湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2018年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第25節(2018年9月2日、日曜日)
- ゲームがエキサイティングに「成長」していった後半だけを見れば、フェアな引き分けだったと評価できるけれど・・(FC東京vs鳥栖、0-0)
- レビュー
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- 実は・・
今日の夕方、味スタへ出かける前に、前節の鳥栖vsガンバ戦を、軽く観たんですよ。
そのときの鳥栖だけれど・・
とてもインプレッシブな積極サッカーを展開していたし、たくさんゴールも決めた。
特に、金崎夢生とフェルナンド・トーレスの活躍が目立っていたよね。
いや、その二人だけじゃなく、小野裕二や福田晃斗、はたまた高橋秀人とか両サイドバックといった「目立たない」名チームプレーヤーたちも躍動していたっけ。
だから、この試合も、大いなる期待をもって味スタへ馳せ参じたっちゅうわけさ。
でも・・
そう、皆さんも観られた通り、前半の鳥栖は、前節の素晴らしいサッカーの「カケラ」も感じられない、受け身で消極的なプレーに終始したんだ。
もちろん、その元凶は、ディフェンスの内実だよ、ディフェンスの。
まあ、FC東京の「前へのダイナミズム」が素晴らしかったことで、鳥栖の「闘う意志」を矮小化したともいえるね。
だから、ボール奪取プロセスの「勢い」に大きな差が出てしまったということだろうね。
そんなだから、(ボールを再び失うことへの心配マインドをぬぐえないことで!?)次の攻撃に人数を掛けられないなど、FC東京に、完璧にイニシアチブを握られてしまうのも道理っちゅう前半だったんだ。
ということで・・
前節ガンバ戦では躍動したフェルナンドも、この前半では、(かなりタイトにマークされていたこともあって!?)うまくボールに触れず、フラストレーションばかりがつのっていった。
そして、レフェリーに対して要らぬ抗議を繰り返すことでイエローをもらったりする。
そんな「ジリ貧」の前半を観ていて、前節ガンバ戦とはまったく違うグループに成り下がってしまった鳥栖に対する期待が、ペチャンコに萎んでしまったっちゅうわけさ。
でも・・
そう、そんな、何もできなかった鳥栖が、後半になって生き返ったんだよ。
その要因もまた、ディフェンスの活性化(まあ・・意志のポテンシャルアップ!?)にあり。
そう、ボール奪取プロセスが活性化したことで、次の攻撃にも、より多くの人数を掛けられるようになったんだ。
そして、勝負のタテスルーパスを「呼び込む」タテへの「抜け出しフリーランニング」も活性化していったっちゅうわけさ。
そして・・
ゲームが、ものすごくダイナミックに、ドラマチックに拮抗していったんだよ。
観ている誰もが、手に汗にぎり、「次のデュエルシーン」への期待をつのらせる。
そして、もちろん・・
鳥栖の、人とボールの動きが活性化したことで、やっとフェルナンドも、良いカタチでパスを受け、それを効果的に展開できるまでに、プレー内容が回復したというわけだ。
そう、彼自身が、決定的なヘディングシュートを放てるまでに・・ネ。
そんな、後半のゲーム内容の変容だけれど・・
取り敢えず、鳥栖の視点で語りはしたけれど、それには、FC東京の視点もある。
・・そうですね・・
・・夏場にエネルギーを使い込んだことで、ここにきて蓄積疲労が出てきたということなのかもしれませんね・・
・・おっしゃるように、中盤の戻り(チェイス&チェック)が甘くなったという側面は否めません・・
・・今日先発した橋本拳人ですが、彼は久しぶりの出場ということで、後半は、うまくゲームの流れに乗れなくなったかもしれません・・
・・そのことで、リンスを投入することにしたわけです・・前のパワーアップを狙ってね・・
・・でも、期待したほどの迫力は出せなかった・・
・・とにかく今は、中断期間を使って効果的にリフレッシュしたいと思っています・・
長谷川健太監督が、私の質問に対して、そんなニュアンスの内容をコメントしていた。
フムフム・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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