湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2019年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第1節(2019年2月23日、土曜日)
- 実力チーム同士の、白熱の勝負マッチだった・・堪能した・・(フロンターレvsFC東京、0-0)
- レビュー
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- 夜に所用があるため、例によって、この試合も「箇条書き」で、短く・・
・・では・・
・・とにかく、両チームの実力は、よく(戦術的なイメージングも含めて!)トレーニングされていることも含めて、とてもハイレベル・・
・・だから試合が、とても内容のある勝負マッチへと成長していくのも道理・・
・・両チームのサッカー内容だけれど・・
・・ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションという視点じゃ、たしかにフロンターレに一日の長がある・・
・・とはいっても・・
・・そう、FC東京は、そんなマイナスを補って余りある、個の勝負才能(それに対する強烈な意志も含めて!)を擁しているんだ・・
・・例えば、スピードとパワーのディエゴ・オリヴェイラ・・スピードの永井謙佑など・・
・・また、タメ演出の権化(長谷川健太監督の弁・・へへっ!?)東慶悟・・
・・そして、何といっても・・
・・そう、一皮も二皮も剥けた、天才、久保建英・・
・・昨年の「U19アジアカップ」での活躍を振り返るまでもなく、この2年間での成長の内実を考えることは、すべてのサッカー人にとって、とても深〜い学習機会になるに違いない・・
・・その久保建英・・
・・当の、長谷川健太監督が、こんなコメントを残した・・
・・彼は、既に、とても長い期間、久保建英を観察しつづけていたわけだからね・・
・・その長谷川健太監督のコメント・・
・・今日の久保建英は、本当に素晴らしいプレーをした・・
・・東慶悟がタメをつくり、それを効果的に活用してドリブルで突破したり、コンビネーションのキッカケに使ったり・・
・・もちろん久保建英のところでタメるケースもある・・
・・そこで明確になったのは、以前のように、フィジカルで抑え込まれてボールを失うシーンが、極端に減ったことだ・・だから、うまくタメを演出できる・・
・・そして何といっても・・
・・守備でもしっかりと絡みつづけ、自身でも、何度も効果的なボール奪取を演じていた・・
・・とにかく彼は、一度「外」へ出ることで(マリノスへのレンタル移籍!)、子供のメンタルから、大人へと脱皮したのかもしれない・・もちろん、フィジカルでも負けなくなった・・
・・とにかく、いまの久保建英のパフォーマンスだったら、どんな大人のプロ選手でも、頼り甲斐を感じるに違いない・・
・・そういえば・・
(コメントをつづけていた長谷川健太監督が、ここで、こんなハナシを始めたんだ!)
・・かなり前のことになるのですが・・
・・湯浅さんから、こんな質問を受けたことがあるんですよ・・
・・久保建英を使うことで、彼の失敗やボールロストを周りがカバーしなければならないなど、周りの大人プロが迷惑を被るけれど・・ってね・・
・・たしかに当時は、フィジカルが追い付いていなかったことで、技術だけでパワーをかわせなかった・・だから、ボールロストも多かった・・
・・でもいまは、そんなマイナス要素が、見違えた・・
・・とにかくいまの彼が、周りの大人プロから認められ、頼りにされるプロ選手になったことだけは確かな事実だと思いますよ・・
・・フムフム・・
・・ところで勝負プロセスの内容だけれど・・
・・たしかにポゼッションや、シュートの数ではフロンターレに軍配が上がる・・
・・でも、実質的な「ゴール機会の量と質」という視点では、もしかしたら互角に近かったかもしれない・・
・・小林悠の、決定的スペースへの走り抜けとスーパースルーパスのコラボレーションによる絶対的ゴール機会はあったし、同じ小林悠のドリブル突破&決定的シュートっちゅうゴール機会シーンもあった・・
・・でも、同じくらいの「確率のゴール機会シーン」は、FC東京も創りだしていたよね・・
・・フムフム・・
・・最後に・・
・・鬼木達さんへの質問で、こんな内容の主張をしてしまったから、それも・・
・・たしかにダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションという視点では、フロンターレに一日以上の長がある・・
・・でも・・
・・個人勝負をブチかましていく「闘う意志」という視点では、どうもフロンターレ選手たちは、組織コンビネーションに引きずられすぎているというイメージがある・・
・・ご存じのように、個人勝負は意志・・
・・それをベースに、「エイヤッ!!」でドリブル勝負をブチかましていく選手が、成功すれば(派手さも含めて!)、そのイメージが強くなるし、プロとしての「ウリ」にもなる・・
・・そして、彼は、ドリブルでも仕掛けていけるというイメージが強化される・・
・・とにかく、組織プレーと個人勝負プレーの高質バランスこそが大事だと思うのですよ・・
・・そんな私の質問に、鬼木達さんは・・
・・組織でスペースを突き、そこから個人勝負プレーに入る方が、可能性が大きくなる・・
・・だから、ボールがないところでの動きを活性化してスペース攻略をつづけていけば、より良い結果がついてくる・・私は、そう考えているんです・・
・・うん、うん・・その発想は、とてもよく分かる・・
・・でも、サ・・
・・聞きたかったのは、「蛮勇」とも言えそうな、危険へ「も」チャレンジしていく姿勢なんだよ・・
・・その背景は、もう、闘う意志と勇気しかない・・
・・そんな、自分勝手な自己主張とも捉えられそうなリスクチャレンジへの積極マインド・・
・・言いたかったコトは・・
・・いまフロンターレでは、一つ上のレベルへ抜け出すために、そんな心理的な部分も強化したらどうだろうか・・なんていう余計な発想だったのでした〜・・
ということで、今日は、このあたりで・・
PS:レッズについては、明日コラムをアップします。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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