湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2020年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第19節(2020年9月26日、土曜日)
- 良いサッカーを志向し、チャレンジしつづける横浜FC・・逆に、人とボールの動きを加速させられなかったレッズ・・(レッズvs 横浜FC、0-2)
- レビュー
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- そういえば・・
先ほどアップした、グランパスvsエスパルス戦コラムで、「ガンバレ〜ッ・・横浜FC!」なんてニュアンスを書き入れたっけ・・
いや・・
単純な期待だけの、「頑張れ〜っ!!」コールではなく・・
・・立派な積極チャレンジを志向する、クラモフスキー率いるエスパルスへの「所見」を表明するなかに・・
・・(エスパルスと同様の!)積極サッカーコンセプトは「そのまま」に、もっと守備を充実させれば、確実に来シーズンにつながる(今シーズンは降格がない)・・
・・なんて文章を挿入したんだよ。
そんな、下平隆宏が率いる横浜FCのサッカーを(その積極的な志向ベクトルを!)高く評価した私のエールそのままに、横浜FCが頑張って勝利をもぎ取ったっちゅうわけだ。
それも、内容と結果が、うまく噛み合った勝利だから、価値がある。
あっ・・と・・
その視点じゃ、このゲームで横浜FCが魅せたディフェンスは、とても粘り強く安定していたじゃないか・・
ということは、前述の(もっと守備ガンバレッ!)エールは、必要なかった!?
ふ〜〜む・・
そこで、少し、評価の「視座」を変えてみることにした筆者なのだよ。
横浜FCの守備が安定していた・・というよりも、レッズの仕掛けコンテンツの方に、より大きな課題があった・・!?
そう、この試合では、横浜FCディフェンスがハイレベルに安定していた・・というよりも、レッズ攻撃に課題があった・・という発想の方が、すとんと腑に落ちるんだよ。
何せ・・
レッズの人とボールの動き(組織プレー)が、あまりにも鈍重すぎたわけだから。
要は、ボールがないところでの人の動きが、まったくといっていいほど、加速していかなかったんだ。
そんな、動きのないサッカーだから、ワンツーアクションだって錆びついてしまうのも道理。
そうなんだよ・・
・・パス&ムーブのアクションが出てこないから、ダイレクトパス(&突破ドリブル)を織り交ぜた組織コンビネーションだって機能するはずがない・・ということなんだ。
まあ、とはいっても、横浜FCのディフェンスがパーフェクトだったわけじゃない。
前半の立ち上がり・・
レッズ最後方の槙野智章からの超ロング一発勝負パスに反応した杉本健勇が、フリーで決定的シュートを打ったシーンがあった。
それを観ながら、「そうそう・・その不注意ポジショニングが問題なんだ・・」なんて、横浜FCディフェンスの課題がアタマを駆けめぐったものさ。
でも・・
そう、その後は、まさに安定の極みってな守備を魅せた横浜FCだったんだ。
あっと・・
書きはじめたニュアンスは、レッズの拙攻があったから、そのように「見えた」のかもしれないというモノだったっけね。
まあ、今では、そう捉えるのが妥当だと思えるようなったね。
レッズの拙攻・・
その元凶は、何といっても、人の動き。
選手が交替した後半は、その「動き」が、少しは改善した。
それは・・
ワンタッチ(トラップ)&パス、ワンタッチ&パス、という「素早いリズム」でボールを動かしはじめたからだと思う。
やっぱり、人とボールの動きには、確固たるリズムが必要なんだよ。
周りの「次のパスレシーバー」にしても、ボールの動きの「リズム」が感じられなきゃ、次のスペースへ動き出しし難いからね。
ということで、後半は、(柏木陽介を中心に!?)、少しは人とボールの動きの「リズム」が改善しはじめたんだ。
でも、やっぱり、効果的にスペースを攻略していけない。
もしかしたら、それは、根源的な「チーム戦術」のなかで、パス&ムーブを筆頭に、激しい(縦横無尽の!)ポジションチェンジやオーバーラップ等といった、ボールがないところでの「活発な人の動きのイメージ」が確立していないからなのかもしれない。
カタチから入るチーム戦術・・!?
ヘネス・ヴァイスヴァイラーやリヌス・ミケルスといった、世界サッカーを引っ張りつづけた伝説的なオッサン連中が、こんな至言を残している。
・・そりゃ、戦術ブランを練り、それを駆使することは、とても大事さ・・
・・でも、それは、あくまでもカタチにしか過ぎないんだ・・
・・大事なコトは、選手たち自身の、そんなカタチを崩していく積極的な意志なんだよ・・
・・そう、監督は、チーム戦術を守りながらも、時として、それを自ら壊していけるように、選手たちを「解放」してやらなきゃいけないんだ・・
・・サッカーは、そんな錯綜したメカニズムと格闘せざるを得ない、とても理不尽なスポーツなんだよ・・
・・だからこそ、限りない魅力にあふれているのさ・・
チト、脚色が入っているかもしれないね・・へへっ・・
ということで、今日は、こんなところです。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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