湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2019年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第1節(2019年2月24日、日曜日)
- 両チームともに堅いディフェンス・・それを突き破っていくリソースは、結局は「意志」しかないよね・・(ベガルタvsレッズ、0-0)
- レビュー
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- さて、渡邉晋ベガルタ対、オズワルドマジックが炸裂しつづけるレッズのリーグ開幕戦。
もちろん、ダゾン観戦なのですが、観はじめて、すぐに不満が爆発しちゃった。
このところ・・
W杯だけじゃなく、欧州からのテレビ映像や、アジアでの国際大会テレビ映像など、そのカメラワークが高みで安定していることから、フラストレーションを溜めることが少なかったんだ。
ダゾンにしても、全般的にはレベルアップしているし、あまりアタマにくることはなかった。
でも・・
そう、この試合のカメラマンとディレクターの「趣味」には、とても不満だったね。
とにかく、カメラが、微妙に「寄りすぎ」なんだ。
別に、自身のカメラワーキング技術を「ひけらかそう」なんてコトじゃないんだろうけれど・・。
ディスプレイ画素数がアップしているんだから、そのメリットを十分に活かす方向性で、それを素直に、テレビ画面の製作に反映させりゃいいんだよ。
そんな、技術の進歩というバックボーンが整備されているにもかかわらず・・
またまた寄り過ぎシーンが多く、そして、カメラをぶん回す。
そして「こちら」のフラストレーションレベルが、何度も限界を超えそうになる。
誰かが、(バックパスや横パスをダイレクトでタテへ叩く状況も含めて!!)ロングパスを出そうとしている・・。
そんな状況なのに、(ボールがないところでの)パスレシーバーの動きや、マークする守備者との「駆け引き」が、まったく観られない・・というシーンが続出なんだよ。
だからこちらは、ドカンッと蹴られた後で、その「駆け引きの結果」を確認するしかない。
そりゃ、不満が溜まるでしょ。
オレ達ちゃ、アンタ達のカメラワーキング技術を体感したいわけじゃ、ないんだよ。
もっと、カメラを「引け」よっ!!
そして、そのアングルで「おとなしく」していろよっ!!
とはいっても・・
まあ、「引く」にしても、とても微妙なレンジではあるけれど・・ネ。
要は・・
基本的には、カメラマンもディレクターも、ボールがないところでの攻防「まで」捉えようとする意志はありそうなんだ。
でも実際は、「駆け引きが終わった後」の状況しか観られないというケースが多すぎた。
そりゃ、アタマに来るさ。
まあ、とにかく、ダゾンには、カメラワークのコンセプトを、全国隅々の現場スタッフに再徹底してもらいたいものです。
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あっと、ゲーム・・
まあ、そのフラストレーションで、モティベーションを高くキープするのが難しく、視点(戦術キモの発見!?)と戦術分析イメージングをうまく広げていけなかったけれど・・。
もちろんレッズは、先日のXEROXカップよりは、「前からプレス守備」のウェイトが高く、それが、全体的なゲーム支配につながった。
要は、「ブロック守備」と「前からプレス守備」のバランスが、このゲームでは、少し前へ重心を移したっちゅうことだね。
そう、サッカーは、そのすべてが、守備のやり方、その内実で決まってくるんだよ。
へへっ・・
でも、そんなレッズだったけれど、どうも、うまく「ゴール機会」を演出できない。
それには、まず何といっても、ベガルタ渡邉晋のゲーム戦術を、挙げなきゃいけない。
決して、受け身で消極的な「リトリート・ブロック守備」を敷くわけじゃない。
それでも、レッズ仕掛けの「ツボ」を、とても効果的に消していくんだよ。
そう、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションでの、次、その次の「ボールがないところでの人の動き」を、とても効果的に潰してしまうんだ。
そう、ハイレベルな「守備イメージングの連鎖」によって、常に「先読みのスペース潰し」が、うまく機能していたっちゅうことだね。
また・・
ゴール機会をうまく創りだせなかった・・っちゅうポイントを、レッズの側から観たら・・
ここじゃ、申し訳ないけれど、「スペース攻略がままならなかった要因・・」の一つとして、杉本健勇をピックアップさせてもらっちゃいます。ゴメンね。
その杉本健勇。
全体としては、効果的なプレーを展開していた彼だったけれど、どうも、決定的スペースランニングや、肝心の「突破してシュートまで・・」っちゅうアクションの内実が、十分じゃなかった。
もっと、もっと、積極的にプレーしなきゃダメだということだね。
「ガ〜〜ッ!!」ってな感じの爆発スタートからの全力ダッシュ(パスレシーブのフリーランニング!)をブチかまし、「最後まで」走り切るコトを繰り返す・・とかさ。
そして、パスが来なくても、「その決定的スペースでパスが欲しいんだっ!!」ってなアピールを
繰り返すんだよ。
それが、自分自身にとっても、とても心地よい「刺激」になるはずだし、チームメイトからの信頼感を醸成する。
とにかく、少しでも「失敗することを心配する・・」ような雰囲気が放散された次の瞬間には、チームメイトからの信頼感が地に落ちちゃうからね。
ストライカーなんだから、まず自己主張だよ。
もちろん攻守ハードワークをサボるようなヤツだったら、いくら自己主張したって、チームメイトから「蔑まれる」ばかりだろうけれど・・サ。
へへっ・・
とにかく、意志と勇気、ストライカーとしてのポテンシャルを証明しつつある(チームメイトに体感させつつある!?)杉本健勇には、もっと、もっと、積極的な自己主張を期待したいね。
あっと杉本健勇に集中しすぎちゃった・・
とにかく、私の彼に対する期待は、この2試合のプレー内容で、かなり高まっているんですよ。
ガンバレ〜、ス・ギ・モ・ト〜〜っ!!
へへっ・・
ということで、うまく「ゴール機会」を創りだせなかったレッズだけれど・・
それでも、山中亮輔やエヴェルトンという新戦力は、それなりの期待を満足させてくれるパフォーマンスは、魅せてくれたじゃありませんか。
ところで・・
・・レッズは、必ず、良くなっていく・・
レッズ、オズワルド・オリヴェイラが、内容でも結果でもフロンターレに凌駕されたXEROXカップでの監督会見を、真正面を向き、屹然とした表情と口調で、そう締めくくりました。
カッコ良かったですよ。
この試合では、たしかに課題もあったけれど、それでも、そんなオズワルドの自信あふれる発言の正しさを「ポジティブに体感」できたというのが私の総評ですかね。
とにかく私は、オズワルドが指揮する今シーズンのレッズは、様々なコノテーション(言外に含蓄される意味)を内包する、「美しさも秘める質実剛健サッカー」というキーワードをベースにで観察しようと思っています。
さて、次は、ホームでの「対ミハイロ」。
楽しみですね〜〜・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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