湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2020年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第20節(2020年10月4日、日曜日)
- ま
さに(基本ポジショニングのバランスや個々のタスクも含めて!)完璧なミラーマッチだった・・特に、ブロック守備の内実と、両サイドハーフの「攻撃タス
ク」が目立っていたネ・・両チームの、堅牢なブロック守備は、それはそれで見所満載だったけれど・・(レッズvsグランパス、0-1)
- レビュー
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- 昨日のガンバ対アントラーズにしても、先ほどタイムアップした、マリノス対ヴィッセルにしても・・
シュート数(ゴール機会)の差に如実に現れていたように、あれほど、サッカー内容に差があったにもかかわらず・・
結局は、イニシアチブを掌握し、何度もゴール機会を創りだした(内容が優れている方の!?)チームが、苦杯をなめるコトになったんだよ。
チト、イヤな気分にさせられたモノさ。
まあ・・とはいっても・・
サッカー的な日常茶飯事だから、そんな情緒の揺れは、次元が低い・・って言われても仕方ないけれど・・さ。
でも、たまにゃ、エモーションを総動員して観戦しても、いいでしょ!?
ということで、レッズ対グランパス。
とにかく、特筆されるグラウンド上の現象としては、両チームともに、まったくといっていいほどスペースを攻略できなかったという事実かな。
ということで、決定的スペース攻略による「ゴール機会」も、両チームともに、単に「一度だけ」創れただけだったよね。
それを、レッズが外し、グランパスがモノにしたっちゅうわけさ。
ところで、その(ウラの決定的)スペースの攻略というテーマだけれど・・
両チームともに、そこを攻略できたのは、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション等ではなく、単に、個の勝負ドリブルからだったんだよ。
レッズは、マルティノス。グランパスは、マテウス。
もちろん、「それ」もサッカーなんだけれど、この試合は、そんな、戦術的な分析視点が成り立つという、希有な出来事だったのかもしれないね。
いや・・
考えてみれば・・
そりゃ、数限りないよ・・ね。
フ〜〜ッ・・
あっ、そうそう・・
とはいっても、何度かは、レッズがブチかます、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが冴えわたった「短い」時間帯もあった。
そこでは、「あの」堅牢なグランパス守備ブロックが、少し、振りまわされ気味になったコトで、淡い期待を抱いたモノさ。
へへっ・・
そして、そんなエキサイティングシーンを観ながら・・
大槻毅さん率いるレッズは、徐々に、「自分たちのサッカー(攻撃)イメージを共有でき始めているのかもしれない・・」なんて、感じていた。
あっと・・
このコラムでのメインテーマは、両チームがブチかましつづけた、カチッと堅牢なブロック守備だった。
両チームともに、フォーバック。その前に、ボール奪取と、タテパス阻止のアタックを狙いつづける中盤カルテットがいる。
また最前線のツートップも、しっかりと守備に参加してくる。
要は、タテパスを極力「制限」するというイメージかな。
だから、両チームともに、タテへ仕掛けていくのに四苦八苦していたわけだ。
まあ、だからこそ・・
そう、彼らには、個のドリブル勝負「しか」、決定的スペースを攻略していく手段が残されていなかったっちゅうことなのかもしれない。
まあ、レッズのマルティノスに、グランパスのマテウスといった危険なドリブラーだから、そりゃ、監督やチームメイトも含めて、誰もが期待するさ。
そして彼らは、数少ない「勝負機会」から、最高のチャンスを生み出したっちゅうわけだ。
もちろん、両チームともに、その勝負ドリブラーをサポートする、すぐれた攻撃プレイヤーも擁している。
でも結局は・・
そう、そんな優秀な選手たちでも、両チームの堅牢なブロック守備を崩していくのは至難の極みだったっちゅうわけだ。
だから私は、両チームのブロック守備が魅せつづけた「素晴らしい機能性」に舌鼓を打つことにしたんだよ。
まあ、このゲームについては、こんなところですかね・・
では、また。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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