湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2017年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第28節(2017年10月1日、日曜日)
- 互いに一歩も引かない勇気あふれる攻守の仕掛け合いをブチかましつづけた両チームに乾杯!!・・(ベガルタvsレッズ、2-3)
- レビュー
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- ・・レッズが逃げ切った〜〜っ!!・・
ベガルタ対レッズを「ダゾン」したのだけれど、それが、中継アナウンサーの最後の(締めの!?)雄叫びだった。
私は、ロスタイム最後のタイミングでブチかまされたベガルタ三田啓貴の絶対的シュートに半ばフリーズしながら、アナウンサーの雄叫びに頷(うなづ)いていた。
そう、渡邉晋監督に率いられたベガルタは、とても、とても強いチームに成長しているんだ。
彼らもまた、ゲームのイニシアチブを握りながら「美しく勝つこと」を志向する、勇気あふれる積極サッカーを展開しているんだよ。
これまで私は、フロンターレ、たまには戦術(対処)サッカーに徹することもあるレイソル、レッズ、ガンバを、「美しく勝つこと」を志向する代表格として列挙していた。
でも今日からは、そのリストに、ベガルタ仙台も載せなきゃいけなくなった。
面目ないことに、これまでベガルタの試合は(シーズン当初の!?)数試合しか追いかけていなかったんだよ。だから、この試合を観ながら、認識を新たにさせられていたっちゅうわけさ。
対するレッズ・・
そんな「強い」ベガルタを相手に、とても立派に闘った。
そう、言わずもがなの、忠実で粘り強く、そしてクレバーなダイナミック連動ディフェンスと、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション攻撃。
守備では・・
チェイス&チェック&忠実マーキング&ボール奪取デュエル等などの実効アクションが、効果的な有機連鎖を魅せつづける。
だから、積極的に攻め上がるベガルタも、そう簡単には決定的スペースを突いていけない。
また攻撃でも・・
ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションと、タイミングの良いドリブル突破チャレンジが、とても心地よいハーモニーを奏(かな)でていた。
この試合では、梅崎司がサイドハーフとして先発し、、部分的にだけれど、往年の才能プレー(個の勝負プレー!)の片鱗を感じさせてくれた。
それは、忠実でダイナミックな(局面デュエルで簡単に負けない!?)守備ハードワークをベースにしているからこその、ハイレベルな実効(成果)イメージだった。
ゲームの流れ・・
多くの時間帯でイニシアチブを握っていたレッズだったけれど、興梠慎三がブチ込んだ順当な勝ち越しゴール(レッズの2点目)の後は、ホームのベガルタが、俄然、勢いを増していった。
彼らは、攻守にわたり、至るところで、数的に優位なカタチを演出してしまうんだ。
それでもレッズは、そんな感じで、物理的&心理的に「押され気味」のゲーム展開のなかでも、とても立派にベガルタの前への勢いを受け止め、一瞬のスキを突いてラファが3点目のゴールを奪い、勝負を決めてしまうんだよ。
その決定的な3点目ゴールから、クリスランのアタマを中心にパワープレーを仕掛けてくるベガルタの反撃を1点に抑え切ったレッズ。
そんなゲーム展開を観ながら、先日上海で行われたACL準決勝ファーストレグでの(自らツキを呼び込むかのような!!)立派な闘いのイメージが脳裏をよぎった。
やはり「あの」ゲームは、守備での粘り強い「成功体感」も含めて、着実に次につながった・・
そう思った。
さて、ここから(ルヴァンカップには負けてしまったことで!)2週間のブレイクに入り、その後、ヴィッセル戦、上海戦(ACL第二戦)、ガンバ戦と、三つのホーム勝負マッチがつづく。
そこでのサッカーの内実からは、確実に、堀孝史レッズの将来が、垣間見えてくるはず。
自分の学習機会としても、大いなる興味をもって、注視しま〜す。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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