湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2020年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第21節(2020年10月10日、土曜日)
- 鳥栖が魅せつづけている高質な組織サッカー・・ホント、一見の価値あり・・金明輝監督に、拍手!!・・またレッズは、人とボールの動きについての「イメージング調整」をする必要がある!?・・(サガン鳥栖vsレッズ、0-1)
- レビュー
-
- それにしても、サガン鳥栖の金明輝(キンミョンヒ)監督・・
ホントに、とても良い仕事を積み重ねている。
彼のことは、鳥栖のトップ監督に就任してから、とても気になっていたモノさ。
何せ・・
志向するサッカーが、とても進歩的だからね。
進歩的・・
ダイナミックな積極ディフェンス(ボール奪取プロセス)を絶対ベースに、しっかりと人とボールを動かしながら魅力的な攻めをブチかましていくんだよ。
イメージは、言うまでもなく、「全員守備&全員攻撃・・」なんだろうね。
だから、進歩的なアグレッシブサッカー。
彼らは、連動する組織ディフェンスを絶対ベースに、その守備と同じくらいダイナミックな攻撃マインドで、攻めの流れも加速させてしまう。
そこでは、とにかく、タテへ仕掛けていく「意志の強さ」が特筆なんだ。
彼らは、決して、ビビッたり、安全策に「逃げたり」しない。
そして、まずタテへ仕掛けていくコトを、肝に銘じる。
そんな、勇気あふれる積極プレー姿勢は、もちろん金明輝監督によって植え付けられたモノでしょ。
聞くところによると・・
彼は、サガン鳥栖ユースの監督を長年つとめ、そこでテクニックを磨いたユースを、トップチームにインテグレートしている(さまざまな視点での相乗効果を生み出している!?)そうな・・。
そんなだから、彼が、9月のJリーグ月刊最優秀監督に選出されるのも、理の当然の帰結だと言えるらしい。
とにかく、彼がトップ監督に就任してからのサガン鳥栖サッカーのベクトルと質は、様々な視点で、レベルが大きくアップしたって感じるんだ。
ところで、数日前に行われた、第10節のガンバ戦。
わたしは、ダゾンで観戦していたけれど、とにかくサガン鳥栖は、ゲーム内容では、ガンバを圧倒していたんだよ。
だから、立ち上がり時間帯にガンバが奪った二つのゴールが悔やまれた。
彼らは、しっかりとボールを止め、(事前にイメージング出来ていたかのように!?)創造的にボールを動かしてしまう。
彼らのサッカーでは、ユース時代に培った(!?)トラップという根幹テクニックが、とても優れているって感じる。
このテーマについては、「The Core Column」シリーズで以前に発表した「このコラム」をご参照くださいネ。
とにかく、サガン鳥栖の場合は、まさに「唐突」に、強豪クラブの仲間入りを果たしてしまった感があるんだよ。
まあ、今のところは、サッカーの内容という視点で・・ね。
とにかく、これからも、金明輝に率いられたサガン鳥栖にも、注目していこう。
あっと、レッズ・・
まだまだ、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションなど、組織的な仕掛けの流れが、うまく回っていないと感じる。
なんだろうね・・
もちろん、ボールがないところでのサポートの動き(3人目、4人目のフリーランニング等)もそうだけれど、それ以上に、ボールホルダー(次のパスレシーバー)の事前のイメージングが、スムーズに「具体化できていない」ってコトなんだろうね。
だから、鳥栖と比べても、人とボールの動きが、どちらかといったら、ぎこちないって感じられるんだ。
もちろん「それ」は、日頃のトレーニングで、組織コンビネーションのイメージングが、うまくシェアされていないことに起因するんでしょ。
だから、スペース攻略プロセスが、どちらかといったら、「個」に頼るシーンの方が多いと感じられるのも道理か。
サッカーは、「association football」って呼ばれるように、究極の「組織的なボールゲーム」だからね。
とにかく、人とボールの動きが、素早く、広く、スムーズに加速されるように、ボールがないところでの人の動き(そのイメージング)を、再度、調整し合い、シェアし合う必要があると思うよ。
ということで、そのポイントでも、これからのレッズの「変化」に注目しましょう。
============
最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
-
===============
重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
==============
ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
-
-
-
-