湯浅健二の「J」ワンポイント


2018年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第14節(2018年5月13日、日曜日)

 

コンサドーレの活躍よって、札幌(ひいては北海道全土!?)に本物のサッカー文化が根付いていく!?・・(FC東京vsコンサドーレ、0-0)

 

レビュー
 
ウワッ!!

そのとき、またまた頓狂な声を出してしまった。

それは、コンサドーレの決定的ピンチ。

FC東京の選手が、コンサドーレのペナルティーエリア内で、まったくフリーで、ダイレクトシュートをブチかましたんだよ。

そりゃ、誰もが、「アッ・・ゴールだっ!!」って息を呑んだに違いない。

でも・・

そう、次の瞬間、コンサドーレ選手の足とか身体のどこかが投げ出され、そのシュートを見事にブロックしていたんだ。

筆者が開発した表現を借りれば、まさに「最後の半歩による見事な最終勝負の瞬間・・」ってな、シュートブロックシーンだったんだ。

それは、1回や2回だけじ゛ゃなかった。

その後も、GKのスーパーセーブも含め、何度もコンサドーレは、絶対に即死というエマージェンシー状況から、自らの「闘う意志」によって、見事に生き返りつづけたんだ。

私は、そんなスーパー守備シーンを観ながら、(帰りの電車で一緒になった後藤健生さんも同様の印象をもったらしいけれど・・)こんなことを思っていた。

・・やっぱり四方田修平は、素晴らしい仕事をしていたんだな〜・・

いまは、ミハイロを支えるヘッドコーチとして良い仕事を積み重ねているんだろうけれど、先シーズンの彼は、コンサドーレの躍進を引っ張った闘将(監督)として名を馳せたんだよ。

もちろん・・

先シーズンの彼らの成功を支えた主な要因は、前述した「ギリギリの守備プレー」に代表される、強烈な闘う意志に支えられたディフェンスだったということに異論をはさむ方はいないでしょ。

そして今シーズン・・

「あの」ミハイロ・ペトロヴィッチが、四方田修平の後を受けて、監督に就任したのだ。

そりゃ、コンサドーレが繰り出す攻撃のコノテーション(言外に含蓄される意味)が、広く、深くなるのも道理ってなことだよね。

素早い攻守の切り替えから、チャンスを見出した誰もが・・、まさに一人の例外もない誰もが、攻撃のファイナルシーンまで突き進んでいくんだ。

もちろん、人とボールを活発に動かしながら・・ネ。

そこには、「ミハイロのサッカーコンセプト」が息づいている。

このコトについては、後藤健生さんとも同じ見解をシェアしたわけだけれど・・

そう、四方田修平ディフェンスと、ミハイロ攻撃の、とても素敵な「コラボレーション」。

とはいっても・・

そう、たしかに、「ゴール機会」の量と質という視点じゃ、明らかに、FC東京に分があったよね。

・・たしかに楽しめている面もあったけれど・・

・・それでも、冷静にゲームを振り返れば、我々の方が、ビッグチャンスがあったわけだから、その意味で、悔しいゲームでもあった・・

・・とにかく、今後は、このような競り合ったゲームを、しっかりと勝ち切れるようにチームを成長させていきたい・・

長谷川健太が、わたしの質問に応えて、そんなコトを言っていた。

ダイジョウブ・・

長谷川健太ほどの「ストロングハンド」だったら、日本サッカーの将来にとって(!)、とても価値のあるチームを創り上げてくれるに違いない。

攻守ハードワークとリスクチャレンジ、そして、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションがテンコ盛りの攻撃サッヵーを・・ネ。

そう、美しく勝つサッカー・・

私は、とても期待していますよ。

ところで・・

いまのコンサドーレ札幌が放散する、何かしらの「ポジティブ・エネルギー」について、一言。

私は、有名な(大きな期待をもてるような!)プロコーチが、その町のトップクラブの監督に就任したときの、(町を挙げての!?)爆発的とまでいえそうな「雰囲気の盛り上がり」を、これまで何度も体感しています。

例えば・・

・・ドイツサッカー史に燦然と輝くスーパープロコーチ、故ヘネス・ヴァイスヴァイラーが、1.FC ケルンの監督に就任したとき・・

・・「あの」ウド・ラテックが、ボルシア・メンヘングラッドバッハの監督に就任したとき・・

・・クリストフ・ダウムが、バイヤー・レーバークーゼン監督に就任したとき・・

・・また、「あの」リヌス・ミケルスが、1.FC ケルンの監督に就任したとき・・

などなど・・

そこで、市中に巻き起こった、期待エネルギーが満載されたポジティブ喧噪のことは、いまでも、体感として明確に思い出せるんだよ。

そのこともあって・・

そう、そんな「ポジティブ喧噪」を、コンサドーレも巻き起こしている・・って感じるんだ。

その喧噪は、もちろんクラブや現場、はたまたファンのなかだけじゃなく、札幌、ひいては北海道全体をも包み込んでいるとさえ感じる。

そして、そんな「ポジティブ喧噪」という動的な雰囲気に包まれている選手たち・・

彼らが、ミハイロがブチかます優れた心理マネージメント(=モティベーション)も相まって、持てるチカラを、常に100%出し尽くすような、素晴らしい攻守ハードワークとリスクチャレンジを魅せつづけるのも、自然の成り行きだと感じるわけさ。

そりゃ、あれほど観ていて楽しく、元気をもらえるサッカーだから、当然だよね。

そして札幌に、本当の意味での(奥が深い!?)サッカーフィーバーが吹き荒れる(本物のサッカー文化が浸透していく!?)っちゅうわけさ。

いいね〜〜・・ホントに・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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