湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2019年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第24節(2019年8月24日、土曜日)
- フロンターレ・・たしかに、何か、「ゴールが遠い」感じがする・・(フロンターレvsエスパルス、2-2)
- レビュー
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- このゲームの論評に入る前に、ダゾンの中継について、少しだけ苦言。
わたし、昨日の金曜日は、所用のためダゾン観戦することになってしまったのですが、そこで・・
楽しみにしていた、アントラーズ対ガンバの観戦モティベーションが、ズタズタに切り裂かれてしまったんだ。
ホント、アタマにきた・・
何せ・・
そう、このゲームを担当したカメラマンの方は、ボールホルダーを中心に、半径20メートルのゾーン「しか」カバーしないんだよ。
もっと、カメラを引けよっ!!
何度、そんな怒号が口をついたことか・・
もちろん、ゴール前まで攻め上がったら、ホットゾーンは見わたせる。
でも、後方からの爆発オーバーラップについては、その「せめぎ合いプロセス」なども含めて、攻守にわたる選手たちの戦う意志と意図の内実は、観られない・・感じられない。
そんなだから・・
後方からのロングパスに合わせて、カメラを「ブン回す」のは当たりまえ。でも、そんなカメラワークで観られるは、単にボールまわりの「競り合いリザルト」だけってな感じ。
ホントに、アタマにきた。だから、15分だけ観て、止めた。
その後は、レッズ対松本山雅、そして先ほどは(土曜のデイゲーム)、コンサドーレ対FC東京をダゾン観戦した。
この両ゲームについては、いつものカメラワーク・クオリティー。ということで、フラストレーションはかなり抑えられた。
特に・・
今日の(土曜日の)札幌でのデイゲームをご担当されたカメラマンの方は、ものすごく微妙な「タテへの勝負タイミング」を、正確に測ってカメラワークをしていたっけね。
たぶんサッカーが好きな方なんでしょ。
自分が観たいモノを中心にカメラを回す・・。
そう、UEFAチャンピオンズリーグの中継クオリティー・・
彼らは知っている。
「勝負は、ボールのないところで決まる・・」っちゅう根源メカニズムを・・ね。
それに比べて、昨日の、鹿島でのカメラマン。もう、ホント、反省していただければ・・と、心から思いますよ。
フ〜〜ッ・・
________
ということで・・
フラストレーションを「吐き出した」から、すこしスッキリした心理で書き出せるかもしれない。
そう、スタジアム観戦した、フロンターレ対エスパルス。
もちろん、様々なコノテーションを内包する「実力」という視点じゃ、フロンターレに一日の長があるでしょ。
でも・・
そう、エスパルスにも意地がある。
特に、前節、アウェーのコンサドーレ戦で、あんな無様な敗北を世に晒(さら)しちゃったわけだから、その思いは、一入(ひとしお)に違いない。
まあ、篠田善之監督も言っていたけれど、とにかく、追い付こうと必死に攻め上がった挙げ句に、どんどんカウンター(気味の攻め!?)を決められちゃう。
そして、どんどん守備での集中が途切れていった。
でも、この試合では・・
そんな経緯をアタマの片隅において観戦していた筆者だったのですよ。
そう、だからこそ、渾身のカウンターで「1-2」というワンチャンスのリードを奪ってからのエスパルスの守備に目を凝らしていたんだ。
コンサドーレ戦では、点差を広げられるにしたがって、攻守ハードワークの量と質が、まさに地に落ちていったからね。
ボールへの寄せにしても、ボールがないところでのマーキングの内実にしても、最終勝負スポットでの「最後の半歩の内実」にしても・・
まさに、すべてに「ぬるま湯」になってしまった(もちろん守備においてだよ、守備・・)。
わたしは、そんなディフェンスの「姿勢・意志」は、彼ら本来のモノじゃないと思っていたんだよ。
だから、確かめたかった。
そして・・
そう、このゲームでは、まさにエスパルスが秘める(特に守備での!)実力にふさわしいボール奪取プロセスを魅せたんだ。
もちろん、「最後の半歩」という視点でも、ポジティブな印象を残した。
ということで・・
前節コンサドーレとのアウェーマッチは、「サッカーだから、こんなこともあるさ・・」ってな希有な現象だったということなんだろうね。
・・攻め上がり過ぎで、互いのポジショニングバランスがバラバラに・・
・・だから、全力で戻れない・・だから、寄せもマークも甘くなる・・そして最後の半歩も十分に出せなくなっていく・・
そう、イレギュラーするボールを足で扱うという不確実なファクター満載のサッカーだからこそのグラウンド上の現象・・っちゅうわけだ。
でも、この試合では、篠田善之監督も言っていたように、全員が、強烈な闘う意志をもって、よく最後まで「踏ん張った」と思うよ。
さて・・
ということで、強いフロンターレ。
このところ、うまく勝ち点を稼げないでいる。
ある方の質問にあったように、たしかに昨シーズンは、日本の盛夏で、彼ら得意の「人とボールを活発に動かすサッカー」で、相手を席巻した(疲労からの集中切れに追いやれた!?)。
でも今シーズンは、ほとんどの相手は、決して「飛び込まず」、決して「追い掛けすぎず」に、フロンターレの攻めの流れをしっかりとイメージしながらバランスを保つなかで、組織的に、効果的に芽を摘んでいる。
そのことは、もちろん鬼木達さんも、よく理解している。
ということは・・!?
でも・・
そう、サッカーに「マジックレシピ」は、ありません。
とにかくフロンターレは、「自分たちのサッカー」を極めていくしかないんだよ。
たしかに、この試合では、かなり抑えられはした。でも、しっかりとスペース攻略の流れは、創りだせていた。
そのスペース攻略の流れを、いかにフィニッシュにつなげていくのか・・
彼らのことだから、たぶん、近々、その実効ソリューションを見出すでしょ。
でも私は、やっぱり、イメージトレーニングだと思うよ。
良いときの彼らだったら・・
ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションに絡んでいく人数が、確実に「一人」は多かったはず。
また、その組織コンビネーションのなかにミックスしていく「個のドリブル勝負」の実効レベルも、いまの比ではなかった・・と思う。
だからこそ、そんな「良いときの攻めの流れ」を、カラダで体感する(思いだす!?)ためにも、クレバーに、そして短く編集された「サクセスビデオ」を活用するんだよ。
まあ、老婆心だけれど・・さ。
とにかく、ここからのフロンターレの「復調」を信じて疑わない筆者なのであ〜る。
今日は、これから明日にかけて「ファミリー・マター」があるので、ここまででご容赦。
では、来週のACLアウェーマッチを楽しみに・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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