湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2020年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第10節(2020年8月16日、日曜日)
- ヴィッセルに浸透しつつある、チト異質な、イニエスタ・テイスト&リズムのボールの動き・・(アントラーズvsヴィッセル、2-2)
- レビュー
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- チカラのある両チームだからこそ・・
とても深い「戦術ニュアンス」を内包する拮抗マッチになった。堪能した。
私は・・
彼らが展開するサッカー(仕掛けプロセス)に、テーマとして注目すべき「微妙な差異」があることを見出していたんだよ。
ということで、このコラムでは、それをテーマにディスカッションを展開しようと思ったわけさ。
たぶん、それは・・
人とボールの動きと、そのリズムの変化・・ってな感じで表現できるだろうか。
まあ、「動きとリズム変化」のコノテーション(言外に含蓄される意味)ってなコトかな。
スミマセンね、またまた冒頭から分かりにくい表現で。
分かり難さついでに、もうイッパツ。
ヴィッセルが魅せつづけた、「イニエスタ・テイスト」のボールの動き・・ってか〜〜!?
そうなんだよ・・
アントラーズとヴィッセルでの「微妙な差異」の骨子は、スペースを突いていくボールの動きに加えられる、微妙な「リズムの変化」っちゅうことなんだ。
ということで・・
ヴィッセルでは、その「微妙なリズムの変化」に、イニエスタという、世界レベルの仕掛けイメージングが効果的に作用しているっちゅうのが、ディスカッションの骨子かな。
もちろん・・
たしかに両チームともに、人とボールを動かす組織的な組み立てから、自分たちの強みを活かしきるような危険な仕掛けプロセスを繰り出していく。
そこまでは、同じ。
でも・・
そう、ヴィッセルの、仕掛けプロセスにおけるボールの動きの内実(リズム!?)が、アントラーズのソレとは、明らかに、一味違うんだ。
もちろん、前述したように、素早く正確な「ワンタッチ(トラップ)&パス」という組み立てプレーを積み重ねていくプロセス傾向は、両チームとも変わらない。
そこでのメインは、もちろん「足許パス」だよね。
たしかに、そんな「基本的なボールの動き」は大差ないっちゅうわけだ。
ただ・・
ヴィッセルでは、イニエスタにボールが回った瞬間、いや、イニエスタにボールが入る直前での、周りのパスレシーバーの「イメージング内容」が、明らかに違うって感じられるんだ。
このテーマについては、先日アップした「このコラム」も、ご参照あれ。
まあ、さまざまな論理プロセスを割愛すれば・・
ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション・・という視点で、ヴィッセルに、一日の長がある・・とも言えますかね。
それに対してアントラーズの仕掛けプロセスは・・
安定してボールをつなぐなかで、チャンスとなったら(少しでもスペースを突けたら!)、そこからラストパス(素早いクロス)やドリブルで最終勝負を仕掛けていくってな、とてもオーソドックスなタイプなんだよ。
それに対してヴィッセルでは、イニエスタが絡む「ボールの動き」によって、「人の動き」も、よりダイナミックに加速していくんだ。
そりゃ、そうだ。
イニエスタにボールが入れば、その多くで、相手デイフェンスが予想もしないタイミングやタイプの「スペースパス」が通されちゃうんだから。
それは、異質なほどに「高質」な勝負パスだけれど、その多くが、ダイレクトパスであることは言うまでもありません。
だからこそ、ヴィッセルの仕掛け(スペース攻略プロセス)は、他のチームとは一味違うなど、(微妙に!?)高く評価されているんだよ。
そして・・ここが大事なポイントなんだけれど・・
そんな「イニエスタ・リズム(テイスト)」が、どんどんとチーム内に浸透しはじめているっちゅう事実があるわけさ。
そう、ヴィッセルに(選手たちのイメージングコンテンツに!)浸透しつつある、チト異質な人とボールの動きの「リズム変化」・・ね。
そんなだから、最終勝負へ向かうスペース攻略プロセスでの人の動きが、どんどん活性化していくのも道理っちゅうわけさ。
ということで私は・・
そんな「異質なリズム」に舌鼓を打ち、心から堪能していたんだ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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