湯浅健二の「J」ワンポイント


2018年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第21節(2018年8月12日、日曜日)

 

まあ、仕方ない・・(鳥栖vsレッズ、1-0)

 

レビュー
 
・・たしかにイージーにボールを失うシーンは目立ったよな・・

・・でも、そんな問題も、徐々に解決していくさ・・

・・とにかく、少し実戦から離れていたことで、感覚を取り戻すのに時間がかかっているんだよ・・

・・まあ、もう少しだな・・

先日のレッズホームゲームのあと、立ち話をしたオズワルド・オリヴェイラが、ファブリシオの「少し不安定なプレー」に関して、そんなコトを言っていた。

・・今日のゲームでもそうだったけれど、どうもファブリシオには、簡単にボールを失いすぎるという印象があるんだけれど・・

そんな私の問いかけに、オズワルドが、冒頭のように、「もう少し待てば、しっかりと改善していくさ・・」と楽観的なコメントを残したんだよ。

そして・・

そう、この鳥栖戦でもそうだったけれど、たしかに、徐々に、ボール絡みのプレーに「粘り」が出てきていると感じるんだ。

そう、相手に簡単にアタックさせないような「着実」なトラップ&コントロール、そしてそこからの確実な展開パスや勝負プレー・・等など。

また、それだけじゃなく、ダイレクトでシュートを打てるポジション(決定的スペース!)への「入り込み」だけじゃなく、効果的コンビネーションや決定的スルーパス、はたまた「例の」爆発的なキャノン・ミドルシュートなど、たしかに、本領を発揮してきている。

また、ファブリシオだけじゃなく・・

本領発揮という視点じゃ、このところネガティブなコメントをせざるを得なかった右サイドバック橋岡大樹も、とても良くなっていると感じる。

攻守にわたるプレーが、「高み」で安定してきていると感じているんだよ。

要は、ゲームを積み重ねていくなかで、自信を深めている・・っちゅうことなんだろうね。

例えば、攻撃では・・

パスを呼び込む動きだけじゃなく、ボールを持っても、「横パスやバックパス」で逃げるのではなく、まず自分で仕掛けていく可能性を「積極的」にイメージしているって感じる。

頼もしく、逞しくなった。

ということで、昨日の鳥栖とのアウェーマッチだけれど・・

そんな、二人のポジティブなイメチェンが象徴しているように、レッズサッカーの内実は、どんどんと高揚しつづけていると感じる。

このゲームでも、攻守にわたる積極性・攻撃性が(選手たちのイメージング内容が!!)ビンビン伝わってきた。

そう、美しく勝つサッカー・・

もちろん、リードされたという事情もあったんだろうけれど、いまのレッズの基本的なプレー姿勢が、バランスの執れたカタチで、より「積極的&攻撃的」になっているというのは確かな事実だと思うわけさ。

まあ、とはいっても・・

たしかにこのゲームでは負けちゃった。

にもかかわらず、実質的なゲームコノテーション(言外に含蓄される意味)は、とてもポジティブだったと思っている筆者だったというわけさ。

もちろん、マッシモ・フィッカデンティーという優れたプロコーチに率いられる鳥栖選手たちの「主体的で積極的」なガンバリは、心から賞賛します。

とくに、守備での、レベルを超えた忠実さと、そんな基盤となる「闘う姿勢」を超越する、臨機応変な対応力(≒勇気)にはアタマが下がる。

そんな、両チームの「強烈な意志ベースの主体的な闘い」には、観ている誰もが心を打たれ、心からサッカーを楽しめていたに違いありません。

両チームのプロ諸君に対しては、敬意と感謝しかありません。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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