湯浅健二の「J」ワンポイント


2019年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第7節(2019年4月14日、日曜日)

 

様々な視点で、「あの強い」アントラーズが本来のチカラを発揮できないように抑え込んだFC東京の完勝っちゅうことだね・・(FC東京vsアントラーズ、3-1)

 

レビュー
 
アントラーズ大岩剛監督に、こんな質問を投げてみた。

・・東京の(永井謙佑の)ヘディング先制ゴールは見事の一言でした・・

・・でも、ディエゴ・オリベイラがカウンターからブチ込んだ二つの追加ゴールは、まあサッカーの神様のいたずら的な性格の方が強かったと思います(偶然要素が格段に大きい!!)・・

・・私が質問したいのは、3ゴールもブチ込まれたアントラーズの攻撃についてなんです・・

・・たしかにレオ・シルバが一点は返したけれど、それにしても、組織的な攻めの流れを東京ディフェンスに追い出され、仕方なく放ったミドル弾だったですよね・・

・・要は、特に後半、あれほどゲームを支配して攻め込んでいながら、どうしても、スペースを攻略できなかったという点にフォーカスしたいんです・・

・・その背景について、少しコメントをいただけませんか・・

そんな私の質問に、アントラーズ大岩剛監督は、例によって真摯に、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。

曰く・・

・・おっしゃるとおり、簡単にはスペースを突いていけませんでした・・

・・要は、東京ディフェンスの背後スペースの攻略ということなのですが・・

・・それには、おっしゃるように、ボールがないところでのサポートの動き(フリーランニング等など)が足りなかったこともあるでしょう・・

・・もし、先日のACLでの死闘から、コンディションを十分に回復させられていなかったとしたら、それは、ひとえに私(監督)の責任ですから、甘んじて批判は受けます・・

・・それ以外では・・

・・たくさん失点してしまったことで焦り、相手ゴールまで最短の中央ゾーンから仕掛けていき過ぎたということもあると思います・・

・・とにかく、攻撃の連動性をうまく発揮できなかったことも含め、その反省にたって、しっかりと次のリーグ戦に備えたいと思います・・

フムフム・・

ということで・・

ボールがないところでのサポートの動きが足りなかった・・という視点。

あっと、その前に・・

大岩剛監督が触れた、ACL死闘からの疲労についてだけれど・・

わたしは、「ACLでの死闘の後遺症があったのかもしれない・・」とは聞いたけれど、決して、大岩剛監督の責任を、どうのこうのと言ったわけじゃなかった。

たしかに・・

「慶南」とのアウェーACL戦において、「あの」信じられない大逆転ドラマで主役を演じ切ったアントラーズは、ボールがないところでのサポートの動きが、この試合とは比べものにならないほど活発だったよね。

そういえば・・

大岩剛監督は、FC東京ディフェンスの(ボール奪取プロセスの)やり方を、しっかりと学習したとも言っていたっけ。

にもかかわらずの「寸詰まりの仕掛け」・・

そう、彼は、FC東京ディフェンスブロックへの仕掛けアプローチが効果的に回らず、うまく、その中へ「入っていけなかった」という印象を語っていたんだ。

どうなんだろうね・・

たしかにFC東京ディフェンスは、充実した「闘う意志」を絶対ベースに、選手個々が、積極的にハードワークを探そうとしつづける立派なプレー姿勢だった。

だからこそ、互いのカバーリング、タイミングのよい協力プレスや「最後の半歩が伸びる」という、最終勝負シーンでの守備KFS(キー・ファクター・フォー・サクセス)を誇示できていた。

とにかく・・

選手たちのアクティブな「集散アクション」なども含め、FC東京ディフェンスの実効レベルが高いのも道理っちゅうコトが言いたかった。

ここまで書いたところで・・

どうも、コラム焦点がうまく定まっていない・・っちゅう、中途半端な印象が残るんですよ。

でも・・

これから、所用で外出しなきゃいけない。

ということで、今日のところは、こんな感じでご容赦・・なのです。

_________

とにかく・・

とても立派な積極サッカーで、ゲームの立ち上がりからイニシアチブを握り、そして、ポンポンポ〜ンって得点を重ねたFC東京。

そしてその後は、まさに強力チェーンのように勝負イメージが連鎖しつづける忠実&クリエイティブ&スマートな守備で、(本来は!)危険なアントラーズ攻撃を「抑制」しつづけた。

対するアントラーズは、何か、気合いが乗り切らないうちにゴールを奪われたことで(!?)、気持ちが地に着かない(東京にとっては御しやすい!)、減退気味の攻めを繰り返すことになってしまった。

もちろん、そんなアントラーズだったけれど、なかには「危険な仕掛けの流れ」を魅せた時間帯もあった。

でも結局は、そんな本格的に危険な仕掛けの流れを、ウラの決定的スペースを攻略するトコロまでもっていけなかった。

そんなグラウンド上の現象の背景に、FC東京の、イメージが効果的に「連動」しつづける組織ディフェンス「も」あったことは、コラム骨子で記したとおりです。

まあ、その意味じゃ、この試合は、FC東京の完勝だったっていうことですかね。

では、また〜・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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