湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2018年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第13節(2018年5月5日、土曜日)
- 短くポイントをまとめました・・悪しからず・・(フロンターレvsFC東京、0-2)
- レビュー
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- 実は、これからお呼ばれで出かけなきゃいけないんですよ。
だから、ポイントだけを簡単にまとめます・・
●フロンターレの「先発選手のローテーション」がうまく機能しなかったという視点・・
・・そうだね〜・・
・・鬼木達さんも「イメージがシンクロしていない・・」と認めていたように、彼ら独特の「人とボールの動きのリズムが、消され気味だったよな〜・・
・・要は、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが、うまく機能していなかったということだけれど、その傾向は、最後の最後まで変わらなかった・・
●そのポイントについては、FC東京がブチかました、ものすごくクレバーで、高質な連動性にあふれた組織ディフェンスの方を拍手しなきゃいけない・・
・・そうなんだよ・・
・・観ていて、まさに、最高潮に機能していた森保一時代のサンフレッチェ広島のことが目に浮かんでいたんだ・・
・・その、「強いサンフレッチェ」というテーマについては、「The Core Column」で、かなり前に発表した「このコラム」をご参照あれ・・
・・ところで、FC東京の連動ディフェンスだけれど・・
・・まず何といっても、永井謙佑とディエゴ・オリヴェイラが中心になってブチかましつづけた「ゲーゲン・プレス」がインプレッシブだった・・
・・それは、ボールを失った瞬間にチェイス&チェックに入り、相手が「さあ、攻撃だ・・」と、前に重心が掛かった状況で、ボールを「再び」奪い返すこと・・
・・そう、最高のカタチでブチかます「ショート・カウンター」を意味するんだよ・・
・・とにかく、この2人が忠実に「やり切った」最前線からのプレッシングは素晴らしかった・・
・・そのコトについて、長谷川健太監督が、冗談交じりに、こう語った・・
・・途中で永井謙佑から、足がつりそうだというサインが来たけれど、私は、いいから、つるまでやれ〜〜っ!!って檄を飛ばしましたよ(笑)・・
●そして、ゲーゲンプレスが「はまら」なかったときの、素早いディフェンスの組織作りと、ものすごく効果的な(イメージ)連動ディフェンス・・
・・FC東京は、前からのボール奪取プロセスが失敗したら、ものすごく素早く、「4X4」のブロックを創るんだ・・
・・もちろん実際の連動守備アクションでは、そんな「カタチ」に囚われることなく、ものすごくスムーズに、チャレンジ&カバーを機能させつづける・・
・・そんな素晴らしい高質ディフェンスを観ながら、すぐに、森保サンフレッチェのことを思い出したっちゅうわけさ・・
・・そのときのサンフレッチェも、全員が、まさに1人の例外もない全員が、積極的に「ディフェンスの仕事」を探しつづけていたっけネ・・
・・そしてFC東京も・・
・・その、素晴らしい闘う意志と、守備(ボール奪取)イメージのシンクロ状態・・
・・ホレボレさせられた・・
●たしかにフロンターレの攻撃は、中村憲剛や小林悠が出てきてから、大きく好転した・・
・・そう、彼らによって、人とボールの動きが活性化したんだ・・
・・特に、牛若丸・・
・・彼にボールが集まるだけじゃなく、彼がボールをもったとき(パスを受ける体勢に入ったとき)、周りのチームメイトたちが、ダイナミックに動きはじめるんだよ・・
・・そう、中村憲剛を中心に、パス&ムーブという「人とボールの動き」が、どんどん連鎖し、複合しつづけたんだ・・
・・だからこそ、彼ら本来の「動きのリズム」が甦ってきたっちゅうわけさ・・
・・でも・・
●そう、そこに、FC東京の、素晴らしく高質な「組織ディフェンス」が立ちふさがった・・
・・そうなんだよ・・
・・この試合でのFC東京の組織的な(各自のイメージが明確に連動しつづける!)ディフェンスは、群を抜いていたんだ・・
・・長谷川健太監督も言っていたように、選手一人ひとりが、フロンターレの「動きのリズム」を熟知している感じ・・
・・もちろん「それ」は、長谷川健太による、クレバーな「イメージトレーニング」のタマモノさ・・
・・だからFC東京は、次、その次という「パスレシーバー」に狙いを定めることができた(明確にイメージングできた)っちゅうことだね・・
●FC東京は、まったく同じカタチのフリーキック2発で勝利を収めたけれど、シュート数では、フロンターレの半分程度だった!?・・
・・それでもFC東京のサッカーが、とてもハイレベルだったという事実にアグリーされない方はいないはず・・
・・そう、決して彼らは、リトリートして、消極的、受け身のディフェンスを展開したわけじゃない・・
・・当時の森保サンフレッチェと同様に、柔軟に(周りが連動するカタチで!)動きながら、相手が狙う「スペース」を潰しつづけたんだよ・・
・・そう、タテパスを正確にイメージ出来たり、もっと言えば、そのタテのスペースを、故意に「使わせたり」っちゅうワナをしかけたとも言えそうだね・・
・・そして、そのサッカーは、いまリーグを席巻している「城福サンフレッチェ」にもつながるモノがあると感じている筆者なのだよ・・
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ポイントは、こんなところだけれど、最後のテーマ(攻撃的な守備ブロックの構築とカウンター!?)については、また機会をみて、掘り下げまっせ。
もちろんサッカーの理想は、攻守にわたって、限りなく全てのシーンで「数的に優位なカタチ」を創り出しながら、ゲームのイニシアチブを牛耳ってしまう攻撃サッカーだよ。
でも、そんな「ドミネーション・サッカー」は、全てのチームが出来るわけじゃない。
だから、理想と現実の「バランス」っちゅうテーマが出てくるわけさ。
ということで、レッズの新監督オズワルド・オリヴェイラに対する期待も含めて、今、とてもモティベートされている筆者だったのであ〜る。
さて、これから美味しい(そうに違いない!?)ディナー・・
では、また〜〜・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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