湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2018年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第4節(2018年3月18日、日曜日)
- チャレンジャー、ポステコグルーに乾杯!!・・また、レッズも徐々に良くなっていることを体感し、ちょっとハッピーな筆者なのだ〜・・(レッズvsマリノス、0-1)
- レビュー
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- ・・そうそう・・
・・サッカーでは、内容が大事なんだよ・・
・・だから、この(マリノスの!)サッカーで、選手たちが報われることに価値があるんだ・・
私の質問に、マリノス監督ポステコグルーが、そんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。
いいね〜〜・・
そうそう、彼は、こんなコトも言っていたね。
・・選手たちが(自分たちのサッカーを!)信じ、確信をもてるように(心理&戦術的に!)引っ張っていくことだ大事なんだ・・
・・たしかにリーグでは、まだまだ結果が出ていないけれど、それでも選手たちの確信レベルが大きくアップしていることを感じている・・
・・その視点でも、強豪のレッズに勝ち切れたことには、とても大きな意義があるんだ・・
マリノスが志向するサッカー。
そう、美しく勝つサッカー。
もちろん、極限の「積極的&攻撃的なバランシング」を志向するサッカーのことだよ。
いつも書いているように、優れた(観る側にとってだけじゃなく選手にとっても魅力的な!)サッカーは、積極的に「バランスを崩して」いくモノだからね。
だからこそ、次の守備で、なるべく素早く、そしてクレバーに、調和の取れた守備の組織バランスを確立できなきゃいけない。
私は、「そのこと」を、真の「優れたバランス感覚」って呼ぶんだよ。
この試合でのマリノスも、積極的に、攻撃的に、そしてクレバーに、コンパクトな(協力)プレッシングサッカーを、90分間ブチかましつづけた。
そこで、爆発的に(そして冷静クールに!?)放散しつづけたマリノス選手たちの「強烈な闘う意志」と、創造的な「真のバランシング感覚」対して、心からの敬意を表していた筆者なのでした。
そう・・
積極的に攻守ハードワークを(仕事を!)探しつづける、究極の主体性プレー。
そして、だからこそ、彼らが、正当な報酬としての「勝ち点3」を奪い取ったことを、ホントに素直に祝福していたんだ。
さて・・
ということでレッズ・・
まず断っておかなきゃいけないのは、彼らの、攻守ハードワークや戦術プレーの内実といったチームパフォーマンスが地に落ちていたわけじゃない・・ということ。
特に前半は、フルパワーのマリノス・プレッシングを、しっかりと受け止め、そして逆に押し返して、ゲームのイニシアチブまでも握ってしまったんだよ。
そう、前半は、互角以上のサッカー内容でレッズに一日の長があったんだよ。もちろん、ゴールチャンスの量と質という視点でもね。
ただ・・
そう、後半になってから、どうも守備の連動性がダウンしたと感じられたんだ。
守備の連動性・・
そこでの核心ファクターは、何とっても、チェイス&チェックという守備ハードワーク。
そう、相手ボールホルダー(次のパスレシーバー)に対する「寄せ」の内実なんだ。
「それ」が、後半は、かなり甘くなっていったと感じたってわけさ。
そしてレッズは、こんなジリ貧の展開へと追い込まれていく。
そう、読みベースじゃなく、「リアクション」ベースでの寄せだから、簡単に、マリノスに「かわされる」シーンが目立つようになっていったんだよ。
いや・・
これは、タイミングが遅れていたり(間合いが開きすぎているにもかかわらずの!?)、状況が難しいのに、一発でボールを奪いにいこうとする愚行の結果かもしれないね。
それじゃ、次、その次で、チームメイトにボールを「奪わせる」ようなクレバーな連動ディフェンスなんて機能させられるはずがない。
とにかく、チェイス&チェックの「勢い」がダウンし、そのために無理にボールを奪いにいったことが、後半のマリノスに試合のイニシアチブを握られたことの元凶だったと思っていた。
そんなだから、次の攻撃に、勢いが乗っていく(人数を掛けたコンビネーションをブチかませる)はずがない。
そして、ジリ貧の勝負展開へと落ち込んでいった・・!?
いやいや・・
それでも、山田直輝が出てきてからは、再び、協力プレスの(連動する攻守ハードワークの!)勢いがアップしたよね。
それは、とてもポジティブな現象だったけれど、結局は「そんなポジティブな流れ」を、成果に結びつけられなかった。
まあ・・残念・・
でも、総括すれば・・
たしかに後半の「ダウン状態」はいただけなかったけれど、前半で(また山田直輝が登場してから!)魅せたように、徐々に、本来のレッズサッカーが戻ってきつつあるって感じている筆者なのだよ。
これからヨーロッパ遠征だけれど(わたしも、ドイツを拠点にリエージュへ通いますよ!)、帰国してからの「リーグ再開」までに、レッズのフォーム(心理・戦術・フィジカル状況)が大きく好転していることを期待しています。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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