湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2015年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第20節(2015年7月19日、日曜日)
- 2015_J1_第20節・・まあ、これもサッカー・・それでも「今のレッズ」の充実度を再認識できた・・(レッズvsサンフレッチェ、1-2)
- レビュー
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- ・・エッ!?・・ウソッ!・・やられちゃった・・同点にされちゃったゼッ!・・
・・ここまでは、完璧な勝利だって誰もが確信していたのに・・クソッ!!!・・
・・エッ!?・・また完璧なカウンターを喰らっちゃった・・アッと、ここは西川先生に感謝だ〜っ!!
・・でも、これまでのゲーム展開からすれば、オレ達が負けちゃダメだし、同点でも納得できないゾ〜!!・・とにかく勝利をもぎ取るんだっ!!・・
・・アッ!?・・エッ!?・・また、浅野拓磨にやられちゃった・・ウッソ〜ッ、信じられない!・・逆転されちゃったゼッ・・
同点ゴールを決められてから、決勝(逆転)ゴールを決められるまでのレッズ選手たちの「情緒的な心の叫び」を、文章に起こしてみました。まあ、私の勝手な想像だけれどサ・・
この試合・・
あれほど素晴らしいサッカーで完璧にゲームを支配し、繰り返しサンフレッチェ守備を崩して決定的チャンスを作り出したレッズ。
でも結局は、敗戦の憂き目を見ることになってしまった。
レッズを応援する誰もが、気持ちが「ささくれ」ちゃうような感覚におそわれたに違いありません。
かく言う私も、久しぶりに、内容と結果が、高い次元でシンクロするようなゲーム展開をイメージしていたことで、かなり落胆させられた。
もちろん、サンフレッチェがブチかました、高質でスマートなイメージシンクロを基盤にした爆発カウンターに対しては、ミハイロ同様、敬意を表します。でも・・
ここでは、(サンフレッチェの危険なカウンターに対する!)レッズの「次の守備へのバランス感覚」というテーマへは深入りしません。
私にも、蒸し暑い気候(自分たちがイメージする以上の体力の消耗など!!)も含め、「あの」状況では(リスクチャレンジとリスクヘッジという感覚的な視点も含めて!)仕方のない展開だったという感覚が残っているんですよ。
逆に、タイミングよく、スーパースピードスター浅野拓磨を投入した森保一監督の絶妙采配も含めた、サンフレッチェの「勝負強いサッカー」に拍手をおくりましょう。
私が言いたかったことは、冒頭で表現したように、同点にされた後の、レッズ選手たちの「レベルを超えた動揺」というテーマだったんですよ。
素晴らしいサッカーで、サンフレッチェを完璧に凌駕し、何度も、何度も、サンフレッチェ守備を崩して決定的チャンスを創り出していたからこそ、同点ゴールによって選手たちが襲われた「落胆と動揺」が、レベルを超えてハードなモノだった・・ということです。
だからこそ、少し「冷静さ」を欠いた攻め上がりになった!?
まあ、そういう面も、否めないかもしれない。
ということで、ここでは、サンフレッチェがブチかました「一発カウンター・タテパス」のキッカケになった、レッズ選手のコントロールミスや、ミスパス、ま
た、「相手カウンターまでイメージできていなかった攻撃でのポジショニング」や、「相手カウンターに対する戻りのダイナミズムが足りなかった」等などと
いったネガティブな要素には触れません。
もちろん私も、後からビデオで確認するけれど・・
そこでピックアップされる課題については、ミハイロやチームが、これ以上ない効果的な学習機会として、とことん活用することに期待するしかないよね。
ところで後半のゲーム展開だけれど・・
前半は完璧にレッズに「やられまくった」こともあっただろうし、ハーフタイムに、森保一監督から強烈な「檄」を飛ばされたこともあったんだろうね、後半のサンフレッチェは、自分たちのサッカーで、より積極的に攻め上がっていった。
そして、だからこそレッズが、何度か、絶妙なカウンターチャンスを作り出した。でも、決められない。そんな「タラレバ・シーン」を観ながら、ちょっと嫌な「感じ」に襲われたモノです。
そして徐々にゲームが、ダイナミックな均衡状態へと入っていくんだ。
そうなったら、両チームのサッカー内容の「内実」が、徐々に、グラウンド上の現象に「反映」されていくのも道理だよね。
そう、レッズが、前半と同様に、ゲームの流れを完璧にコントロールしはじめたんだ。
もちろん、前半のように、サンフレッチェのサッカーが全くカタチになっていない・・っちゅう展開じゃない。
とにかく、両チームともに、持てる実力を「十分に」発揮できるようになったからこそ、彼らの「現在の実力差」が、如実に「見える」ようになっていったんだよ。
もちろん(今の!)サンフレッチェは、リーグ随一の「勝負オリエンテッドな質実剛健サッカー」を展開している。そのことは、誰もが認めるところです。
でも・・
そう、「サッカーの内容と勝負強さのバランス・・」という視点じゃ、やはり、レッズに「一日の長」があると思うのですよ。
そのコトを、ものすごく深くまで「体感」しているのは、もちろん選手たち。
だからこそ、前半のサンフレッチェが、チト縮こまってしまったし、逆にレッズが、確信レベルが「天井知らず」ってな自信に満ちたプレーを展開したっちゅうわけだ。
そして、だからこそ逆に、同点ゴールを喰らったレッズ選手たちの「動揺」がレベルを超えてしまい、冷静さを失ってしまったんだろうね。
レッズは、この悔しい敗戦を「心の深いところにグサッと突き刺さる強烈な刺激」として、次へ向かっていくしかない。
まあ、選手たちは、既に「次」を見つめているだろうけれどね。
でも、この試合でレッズが体感したに違いない、動揺と落胆、そして冷静さ(勝者メンタリティー!?)の喪失・・というテーマについては、何度も「反芻」して欲しいと思っている筆者なのです。
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最後に、「強いレッズ」というテーマを、もう一度。
セカンドステージ(私は、この表現が大嫌い・・そのコトについては、コラムの最後をご参照ください!)、その最初の2試合は、連続アウェーマッチだった。
ホームゲームを戦う、松本山雅とモンテディオ。
もちろん彼らは、しっかりと守って(レッズの良さを消して!)カウンターをブチかますというゲーム戦術で臨んできた。
そして、ものすごい(見事に統一された!)意志のサッカーを展開することで、徐々にレッズを、彼ら(反町康治さんと石崎信弘さん)の術中に陥(おとしい)れちゃうんだよ。
そのことでレッズは、時間の経過とともに、足が止まり、受け身のサッカーに落ち込んでしまった。
でも、今日の相手は、チカラのあるサンフレッチェ。
彼らは、松本山雅やモンテディオとは違い、細かな術策を講じる必要などない。彼らは、レッズと互角(状況によっては、それ以上に!)に闘える、リーグ随一の実力を備えているんだ。
そして、だからこそ(特に後半!)、いまのレッズのチーム状況が素晴らしく「充実」していること、そして彼らの実力が、リーグ随一であることを再認識できたというわけです。
ということで、今日は、こんなところで・・。
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ところで、ワケの分からない、1.ステージ、2.ステージ・・という「興行」について。
メディアは、「1.ステージ優勝」なんていうテーマで盛り上がっている。
でも・・ね・・
皆さんもご存じのように、「J」に関わっているサッカー人は、絶対に、『年間最多勝ち点チーム』を目指さなきゃいけないんだよ。
以前の「2ステージ制」とは違い、今シーズンからの「それ」では、シーズンが終了したとき、『年間最多勝ち点チーム』が一番エライってことになるはずだからね。
その後のトーナメントは、まさに「興行」。
そして「J」の歴史には、『年間最多勝ち点チーム』と『興行チャンピオン』の両方が刻み込まれる。そうじゃなきゃ、10年、20年後に、「昔」と比べられる、同じ基準のチャンピオンがいなくなっちゃうからね。
だから、「J」に関わっているサッカー人は、そして読者の皆さんも、『年間最多勝ち点チーム』をイメージしてシーズンを楽しむっちゅうわけだ。
この「テーマ」については、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」も参照してください。そこじゃ、いかに2ステージ制が、世界の主流フットボールネーションが築き上げた「伝統」に逆行しているのかというディスカッションを展開しました。
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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