湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2013年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第32節(2013年11月23日、土曜日)
- どんなカタチでもいいから1点を「もぎ取る」ことの大事さ・・そして、チョウ・キジェとランコ・ポポヴィッチについても簡単に・・(レッズvsフロンターレ、 1-3)
- レビュー
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- どうも皆さん、帰国しています。昨日・・
上マブタと下マブタの「キズナ」が、どんどん強くなっている。あ〜〜、眠い〜・・フ〜〜
ということで、意識を失う前に、代表戦レポート同様に、気付いたポイントをランダムに「書きなぐる」ことにさせていただきます・・悪しからず・・
・・まず、レッズが、とても落ち着いた(内容で相手を凌駕する)サッカーを展開しているというポイントから・・
・・もちろんミスはあるし(サッカーはミスの積み重ね!)集中が切れかかるシーンもあった・・
・・でも、何かに「おびえて」縮こまるような雰囲気は、まったく感じられない・・彼らは、フッ切れた(解放された心理で!)勝負サッカーを展開している・・と、感じていた・・
・・そして、勝者のメンタリティーという言葉に思い当たった・・
・・気付いた選手を数えただけで、「リーグ」や「ACL」といった何らかの「重要なタイトルでの優勝」を体感しているのは・・那須大亮、森脇良太、平川忠亮、阿部勇樹、鈴木啓太、興梠慎三・・といったところか・・
・・もちろんナビスコや天皇杯までも含めたら、もっといるかもしれないけれど、とにかくチームの半分以上が、何らかの重要タイトルの「体感者」だということが言いたかった・・
・・そして、だからこそ、フッ切れたメンタルで、「自分たちのサッカー」を体現できていた!?・・そう、立派なサッカー・・後は、結果だけ・・
・・そんなことを思っていたんだよ・・でも・・
・・そう、前半12分・・それまでのゲーム内容からすれば、まさに「唐突」ってな感じで、先生失点が生まれてしまったんだ・・
・・セットプレーから、ジェシにヘディングシュートを叩き込まれてしまった・・
・・もちろん、その後は、どんどんとペースアップし、ドミネーション(ゲーム支配)の内容もアップしていった・・でも逆に、そんな攻め上がるエネルギーの逆を突かれてしまって・・
・・前半には、二本・・自分たちの大きなミスから、大久保嘉人に、絶対的なチャンスを与えてしまった・・でも、ラッキーなことに失点には至らなかった・・
・・また、前半同様に、後半キックオフ直後にフロンターレがイニシアチブを握ったわずかな時間に、レナトに、ギリギリのグラウンダーシュートをブチかまされた・・誰もがフリーズ・・
・・またその直後の後半6分には・・
・・完璧なカウンターから、レナトと大久保嘉人にチャンスを作りだされた・・
・・もちろん最後は、ギリギリのところで防ぐことが出来たわけだけれど、私も含め、誰もが不安な気持ちにさせられたはず・・
・・そんな、見せかけのゲーム展開と、実質的な「勝負展開」に、ちょっとギャップが感じられていた後半12分・・レッズが、そこまでのゲーム展開からすれば順当というにふさわしい同点ゴールをブチ込んじゃう・・槙野智章・・
・・左サイド・・
・・槙野智章と原口元気によるダイレクトコンビネーションが冴えわたり、最後は、槙野智章のスライディングシュートが右隅に決まるんだよ・・同点ゴールッ!!・・
・・よし、これで大丈夫・・前半のようにゲームをコントロールしながら、しっかりとチャンスをモノにしていけば、勝負はレッズのモノだ・・なんて確信していた・・でも・・
・・そう・・そのわずか2分後には、再びフロンターレに突き放されちゃうんだよ・・ゴールしたのは今度「も」槙野智章・・そう、オウンゴール・・
・・とはいっても、ありゃ、仕方なかった・・
・・その外側にはフロンターレ選手が待ち構えていたし、登里享平が放ったグラウンダークロスは、あまりにも良いコースへ飛んだのだから・・
・・ということで、「ここ」から、ものすごく興味深い「サッカー的な現象」が立てつづけに起こるんだよ・・
・・レナト、中村憲剛、そして大久保嘉人といった、フロンターレが誇る天才連中がブチかました、まさに必殺のカウンター・・
・・全部メモしておいた・・それらは・・
・・■67分・・これまたフロンターレの完璧なカウンター・・「ツキ」で抑えられた・・フ〜〜・・
・・■71分・・これまたフロンターレの完璧なカウンター・・「ツキ」で抑えられた・・フ〜〜・・
・・■80分前後・・フロンターレのカウンター・・最後はレナトのシュート・・
・・■直後のセットプレーからは、ジェシがフリーヘッドシュートをブチかます・・この二つのピンチは、ともに「ツキ」で抑えられた・・フ〜〜・・
・・■84分・・完璧な、フロンターレのフリーシュートチャンス・・でもキックミス(ついてた!)・・
・・そんな冷や汗シーンを観ながら、私は、こんな展開だったら、絶対に「何か」が起きるはずだ・・なんて思っていた・・
・・そう、勝者のメンタリティーの為せるワザ(!?)とでも表現できる「何か」がだ・・でも・・
・・そう、その「何か」は、フロンターレの方に起きちゃったんだよ・・
・・それは、後半ロスタイムに大久保嘉人がブチ込んだ「突き放しゴール」・・
・・これで、アウェーのフロンターレが、「1対3」としてゲームを決めてしまった・・
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ということで、この試合でもっとも重要だったテーマは、どんなに泥臭くても、カッコ悪くても、とにかく1点を「もぎ取る」ことの大事さ・・っていうことだったのかもしれないね。
あれだけの「チャンスの流れ」を作りだしながら、結局レッズが挙げたゴールは、槙野智章の一つだけだったわけだから・・
この試合でも、レッズを「主体」にレポートを書いてしまいました。
フロンターレの、ファン・サポーターの方々も含む「ステーキホルダー」には申し訳ないとは思いますが、どうも、アタマの回転が・・
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実は、この試合の後、埼スタでの記者会見をスルーして味スタへ向かったんですよ。そしてキックオフ10分前に到着。
そんなストレスもあって(また、寝てないことと時差ボケもあって!)・・やっぱり歳を感じてしまうような疲労感に見舞われてしまったっちゅうことなんだろうね・・フ〜〜・・
それでも、簡単に・・
・・結局、降格が決まってしまったベルマーレ・・でも、このシーズンにおける彼らの「発展ぶり」は見事の一言だった・・
・・「J2」のチームには、上位をうかがえる実力チームと「それ以外」という二つのグループに大枠で分けられるような!?・・
・・今シーズンの「J2」では、ガンバ、ヴィッセル、サンガなどに代表される実力チーム(誤解を恐れずに書いちゃう筆者なのだ!)と、中位、下位グループに分けられる・・
・・そんなイメージ的な「グルーピング」からすれば、いまのベルマーレは、明らかに、常に「J1」を狙える・・いや、狙うべき実力チームの仲間入りをしていると思う・・
・・監督のチョウ・キジェさんは、とても優秀なプロコーチなんだよ・・わたしは、この2シーズンの彼の仕事ぶりを見てきた・・そして、その「継続こそチカラなり・・」というコンセプトに、いたく感銘を受けているんだ・・
・・まあ、これから彼の契約がどうなるか分からないけれど、とにかく、チョウ・キジェというプロコーチについては、これからも注視していこうと思っていますよ・・
・・あっと・・プロコーチということじゃ、FC東京のランコ・ポポヴィッチも、とても優秀だと思うよ・・
・・記者会見で彼に聞いた・・
・・勝負強さとサッカー内容のどちらの方が大切か?・・いや、その、互いに背反する二つのサッカー要素をどのように考えるか?・・なんていう質問をした・・それに対して・・
・・その二つは、高い次元でバランスさせられると思っている・・それが、目指すべき方向性だ・・
・・では・・相手にカウンターチャンスを与えることを防ぐために、ヨーロッパの現場では「1人でリスクヘッジをマネージするのか、それを1.5人にするの
か・・」などという、レトリック議論がなされる・・その意味についてランコさんは分かると思うが、そのことについては?・・
・・それについてのオレの基本的な考え方は、カウンターを喰らわないことを目指すというものだ・・カウンターを喰らった「後」のことを考えて、何らかの
(セキュリティー)プランを練るのではなく、あくまでも、カウンターをさせない、またそれを喰らっても、どのようにしてでも、その流れを(その流れが成長
するのを)阻止するというイメージだ・・
・・フムフム・・いいね・・
・・ランコ・ポポヴィッチ「も」また、あくまでも、攻守にわたって積極的にアクションしつづけるサッカーを志向しているということだね・・
チョウ・キジェに、ランコ・ポポヴィッチ・・。二人とも、日本サッカーにとって貴重な価値を秘めるプロコーチです。
この2人のチャレンジャー(プロサッカーコーチ)に乾杯!!
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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