湯浅健二の「J」ワンポイント


2016年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第1節(2016年2月27日、土曜日)

 

開幕マッチは、例によって連チャン・・(レイソルvsレッズ、1-2)(FC東京vsアルディージャ、0-1)

 

レビュー
 
さて、「J」が開幕しました。

それにしても疲れた・・。スミマセン、しょっぱなからネガティブオーラを放散しちゃって。

実は・・

今日も、愛車オートバイでの移動だったのですが、とにかく、最初から最後まで(まあ、夜の移動になった、最後の味スタから自宅までの道程は除いて・・ですかね)、大渋滞に悩まされつづけたのですよ。

まさに間断のない大渋滞。一般道路でも、首都高速道路でも。

オートバイだから、もちろん状況を見て、渋滞の脇をすり抜けていくわけだけれど、それが、ものすごく気を遣う。

一般道では、脇道から、ガッと入ってくるクルマや単車、また(イヤフォンを耳に付けた!?)自転車などに気をつけなきゃいけない。

また首都高速道路でも、後ろを確認せずに、またウインカーも点けずに、ガッと、突然車線を変更するクルマがいたりする。

ウイークエンド・ドライバー!? まあ、そんな人も多かったんだろうね。

私のオートバイは、常にヘッドライトが点きっぱなしだし、たまにはパッシングしたり警笛を鳴らしたりするのですが(自分の存在をクルマに知らせるため!)、にもかかわらず、たまに、そんな不届き者が出てくるんですよ。ホント、ものすごく気を遣う。

最初の柏スタジアムまでは、自宅とは別の場所(千葉県内)から移動したし、お昼時だったから、そうでもなかったけれど(でも、まあ、普段の土曜日から比べれば、その交通省は、少なくとも2倍くらいはあった!?)、柏から味スタへの移動が、ものすごく大変だったんですよ。

到着したのは、FC東京vsアルディージャがキックオフした5分後あたり。まあ、実質的には1時間半ほどかかったことになりますかね。ホント、とても、とても長く感じた。

だから、ゲームを観はじめたときは、集中力も途切れがち・・という体たらくだったんですよ。フ〜〜ッ!!

いまは自宅で、22時30分といったところですが、そんなこんなで、どうも気力が充実しない。だから、両ゲームについては、ホントに短く、短く、まとめさせてくださいね。悪しからず・・

ということで・・

_________

レイソル対レッズ。

前半は、もう完全にレッズのモノだった。まあ、レイソルが良くなかったと言った方が正しい評価でしょうね。

でも、そんな(型にはまって消極的に過ぎた!?)前半のレイソルも、後半になってから、徐々に盛り返していった。

そんな「盛り返し」プロセスだけれど、それは、興味深いことに、新外国人の2人が外れてから本格的な勢いが乗っていったと思う。

そしてレイソルは、まさに、昨シーズンのような「強いチーム」へと復調したんだよ。

どうなんだろうね・・

レイソル新監督のメンデスさんの会見コメントでは、トランジション(攻守の切り替え)とか、カウンターなんていう言葉が、何度も何度も、繰り返されていた。

もちろん、リアクションサッカーというニュアンスではなく、(なるべく高いゾーンでの!)積極的なボール奪取から、素早くレッズゴールへ迫っていく・・っちゅうイメージ。

実際、彼らのカウンターは、(後半に限っては!)とても危険なニオイを放つまでに改善していったし、チーム全体にしても、より積極的に(人数をかけて!)攻め上がれるようになったよね。

そう、特に、日本人「だけ」のチームになってから・・!?

まあ、このテーマについては、後でビデオを見直し、そこでのグラウンド上の現象(ゲーム展開プロセス)を反芻してみることにしますよ。

対するレッズ。

とても、とても良かった。

まあ前半は、レイソルが「悪すぎた」から比べるのは止すけれど、後半になって、レイソルが息を吹き返してきてからも、内容的にも、勝負という視点でも、最後の最後までレッズが、イニシアチブを握っていた・・とするのがフェアな評価だよね。

だから、チーム総合力が、どんどん充実しつづけているレッズ・・!?

そう、「攻守バランスの理想型」に近づいていることで、より確実に、そして「美しく勝てる・・」ようになっていると体感していた筆者なのですよ。

このテーマについては、新連載「The Core Column」で、先日発表した「このコラム」も参照してくださいネ。ホント、是非お読みください。

おなじテーマのディスカッションとして、ズラタンの決勝ゴールが決まってからの(ロスタイムも入れた!)最後の12分間におけるディフェンスについても言及しなきゃいけない。

そう、流れのなかでのレッズ守備が、とても、とても充実してきているのですよ。

チェイス&チェックと協力プレス。それに、とても効果的に「連動」しつづける周りのボール奪取アクションの積み重ね。素晴らしい。

まあ、流れのなかでの組織ディフェンスが充実してきているからこそ、カウンターとセットプレーでの、実効レベルも含む「内実」について、もっと注意深く評価しなきゃいけない・・ということなんだけれど・・ネ。

そう、様々な視点でのチーム力が充実してきている今のレッズだからこそ、「その弱点」が、より明確に目立つようになっているのですよ。

まあ、これは、いつも書いているように、ビデオを駆使したイメージトレーニングという創造的なテーマということだね。

最後に、個々の選手についても、少しだけ。

特に、遠藤航と武藤雄樹。

2人とも、ホントに、素晴らしいチームプレイヤーですよ。それだけじゃなく、この2人は、局面での、攻守にわたる「個の勝負」という視点でも、素晴らしい。

彼らは、常に、アタマとカラダが「動き」つづけているということなんだろうね。

そう、意識と意志、そして勇気の炸裂。もちろんボールがないところでもネ。彼らは、次の勝負ポイントを、常に「猛禽類の感覚」で探しつづけているんだよ。

ということで、この2人がブチかましつづける、インテリジェンスあふれる、攻守にわたる「意志のハードワーク」と、勇気ある(意志の!)勝負プレーに、乾杯!!

あっと・・槙野智章。

良いですネ〜・・。何度彼が、レイソルの「外国人プレイヤー」との1対1勝負で、抜群の存在感を魅せつけたことか。ホント、素晴らしい。

とにかく、この試合での槙野智章は、最終ラインセンターに位置取りする「最終ラインのリベロ」としての存在感が、ホントに抜群だった。

スミマセン・・ね、槇野さん。

何か、取って付けたような書き方で・・。とにかく、アタマがボ〜ッとした状態でキーボードに向かっているモノで・・。へへっ・・

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ということで、最後、FC東京vsアルディージャ戦も簡単に。

まず何といっても、城福浩監督の、記者会見での「悔しさオーラ」を採り上げないわけにはいかない。

誰もがビビるに違いない、ものすごく厳しい表情。いいね〜。まさに勝負の顔。私は、好きですよ。

あっと・・

いやいや・・テーマは、サッカーの内容と結果の「乖離」というテーマだった。要は、「いつものサッカー的な理不尽現象」がまたまた起きてしまったということです。

そう、FC東京がゲーム内容で凌駕していたにもかかわらず、一発カウンターで決勝ゴールを奪われ、その後の大攻勢も叶わずに守り切られてしまったんだよ。

そりゃ、悔しいでしょ。

何せ、FC東京が、誰が観ても、城福浩さんが良い仕事を積み重ねているコトを如実に確認することができるような優れたサッカーを展開したわけだからね。

なかでも・・

私にとって、とてもインプレッシブ(印象的)だったのが、トントント〜ンってな軽快リズムでブチかましていく、ダイレクトパス・コンビネーション。

もちろん、攻め上がっている人数が十分でなければ、そんなリズミカルな人とボールの動きなど演出できるはずがない。

それは、FC東京が、しっかりと組織的に攻め上がっていたことの証でもあったんだよ。

もちろんその背景には、トレーニングで培った、ダイレクトパス・コンビネーションを、スムーズに、そして効果的に繰り出していけるだけの「イメージシンクロ」もあった。

あっと・・この、ボールを止めない「ダイレクトパス」というテーマについては、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」も参照してください。

そんな、FC東京が何度か魅せた、美しく魅力的なダイレクトパス・コンビネーション。

でも城福さんは、「それでも、アルディージャ守備の背後スペースを突いていけなかったのも確かなコトですから・・」と、唇を噛むんだよ。

このプロコーチは、ホントに、ものすごい「こだわり」をもって仕事をしている。そう、とても優秀な「ストロングハンド」というわけだ。

だから私は、彼が「現場」に復帰してくれたコトを、心から嬉しく思っているわけなのです。

この、城福浩さんが率いるFC東京だけれど、三日後の火曜日(3月1日)に、味スタで、ベトナムのビン・ズオンと、「アジア・チャンピオンズリーグ」を闘う。

いまから楽しみです。

とにかく、一つのチームが、成長(進化)ベクトルに乗っていることを体感できることは、至上の喜びだからね。

スミマセン・・ホントに限界・・もう寝ます・・ではまた〜・・

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ところで、ワケの分からない、1.ステージ、2.ステージ、そしてチャンピオンシップ・・という「興行」について。

昨シーズンの「J」は、本当にツキに恵まれた。

何せ、年間最多勝ち点チームというリーグ頂点に立ったサンフレッチェが、「興行チャンピオン」にも輝いたわけだからね。でも、昨シーズンの二位クラブは、ガンバ大阪なんだってサ。要は、「興行チャンピオンシップ準優勝チーム」ということらしい。

まあ、皆さんも感じられている通り、とても、変。まあ、協会側は、この不自然なリーグシステムを「まだ」つづけるつもりらしいけれど・・サ。フンッ。

皆さんもアグリーだと思うけれど、「J」に関わっているサッカー人は、絶対に、『年間最多勝ち点チーム』を目指さなきゃいけないんだよ。

まあ、以前の「2ステージ制」とは違い、昨シーズンから始まった「今回の興行」では、シーズンが終了したとき、『年間最多勝ち点チーム』が一番エライってことになることだけが、救いかな。

ということで、その後のトーナメント(チャンピオンシップ)は、まさに「興行」。

そして「J」の歴史には、『年間最多勝ち点チーム』と『興行チャンピオン』の両方が刻み込まれる(刻み込まれなきゃいけない!)。そうじゃなきゃ、10年、20年後に、「昔」と比べられる、同じ基準のチャンピオンがいなくなっちゃうわけだからね。

だから、サッカー人だけじゃなく、読者の皆さんも、『年間最多勝ち点チーム』をイメージしてシーズンを楽しむべきだと思うわけなのですよ。

この「テーマ」については、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」も参照してください。

そこでは、いかに(目的が歪んだ興行の!)2ステージ制が、世界の主流フットボールネーションが築き上げた「伝統」に逆行しているのかというディスカッションを展開しました。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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