湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2020年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第24節(2020年10月24日、土曜日)
- 徐々に、チーム戦術という規制(カタチ)から解放されつつあるレッズ!?・・(レッズvsセレッソ、3-1)
- レビュー
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- この試合のレッズを観ながら、こんなことを考えた・・
そうそう、サッカーは、カタチから入っちゃダメなんだよ・・
このテーマについては、前節フロンーレ戦コラムの冒頭部分で、浮嶋敏ベルマーレと大槻毅レッズについて、印象を簡単にまとめたので、そちらも、ご参照あれ。
ということで、「カタチ」から、徐々に解放されつつあるレッズ・・というテーマ。
「カタチ」からの解放・・!?
チト、分かりにくい表現ですかネ。
要は・・
・・チーム戦術的なポジショニングや人数バランスといった、守備での「決まり事」の方にイメージング(次のプレーの思考プロセス)が、引っ張られ過ぎている状態のこと・・
・・だから、次の攻撃(仕掛け)では、後方からのサポートや、全力フリーランニングといった「後ろ髪を引かれない!」リスクチャレンジにも積極的じゃない・・
・・そこでの心理・・
・・前にスペースがあるけれど、そこへ、フリーランニングで突っ込んでいったら、マークしていた相手を放り出すことになっちゃう・・
・・そんな状況で、変にボールを失ったら、そのマーク相手がフリーでボールを持つなど、ピンチにつながってしまうかもしれない・・
でも、優れたコーチだったら、こう、𠮟咤激励し、勇気を与えるでしょ。
・・それでも、行くんだ!!・・
・・それこそが、進化につながる積極リスクチャレンジのマインドなんだ・・
・・そして、それこそが、美しい質実剛健サッカーの絶対ベースなんだ・・
・・もし、(前述の)チャンスを見計らった押し上げプロセスでボールを失ったら、そのときは、全力で戻ってくりゃいいんだよ・・
そんな、現場での「やりとり」だけれど・・
ジェフ市原で、イビツァ・オシムと選手たちの間に、あっとか、なかったとか・・
・・へへっ・・
とにかく、優れた攻守ハードワークとリスクチャレンジがないところに、決して進化&深化もないんだよ。
この絶対コンセプトについては、世界サッカーを引っ張りつづけた、故ヘネス・ヴァイスヴァイラー、故リヌス・ミケルスといった、伝説のオッサン連中が、繰り返し、異口同音に発信しつづけていたっけね。
ということで、直近のレッズ・・
すこし、解放される傾向にあり、攻守にわたって、よりアグレッシブになっている!?
まあ、そうとも言えそうだけれど、そんな攻守にわたる攻撃的マインドのなかで・・
前からプレス守備とブロック守備の使い分けが、とてもスムーズにいっていると感じる。
要は、「静と動」の、クレバーでスムーズな使い分け。
たぶん、その「トランジション」についても、選手たち自身が、臨機応変にコントロールしているんだろうね。
たとえば、後半の立ち上がり・・
もちろん、リードされているセレッソが、より積極的に仕掛け(ボール奪取プロセスを活性化させ!!)、ゲームのイニシアチブを握るってな流れ。
そこでレッズが魅せたのは、十八番の(!?)堅牢なブロック守備だよね。
でも彼らは、時間の経過ととも、徐々に、押し上げパワーを強め、その流れのなかで、クレバーに、前からプレス守備もミックスしていくんだよ。
そんな積極ボール奪取プロセスが回りはじめたら、周りの味方も、有機的に呼応するように、効果的に絡んでいくんだ。
そこじゃ、チーム戦術という「規制」に後ろ髪を引っ張られる雰囲気など、微塵も感じられなかった。
そうではなく、積極的に押し上げていくことで、相手の前への勢いを減退させるというメカニズムを、しっかりと理解し、実践しているっちゅうことだね。
とにかく、レッズのサッカーが、攻守にわたって、健康的な「自己主張マインド」にあふれ始めているって感じるのさ。
誉めすぎですか?
いや、そんなことはない。
とにかく、彼らのサッカーには、健康的な「解放マインド」が湧きだしはじめているんだよ。
大槻毅レッズの今・・
もしかしたら、初期のチーム作りフェイズから、1歩、踏み出した段階に入ったっちゅうことなのかもしれないね。
そう、解放サッカーへ向けてね。
そういえば・・
「あの」リヌス・ミケルスが、わたしに、こんなコトを言ったことがある。
チーム戦術イメージについて・・
・・そりゃ、チームとしての「攻守のやり方」についての理解は、全員が、明確にシェアし、できる限り実践していなきゃいけない・・
・・でも、実際にグラウンド上でプレーするのは選手たちだぜ・・
・・そこじゃ、彼らの積極的なリスクチャレンジ意志がなければ、決して、良いサッカーなど望めないんだよ・・
・・えっ、次の守備!?・・
・・それは、気付いた者が、積極的に、全力で戻ればいいんだ・・
・・その「気づき」と、自分からハードワークを探そうとするプレー姿勢を、創りあげ、植え付けるコトこそがコーチの、もっとも重要なタスクなんだよ・・
フムフム・・
深いネ〜〜・・
ということで、今日は、こんなトコロです。
あっと、最後に・・
今日のゲームでは、特に・・
素晴らしい「意志とインテリジェンスの闘い」を魅せつづけた槙野智章。
攻守ハードワークに「も」心血を注ぎはじめたマルティノス。
そして、アントラーズのレオ・シルバに優るとも劣らない、エヴェルトン。
彼らのパフォーマンスに、拍手をおくりたいと思います。
もちろん他の選手たちも素晴らしかったけれど・・さ。
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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