湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2020年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第17節(2020年9月20日、日曜日)
- このゲームでの(まあ立ち上がり時間帯の!)レッズサッカーに、将来につながる前向きな光明を見出した・・それにしてもフロンターレは、強いネ〜・・まさに美しい質実剛健サッカーじゃありませんか・・(レッズvs フロンターレ、0-3)
- レビュー
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- へ〜〜っ・・
・・やっと、大槻毅さんが考える「次の段階」に、チーム戦術を進化させようとしているということなのか!?・・
ゲーム立ち上がりにレッズが魅せた、攻守にわたる積極サッカーに、そんな期待と希望がアタマを駆けめぐったモノでした。
それほど、攻守にわたって、レッズの立ち上がりが好調だったんだよ。
相互ポジショニングの良好バランス、チェイス&チェックやカバーリング、局面デュエルの内実など、組織ディフェンスも、しっかりと機能していたし(守備イメージングの効果的な連鎖!)、ボールを奪い返してからの攻撃にも、しっかりと人数をかけられていたんだ。
そんな積極サッカーを観ながら、こちらの期待や希望が高まるのも道理だった。
でも・・
そう、時間の経過とともに、両チームサッカーの「レベル差」が、実際のグラウンド上の現象(プレー)に反映されるようになっていったんだよ。
でも選手たちは、そんなネガティブ現実を体感させられながらも・・
これまでのように、プレー意志を無為にダウンさせてブロック守備に「逃げ込む」ようなこともなく、逆に、闘う意志を高揚させようと、前向きにトライしつづけたって感じられたんだ。
私にとって、そんな「積極プレー姿勢」は、今シーズンのレッズでは、何となく「新しい発見」ではあったのさ。
とはいっても・・
そう、徐々に、攻守にわたる両チームサッカーの「レベル差」が、具体的になってくる。
フロンターレの、人とボールの動きについては、もう、ここで語るまでもないでしょ。
対するレッズも、この試合に限っては(!?)、人数をかけた組織コンビネーションに、前向きにトライしていたと感じられていたんだ。
でも・・
そう、時間の経過とともに、そんな、人とボールの動きの「有意差の内実」が、どんどん白日の下にさらされるようになっていったんだ。
・・レッズの人とボールの動きでは、人(パスレシーバー)によって、その動きが停滞するシーンが多々ある・・
・・それに対してフロンターレ・・
・・彼らの場合は、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションも含め、とにかく人とボールの動きが多彩でスムース・・
・・だから、攻撃の唯一の目的である「シュート」へ至るスペース攻略も、どんどん演出されつづける・・
・・スペース攻略=フリーなボールホルダー(仕掛けの起点)を創りだすこと・・
・・そんなグラウンド上の現象を観ながら、両チームの間には、「2クラスの差」があるって感じていた・・
・・また、その人とボールの動きの絶対ベースである、トラップ&コントロールでも、両チームの「レベル差」が、どんどんと明白になっていった・・
このテーマについては、「The Core Column」で発表した「このコラム」も、ご参照あれ。
・・ということで・・
この「0-3」という結果は、まさに、両チームのサッカー内容を如実に反映したモノだったとすることに躊躇(ちゅうちょ)しない筆者なのであ〜る。
それでも私は・・
そう、このゲームの立ち上がり時間帯に魅せた、レッズの「積極サッカー姿勢」について、大いなる期待と希望をもちはじめたという事実を見つめ直していた。
大槻毅さんは、この試合の結果から、「やっぱり、いまのレッズは、強敵に対して、真っ向勝負を挑んでいけるレベルにない・・だから・・」ってな発想に陥ってしまうのだろうか・・!?
チト、心配。
最後に・・
フロンターレの齋藤学。
マリノスから移籍してきてからの彼は、もう何度も書いたけれど、まさに、「鳴かず飛ばず」だったんだ。
わたしは、そんな彼を、「失敗したくない症候群」にはまっている・・なんて評したこともあった。
とにかく、ボールをもっても、横パスやバックパスに「逃げる」プレーのオンパレードだったんだよ。
そして彼自身も、そんな自分の(逃げの!!)プレー姿勢を、見つめ直す「勇気」が足りなかった!?
だから、あまりにも、低迷期が長くつづいたんだ。
それが・・
そう、あまりに唐突な、このスーパーレベルの「復活劇」。
いったい、何があったんだろう。
彼が現役を引退したら、是非、そのあたりの(心理!?)プロセスを語り合いたいね。
もちろん、日本サッカーの将来のために・・ね。
齋藤学さん、よろしく、お願い申し上げま〜す。
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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