湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2018年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第16節(2018年7月18日、水曜日)
- やっぱりオズワルド・オリヴェイラは、本物のストロングハンドだ・・(レッズvsグランパス、3-1)
- レビュー
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- よかった・・
ホントに、(私が)こんな状態であるにもかかわらず、観にきてよかった・・
まあ、ネ。試合前には、埼スタのプレスセンターで、30分ほど爆睡してしまったけれどサ。
フ〜〜ッ・・
とにかく、今朝モスクワから到着したから、かなり限界に近づいているっちゅう感じなんだ。
だから、ポイントだけを短くピックアップ・・
ということで・・
・・まず、オズワルド・オリヴェイラの、本物のストロングハンドを体感させてもらって、とてもハッピーだった・・っちゅうポイントから。
・・何といってもレッズは、調子をアップさせているグランパスを相手に、立派な守備を展開し、それが何ステップも進化&深化したって感じさせてくれんだ・・
・・中盤では、決して追いすぎず、ポジショニングバランス・オリエンテッドな連動アクション・・
・・でも、(全体組織としてサイドに追い込むなど!?)具体的なボール奪取プロセスを、全員が明確にシェアしている・・
・・そしてチャンスとなったら、数人が、同時に爆発して協力プレスをブチかます・・
・・また、グランパスが繰り出す、最前線への仕掛けのタテパスは、まったく相手にコントロールさせないか、相手が触る前にインターセプトで奪い取っちゃったりするんだ・・
・・そんなレッズだったから、そのボール奪取プロセスによって、(ボール奪取が高い位置だからこそ!)何度も、決定的なショートカウンターチャンスを創りだすんだよ・・
・・でも・・ネ・・
・・このポイント(戦術的な捉え方!)が大事なんだけれど・・
・・レッズが、素晴らしい内容のディフェンスによって、効果的なショートカウンターチャンスを創り出しているからといって・・
・・また、あまりにもセットプレーゴールが多いからといって・・
・・レッズのチーム戦術が、しっかり(受け身に!?)守ってカウンターを繰り出したり、セットプレー一発勝負・・(的)なやり方に変容していると考えるのは、明確な「早とちり」だよね・・
・・まあ、確かに、セットプレーゴールがとても多いし、カウンターチャンスも効果的に創りだしつづけているから、そんな「世論の流れ」に拍車がかかるんだろうけれど・・
・・でも・・サ・・実は・・
・・そう、この試合では、たしかにカウンターチャンスも多かったけれど・・
・・実は、人数を掛けた組織的な仕掛けでも、何度も、何度も、グランパス守備のウラの決定的スペースを攻略していたんだよ・・
・・そう、私が高く評価する、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション・・
・・それをベースに、最後は、興梠慎三だけじゃなく、両サイドバック(遠藤航と宇賀神友弥)や、ボランチの柏木陽介、武藤雄樹・・
・・それだけじゃなく、「あの馬鹿者だった!」マルティノスまでが、ボールがないところで走りまくったり、守備に奔走したり、はたまた、上記した、ココゾッのドリブル勝負をブチかましたり・・
・・言いたかったのは、決してオズワルドは、昔のアントラーズのように、「カチッとカタチが整った勝負至上サッカー」をやろうとしているわけじゃない・・っちゅうことなんだ・・
・・でも今は「まだ」、そんなタイプのゴールが多いからネ〜・・
・・まあ、とはいっても、このコラムを読まれている皆さんは、レッズの発展ベクトルの方向性が、しっかりと見えているでしょ・・
・・そう、彼らもまた、攻守ハードワークとリスクチャレンジ満載の「美しく勝つサッカー」を志向しているのさ・・
・・ホント・・
・・だから、今日、こんな高質な内容のサッカーを体感できて、本当にハッピーだしラッキーだとも感じていたんだ・・
・・あっと、もう一つ・・
・・そう、「あの」マルティノス・・
・・この試合では、ホントに、自分主体で、攻守ハードワークを積極的に「探して」いたよ・・また、以前のようなバカで無責任なダイレクトでの「落とし」なんていう軽いプレーも影を潜め、逆に、質実剛健なチームプレーが目立っていたんだ・・
・・チームメイトに、ボールがないところでの守備ハードワークを指示したりしちゃって・・
・・そりゃ、そんなことを指示するんだから、まず自分が率先して汗をかかなきゃ、周りから馬鹿にされるばかりだよね・・
・・そう、彼の変貌ぶりに、ビックリさせられたんだ・・
・・それもまた、オズワルド・オリヴェイラという、スーパーな「ストロングハンド」の為せるワザ・・
・・だから、質問するとき、最初に、「今日のサッカーは、ハラショー!!」って口をついた(会見場内はチョットだけ笑)・・
ということで、これからも、オズワルド&Co.のサッカーに大いに期待しましょう。
ホント、無理をして出かけて、良かった〜・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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