湯浅健二の「J」ワンポイント


2017年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第10節(2017年5月5日、金曜日)

 

フロンターレ「も」、本格的に復調ベクトルに乗ってきている!?・・(フロンターレvsアルビレックス、3-0)

 

レビュー
 
あ〜〜あ、とても爽快だった。

久しぶりに、私がイメージする「フロンターレのサッカー」が観られたわけだから・・サ。

とはいっても、そんな最高潮レベルのフロンターレサッカーが観られるようになったのは、追加ゴールが決まり、そこから徐々にペースアップしてからだった。

要は、立ち上がりから、フロンターレのサッカーに「硬さ」が目立っていたということなんだよ。

硬さ・・

それを明確に認識するための「バロメーター」は、言うまでもなく、人とボールの動きとリズムの内実だけれど・・。

要は、「解放」されるまでのフロンターレは、そのバックボーンである、攻撃にかけるサポート人数や、リスクチャレンジ姿勢などといったファクターに、課題を抱えていたっちゅうわけさ。

追加ゴールをブチ込むまでのフロンターレ・・

たしかに守備は堅かったけれど、次の攻撃の内容は、「人とボールの動きのリズム・・」という視点で、とても鈍重だったんだよ。

それが・・

2点目をブチ込んでからは、徐々に、そして5分も経たないうちに、完璧に、後ろ髪を引かれる心配事(!?)から解放されたんだ。

そう、二点リードということで、(カウンターから!?)追いかけゴールを決められても、まだリードを保てる・・という安心感!?

そして、それまでの心理的プレッシャー(!?)から解放されたことで、ボールを奪い返してからの攻撃の内実が、グンとアップしたというわけさ。

そりゃ、見事な、人とボールの動きのリズムだったよ。久しぶりに、惚れ惚れさせられた。

あっと・・

このコラムで中心になっている、フロンターレの「硬いサッカー内容を変容させた起点」としての追加ゴールだけれど・・。

それは、まさにフロンターレらしさ満載の、見事なダイレクトパス・コンビネーションだったんだ。

キッカケは、突貫小僧、長谷川竜也の軽快なドリブル。そこから、中央ゾーンで待ち構える阿部浩之への横パスが出た。

同時に、フィニッシャーになった小林悠も「爆発」していた。

彼は、阿部浩之から、ダイレクトでラストパスが出ると確信していたんだ。それは、突貫小僧からの横パスを受けた阿部浩之との、瞬間的な「アイコンタクト」によるモノだった!?

あっと・・

ということは、追加ゴールが決まる前の段階でも「既に」、フロンターレの組織コンビネーションサッカーが上り調子にあったということなのか・・!?

いやいや、私の眼には、突貫小僧(長谷川竜也)の、「ココゾ!」のガンバリは、それまでのフロンターレの鈍重なプレーリズムとは異質の、瞬間的な「個の思い切り(=爆発的な勇気)」の為せるワザだったと映っていたんだよ。

あくまでも私は、フロンターレサッカーの本格的な好転は、追加ゴールが決まってから5分後あたりからだったと思っているのサ。

この、体感レベルの「サッカー内実の変容」について、選手たちと語りあってみたいね。

そこには、本物の心理ゲームであるサッカーにおいて、とても根源的な「何か」が内包されているはずだから・・さ。

だから、選手たちの、体感ベースの表現を聞きたい・・って思ったわけさ。

とにかく、フロンターレ「も」、本格的にコンペティティブになってきたことを実感できて、とてもハッピーだった筆者なのであ〜る。

あっ・・と、三浦文丈監督が率いるアルビレックス。

たしかに彼らも調子を上向かせている。

フロンターレにリードを奪われるまでのアルビレックスは、(フロンターレのペースが=自分たち自身によって!?=沈滞気味になっていたこともあって!?)攻守にわたって、とても立派なサッカーを展開し、リードを奪うチャンスまで創りだした。

でも・・

そう、どうも、守備が・・

気になっていたのは、最終勝負シーンにおける「最後の半歩まで出るような徹底アクション」の内実に、まだまだ「アナタ任せ」ってな雰囲気を感じたことだった。

もちろん、私の見立て違いだったかもしれないし、このテーマについては、ダゾーンを見直して、正確に評価すべきだとは思う。

でも、「最初の感覚的な認識と記憶」は、そんなに大外れしていない・・ということも、体感レベルで確信しているわけだから・・サ。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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