湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2017年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第14節(2017年6月4日、日曜日)
- レッズは、立派なサッカーでも残念な結果・・対するレイソルは賞賛に値するギリギリのディフェンスファイトを最後の最後まで貫きとおした・・(レソイルvsレッズ、1-0)
- レビュー
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- ・・ウラ〜ワ、レッズ〜〜ッ!!・・ウラ〜ワ、レッズ〜〜ッ!!・・
ゲーム終了後、スタンドからは、そんな賞賛のシュプレヒコールが沸き起こっていた。
そして、思った。
やっぱりレッズファンの方々は、サッカーを知っている。だから、結果だけで、情緒が「変に」振り回されることがない。
そう、レッズは、この試合でも、しっかりと自分たちが目指すサッカーを展開することで、着実に(進化&深化への!)歩を進めたんだよ。
ところで、試合後のミハイロ。
彼は、すぐにキャビンに入ったことで、そのシュプレヒコールを聞いていなかったらしい。
でも、私の質問に、「そうなんだ〜・・それは、ホントに嬉しい・・やっぱりレッズサポーターの皆さんは、しっかりとサッカーを観ているということだね・・」と、充実感を抑え切れない様子だった。
いまのレッズを取り巻く雰囲気は、高揚している。
その絶対的バックボーンは、何といっても、掲げた高い理想へ向けて突き進んでいること。
そしてその事実を、現場やマネージメント、ファンといったレッズのステーキホルダーが、しっかりと認識していることだ。
美しく勝つサッカー・・
私は、ミハイロ・ペトロヴィッチ率いるレッズがイメージするサッカーのコンセプトを、そう表現することにしている。
そのテーマについては、「The Core Column」で発表した、「こんなコラム」や「あんなコラム」をご参照あれ。
対する、レイソル。
それにしても凄かった、彼らの(協力)プレッシング守備。
特に、中川寛斗、竹富宏介、そして伊東純也がブチかましつづけた、最前線からのチェイス&チェック&ハリーバック(素早い戻り!)&マーキング&チェイス&チェック&&&&&・・
そんなダイナミックな守備アクションを、中盤の底で、大谷秀和と手塚康平が、とてもスムーズ&ダイナミックに、そしてクレバーにマネージする。
とにかく、彼らが最後の最後までブチかましつづけた局面でのデュエルの内実と、ボールの動きが遅くなった瞬間を狙った協力プレス(そしてその後の集散!)は特筆モノだったんだ。
それだけじゃなく、その協力プレスを外された後の、フルスプリントの「戻り」と、粘りの再マーキングやチェイス&チェックの繰り返し・・
確かに後半は、勢いが少しは落ちたけれど、それでも、ゲームが終了するまで、十分な実効力は高みでキープできていたんだよ。
それは、感動的でさえあった。
あっと・・前線からのチェイス&チェックだけじゃなかった・・
レッズの危険な仕掛けを受けて立つレイソル守備ブロックにしても、一度デュエルに入ったら、決して負けない。相手を引き倒してでも、決して置き去りされない。
それは、まさに、「強烈な意志の炸裂・・」という表現がピタリと当てはまる。
そんな、局面デュエルでのレイソル守備の極限のガンバリを体感していたから、今日の(レッズにとっての!)惜しい敗戦には、何か、爽やかな後味さえ残っていたんだよ。
レイソルの下平隆宏監督。
ハーフタイムに、「球際でのデュエルやセカンドボールの奪取・・決して負けるな・・勝ちたいという気持ちをもっと出して限界まで闘え〜〜っ!!」ってな檄を飛ばしたとか。
いいね〜〜・・
私は、下平隆宏さんに、心からの拍手(レスペクト)とエールをおくっていた。
いまは、まだレイソルのプレスセンター。
この試合については、こんなところにしようかな。
とにかくレッズには、「このサッカーコンセプト」を、粘り強く発展させていって欲しいと思う。
そう、継続こそチカラなり・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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