眠い〜・・(レッズvsレイソル、 2-1)
- レビュー
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- いいね〜・・シーズン終盤の、血湧き肉躍るドラマチックバトル・・
今節は、上位三チームともに勝利を収め、順位は変わらなかった。そして、これからの残り4試合に、最高のドラマが期待できる。
一年間を通したリーグだからこその、終盤のクライマックス(盛り上がり)。
たしかに、昨シーズンのブンデスリーガ(バイエルン・ミュンヘン)のように、かなり早い段階で優勝チームが決まってしまうこともあるけれど(興行的にはマ
イナス!?)、それでも、一年間を通した『分かりやすい』勝ち点システムだからこそ、その価値あるチャンピオンは記憶に残り、日本サッカーの歴史と伝統を
確固たるものにする礎(いしずえ)になる・・
このテーマについては、「The Core Column」に先日アップした「このコラム」も参照して下さいネ。
あっと・・難しいハナシは止めにして、まずは、この試合のテーマを押さえておきましょう。
でもその前に・・
今日で、帰国3日目。ということで、時差ボケがひどい。
夜中に眼を閉じても、3時には目が覚め、そしてまったく寝られなくなる。仕方ないから、ゴソゴソと起き出して仕事を始めたりする。
だから、今日の埼スタでは、ハーフタイムに、記者会見ホールで、ホントに瞬間的に(まさに気を失うかのように!?)寝てしまった。
5分間だけ寝た。気持ちよかったけれど、それでも、あの「強烈で急激な睡魔」は異常だぜ。ピックリした。歳、取ったのかな〜・・
ということで、今日も、ポイントだけをランダムに書き連ねます。悪しからず・・
・・そのテーマだけれど、三つかな・・
・・最初は、レッズが2点目を奪うまでの、レイソルの気抜けプレーと、その背景・・
・・二つ目は、レッズの心臓であり、コントロール(ツイン)タワーでもある大人のダブルボランチ・・
・・そして最後が、1点差を、内容あるディフェンスで立派に「守り抜いた」レッズの守備ブロック・・
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・・ということで、最初のテーマだけれど、この現象について、ネルシーニョさんに質問した・・
・・たしかに、いまコメントされたとおり、内容的にも、特に後半、レイソルは素晴らしいサッカーを展開し、いくつかのチャンスも作りだした・・それは、ネルシーニョさんが言うように、プランしていた通りのサッカーになったということなんでしょう・・
・・でも、 立ち上がりの2失点は、ネルシーニョさんが言われたように、いただけない・・まさに、眠っていたレイソルだったと思うのですよ・・その現象ですが、どうして、そんなことになってしまったと考えますか?・・
・・その理由を説明するのは難しい・・我々は、細部まで、万全の準備は出来ていた・・ただ、チームとして機能するまでに時間がかかった・・その間にレッズに二つのゴールを奪われてしまった・・そして我々は目が覚めた・・
・・立ち上がりでは、ボールを奪った後のポゼッション(ボール保持)の内容(質)に、大きな差があった・・それが二つの失点につながったのだと思う・・
・・まあ、このテーマについて、ネルシーニョさんは、言葉を濁していたけれど、ボクは、こう考える・・
・・要は、選手たちのアタマのなかが、準備されたプラン(ゲーム戦術)で一杯になり、実際の状況に即して柔軟に考え、行動するチカラが抑制された・・要は、考えすぎ・・
・・そして、そんな「スキ」をレッズに突かれ(守備も、レッズの仕掛けの流れを後追いするシーンや、ボールウォッチャーになってしまうシーンが続出!)、前半の10分間で2失点という体たらくになってしまった・・
・・でも、2失点してからは、ネルシーニョさんが言うように、まさに覚醒したスーパーサッカーを展開した・・ホントに、力強く、良いサッカーだった・・
・・だからこそ逆に、レッズが展開した強固なディフェンスも目立ちに目立っていた・・あっと、このテーマは、最後か・・
・・ということで、二つ目のテーマ・・レッズが誇る、大人のダブルボランチ・・
・・鈴木啓太と阿部勇樹のコンビ・・
・・中盤での守備の流れ(組織ディフェンス≒イメージとアクションの連動性)をコントロールする二人・・もちろん、チェイス&チェックというハードワークから、忠実なマーキング、カバーリング、協力プレスへの参加などなどの守備プレー全般で、鬼神の活躍を魅せつづける・・
・・また、味方が繰り返す「タテのポジションチェンジ」の演出家としても素晴らしいリーダーシップを発揮していた・・
・・要は、最終ライン(スリーバック)選手のオーバーラップをカバーしたり、前線プレイヤーを「下げさせ」、そこで出来たスペースを、自身が上がっていくことで、効果的に活用したりする・・
・・そんな状況では、相手ディフェンスにとって二人は(もちろん上がっていくのは交互にだよ!)、見慣れない顔・・そんな相手プレイヤーを確実にマークするのは難しいモノなんだよ・・
・・そして攻撃となったら、後方からのゲームメイクから、前線へ「見慣れない顔としてオーバーラップし」、相手が驚くようなチャンスメイクを魅せたり、自身がシュートをブチかましたりする・・
・・それこそが、タテの変化・・変化こそが、攻撃にとって、もっとも大事な要素だからね・・
・・それにしても、後方で、確実なボールキープから、ボールの動きを、とてもクリエイティブなプレーでコントロールしつづける鈴木啓太と阿部勇樹は、このチームにとって、まさにチーム戦術的な「心臓」と言える存在だ・・
・・この試合でも、この二人のプレーを注視するだけで、存分に舌鼓を打てる・・
・・とにかく、この二人の攻守にわたる想像力と創造力を見るだけでも、入場料にオツリがくるってもんだ・・
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・・そして最後が、1点差を守り切ったレッズ守備というテーマ・・
・・それも、これまでとは違い、かなり確実に、相手の強力な攻めを(この日のレイソルの攻撃は、とても強力だった!)、最後のところで抑え切れていた・・
・・だからこそ、ピンチの内容も、これまでに比べて、その逼迫度は低かった・・より安定度を増したディフェンス・・だからこそ、ピックアップテーマ・・
・・ミハイロとも、記者会見で「会話」した・・
・・彼も、以前から比べれば、攻められていながらも、最後のところでは、しっかりと抑え切れていたと、満足げに話していた・・
・・それも、これまで何度も味わった悔しさ故の「進化」の証し・・
・・そう、失敗から学習できることこそ(同じ失敗を繰り返さないことこそ)が、その人の(チームの)本当の意味での優れたキャパシティーの証明なんだ・・
・・でもミハイロは、その「会話」のなかで、こんな課題も口にしていてた・・
・・それは、相手が攻め上がってきていたからこそ出来た(相手陣内の)スペースを、うまく使い切れていなかったという問題点・・
・・たしかに、何度か放った「鋭い蜂の一刺しカウンター」だったけれど、そのほとんどが、最後のシュートまでいけなかった・・それは、確かな事実・・
・・だからこそ、意識しなければならない課題・・
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・・ということで、意識を失う前に(最後に)これだけは言いたい・・
・・それは・・次週のナビスコカップ決勝(今日と同じ、レイソル対レッズ!)は、ホントに、本当に、ものすごくエキサイティングで面白い勝負マッチになるに違いない・・
・・ということで、オヤスミなさい〜・・
・・乱筆、乱文・・失礼・・
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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