湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2019年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第9節(2019年4月28日、日曜日)
- 美しい質実剛健サッカーへ向け「良くなるプロセス」にあるレッズ・・それでも、しっかりと結果を掴み取るレッズ・・フムフム・・(エスパルスvsレッズ、0-2)
- レビュー
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- ・・いまは、内容よりも、結果を残すことが大事・・
槙野智章が、そんなニュアンスの内容をコメントしたとか。
まあ・・たしかに・・
プレイヤー個々の(健康)状態も含む、チームの進化(深化)プロセスという視点では、そういうフェーズ(段階)にあるというコトにはアグリーだね。
選手は、「体感ベース」でも現状を理解しているわけで、槙野智章のコメントが意味するところは、何となく察することができますよ。
もちろん・・
その体感は、「チームが良くなっている・・サッカーが良くなっている・・」という、希望を抱ける「ポジティブ感性」をコアにしたモノだろうからネ。
そして、この試合でのレッズは・・
そのコメントを地でいくような「粘り勝ち」を収めることになる。
そんなレッズを観ながら・・
選手たちが、蓄積した疲労と闘いながらプレーしていることを実感させられた。
「前からプレス守備」をブチかましながらゲームのイニシアチブを握り、チャンスの量と質で相手を圧倒して完勝を収める・・
今日のレッズからは、そんな「ダイナミズム」は感じられなかった。
それでも、しっかりとまとまったブロック守備をベースに(決して、リトリートするような受け身ディフェンスじゃないよ!)、最後の最後まで、とても安定したサッカーを魅せた。
そして、そんな落ち着いた内容から、しっかりとゴールを奪って勝ち切ったんだ。
それも、ACLによる移動や厳しい勝負マッチなど、ハードなスケジュールのなかだからね。
それは、それで、高く評価できるよね。
それに・・
前回コラムでも書いたけれど、山中亮輔やエヴェルトンのプレー内容が上向いてきているし、青木拓矢の攻守にわたる実効プレーの内容もアップしている。
山中亮輔は、自分のプレーに自信を持ちはじめたことで、周りに対する「文句」も口をつくようになっているよね。それは、それで、とてもポジティブなことなんだよ。
また青木拓矢も、中盤守備をリードするだけじゃなく、攻撃面でも、優れたゲームメイクや、チャンスを見計らった仕掛けサポートなど、より積極的に前へ絡んでいこうとする姿勢がみえる。
彼のボールコントロールとパス能力は、いつも書いているように、とても高いレベルにあるんだよ。
そして、エヴェルトン。
たしかに、攻守にわたる実効能力の高さを感じさせてくれるようになっている。
でも、だからこそ・・
そう、「もっと出来る・・もっと出来る・・」っちゅう不満「も」出てくるのさ。
誤解なきように・・
その不満は、「期待の裏返し・・」という意味で、とてもポジティブなマインドなんだからネ。
それにしても・・
ホントにレッズは、よく勝った。
何か・・
そう、オズワルドが率いるようになってからというもの、不思議な感覚なんだけれど、「変に負けない・・」っちゅう確信レベルがアップしているような・・。
もちろん「それ」は、守備がとても安定しているからに他ならない。
そうだね・・
冒頭の槙野智章のコメントを「なぞる」わけじゃないけれど・・
たしかに「今」は、まずしっかりと「結果」を残すことで、それを、志向ベクトルである、「美しい質実剛健サッカーを体現する」ための踏み台にするという発想が正解なんだろうな。
この、「美しく勝つチームへの様々なアプローチ・・」っちゅうテーマについては、かなり以前に「The Core Column」で発表した「このコラム」をご参照あれ。
では、また・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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