湯浅健二の「J」ワンポイント


2019年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第8節(2019年4月19日、金曜日)

 

フロンターレの、まさに美しい質実剛健サッカー・・堪能した・・(フロンターレvsベルマーレ、2-0)

 

レビュー
 
実は・・

こんなに、両チームの「実力差」が明白に見えてくるとは思っていなかったんだよ。

だから、私にとっては、ちょっとショッキングなゲーム展開ではあった。

たしかに立ち上がりは、例によっての、ベルマーレの勇気(攻守ハードワークとリスクチャレンジの内実!)が、存在感を発揮した。

でも、そんなベルマーレ優位のゲーム展開も、最初の10分くらいまでだったよね。

そして、それ以降は、フロンターレが、完璧にゲームを支配するっちゅう経過をたどることになったんだ。

たしかに後半は、ベルマーレも押し返しはしたけれど、それでも、明確なスペース攻略プロセスは、たしかに「遠かった」よね。

ところで、フロンーレのゲーム支配・・

そのバックボーンは、言わずもがなだけれど、攻守の目的を達成する「プロセス」が優れていたということだよね。

そう・・

・・ボールを奪い返すための、守備のイメージ連鎖プロセスの内実・・

・・そして、スペースを攻略してシュート機会を創りだすプロセスの内実・・

その両方で、明らかに、フロンターレに一日の長があったんだ。

そこでは・・

人とボールの動き(そのリズム)に差があった!?

まあ、そうとも言えるね。

小気味よい、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションを魅せるフロンターレ。

そんな人とボールの軽快なリズムに、前からプレス守備でボールを奪おうとするベルマーレの「前へのエネルギー」が逆手をとられちゃうんだよ。

そんなだから、彼らが置き去りにされちゃうのも道理・・か。

自分たちの(協力)ボール奪取イメージが「肩透かし」を喰らいつづけるベルマーレ。

そりゃ、ベルマーレの勇気(闘う意志)が徐々に減退していっちゃうのも自然な成り行きかも・・

またチョウさんは、フロンターレの、老練な人とボールの動きだけじゃなく、ボールを奪い返してからのベルマーレが、あまりにも安易にミスパスを繰り返したことも敗因に挙げた。

たしかに・・

でも、どうなんだろうね・・

「実力差」を体感したベルマーレ選手たちの「勇気レベル」が減退し、それが、パスレシーブの動きを鈍重にし、パスコースも甘くした・・とも言えるのかな1?

さて〜〜・・

まあ確かに、シュート数では互角だったけれど・・

でも、決定的スペースの攻略プロセス、ゴール機会の量と質という視点では、フロンターレが、圧倒的に優位に立っていたとすることに躊躇(ちゅうちょ)しません。

この試合でフロンターレが魅せた、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション(人とボールの動きのスーパーなリズム!?)。

そして、それにタイミングよくミックスしていく、タメやドリブルといった個の勝負などなど、その攻撃のクオリティーは、最高だった。

特に・・

そう、家長昭博・・

・・攻守ハードワークを絶対ベースに・・

・・完璧なトラップ&キープ・・タイミングの良いダイレクトパス・・

・・忠実なパス&ムーブ・・エイヤッ!!の危険なドリブル突破・・そして勝負を決するスルーパスやクロス、そしてドリブルシュート等など・・

まさに、レベルを超えた(世界レベルの!!)プレーコンテンツ。

そんなだから、全てのチームメイトが、彼を探してボールを預けようとするのも道理。

そして、彼を中心に、組織プレーと個の勝負プレーが、高質にバランスしつづけるのさ。

そんな家長昭博は、もう、完璧な、中盤の王様じゃありませんか。

あっと・・

彼については、以前から、何度も繰り返し書いたよね・・

そう、もし10年前から今のプレーを魅せられていたら、確実に、日本代表を引っ張る「唯一無二の存在」になっていたに違いない・・ってね。

逆から観れば、そんな世紀の大天才を「熟成させられなかったトコロ」にこそ、日本サッカーの課題の本質がある・・!?

さて〜〜・・

とにかく、フロンターレが魅せつづけた、「超」ハイレベルな組織サッカーに舌鼓を打っていた筆者だったのであ〜る。

へへっ・・

PS:そういえば、会見の締めでチョウさんが・・次の平塚ホームゲームでは、我々の進化を見せつけてやるって気を引き締めていた・・そう、彼らならば出来る・・今から楽しみじゃありませんか・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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