湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2018年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第31節(2018年11月2日、金曜日)
- フィジカル的(日程的)な逆境にもかかわらず、最後まで、スーパーな積極攻撃サッカーを魅せつづけたベルマーレに乾杯!!・・(ベルマーレvsエスパルス、0-0)
- レビュー
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- ・・凄いネ〜〜、ベルマーレ・・
・・なか2日で、連続3試合(連続する3試合の間に2日間のインターバルしかなかった!)っちゅう、聞いたことないハードスケジュール・・
・・でもベルマーレは、最後の最後まで走り切り、内容でもエスパルスを圧倒した(シュート数は、ほぼ3倍!!)・・
・・これで勝ち点1じゃ、報われないよな〜・・
・・でも、まあ、それもサッカーだし、タラレバは、ナシだよ・・
ゲームを観ながら、そんなコトを考えていた。
あっと・・もう一つ、視点があったっけ・・
このところのエスパルスが、とても強力なサッカーを展開していることは周知の事実でしょ。
そんな「強い」エスパルスに対して、数人のプレイヤーを入れ替えて臨んだベルーマーレだったんだよ。
それでも、サッカー内容は、これまでと、ほとんど「差異」がなかったんだ。
そう、攻守ハードワークとリスクチャレンジにあふれる積極的な攻撃サッカー。
そんな、選手が大きく入れ替わってもサッカー内容が変わらないというテーマだけれど・・
それについて、チョウ・キジェも、こんなニュアンスを匂わせていたっけね。
・・チーム全体に、統一されたサッカーコンセプトが浸透している・・
・・また、選手個々の「強い闘う意志と勇気」という根源的な心理ファクターも、ある「高み」までに高揚している・・
フムフム・・まさに、そういうコトなんだろうね。
そう、ベルマーレ選手たちは、自ら考え、主体的に攻守ハードワークとリスクチャレンジをブチかませるだけの強烈な意志と勇気を備えているんだよ。
そして・・
それこそが、強烈なストロングハンド、チョウ・キジェの面目躍如っていうことになるわけさ。
それにしても・・
そう、この、なか2日で3試合(各試合の間に2日間しかない!!)というスケジュール・・
もちろん、チョウ・キジェが、そんなアンフェアなスケジューリングに不満をもっていなかったはずがない。
もしかしたら、調整しようと、リーグに掛け合ったかもしれないけれど、結局は、まったく何も「動かす」ことは叶わなかった・・ということか。
でも彼は、決して、その不満を、選手たちに「さらけ出す」ようなコトは、やらなかったという。
それについては、チームのインサイダーに確認しているから、確かな事実なんだろうね。
だから、聞いた・・
・・いまチョウさんは、スケジュールに対して、ご自分の不満をチームにさらけ出すことはなかったとおっしゃった・・
・・それは、もし監督が、そんな後ろ向きの不満を選手に表明したら、そのネガティブなマインドが、何倍にもなってグラウンド上のプレーに跳ね返ってくるっていう心理メカニズムのコトをおっしゃっているのですよね・・
そんな私の質問に、チョウさんは、例によって真摯に、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。曰く・・
・・もちろん、そうです・・
・・変えられないことに対して不満を言っても、何も始まらないし、サッカーがよくなるわけでもありません・・
・・そうではなく、あくまでも前向きな闘うマインドで(最高の闘う意志で!!)ゲームに臨んだ選手たちは、いつものプレーを極限まで突き詰めてくれました・・
・・それが、あの素晴らしいサッカー内容となってグラウンド上に現れたと思っています・・
・・私は、そんな彼らを誇りに思っています・・
・・そういえば、ある選手が、メディアに対して、身体が重いと言ったコトがあったんですよ・・
・・私は、その選手を呼んで、そんなことは、(チームにもネガティブな影響が及ぶから!?)公に対して発言してはいけないって注意したんです・・
そう、チョウ・キジェは、とにかく目の前にある「現実」を、チームが一致団結して乗り切っていくこと「だけ」に集中するよう、チームを、心理的にマネージしたんでしょ。
人間の、心理的「ダークサイドパワー」までも活性化させながら(!?)ね。
とにかく、フィジカル的な(日程アドミニストレーション的な!!)逆境にもかかわらず、強いエスパルスを相手に、こんなスーパーサッカーを魅せたベルマーレに(チョウ・キジェに!)乾杯!!
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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