湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2020年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第27節(2020年11月15日、日曜日)
- やっぱり、進化&深化のスタートラインは、「規制」ではなく、「解放」にありだよね・・浮嶋敏ベルマーレに、乾杯!!・・(ヴィッセルvsベルマーレ、0-2)
- レビュー
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- 浮嶋敏ベルマーレ・・
今日のサッカーについては、こんな感じで表現しましょうかね。
冷静な(!?)質「実」剛健サッカー。
あっと、その前に・・
そう、ダゾンカメラワーク・・
とても、とても、良かったですよ。ゲーム展開を目で追いながら、感謝していました。
今日のカメラワーク(ズーミングワーク)が、ダゾンのスタンダードになることを願って止みません。
ということで、ベルマーレ。
もちろん、前半の、ベルマーレGK谷晃生のスーパーセーブがなければ、こんなエキサイティングなゲーム内容と結果にはならなかったよね。
でも、まあ・・ネ・・
そう、基本的にわたしは、「結果」とは関係なく、浮嶋敏ベルマーレが志向した「チャレンジャブルなサッカー内容の移り変わり・・」というテーマに思いを馳せるのさ。
彼らは、シーズン当初から(第一節のコラムをご参照あれ)、まさに解放された、積極的&攻撃的サッカーをブチかましつづけたんだよ。
その傾向は、社会がコロナに席巻されたコトで(降格がなくなったコトで!?)、より強化されていった・・と思う。
そう、爆発的な攻守ハードワークとリスクチャレンジの積み重ね。
でも、それじゃ、よほど個のチカラが充実していなければ、勝ち点を積み重ねていくのは難しい。
実際、シーズン中盤での彼らは、負けつづけた。
でも・・
そのプロセスで、彼らは、ものすごく深いコトを「学びつづけ」たと思う。
そう、貴重な「ネガティブ体感」を積み重ねたんだよ。
だからこそ・・
・・仕掛けていったあとの、爆発的な攻守の切り替えと、忠実チェイス&チェックの重要性・・
・・相手ボールホルダーと、ボールがないところでの粘り強いマーキングの大事さ・・
・・最終勝負シーンでの、集中力(カバーリングや最後の半歩ディフェンス)がもつ、決定的なコノテーション(言外に含蓄される意味)・・
・・等などのエッセンスを体感しつづけられたんだ。
それは、勝ち点を積み重ねるための絶対ベースとしての、もっとも大事なファクターとも言える。
だからこそ彼らは・・
何度も、一敗地にまみれる体感を積み重ねるなかで、かけがえのない「想像性と創造性」を勝ち取ったと思うのさ。
だからこそ私は、主張したい・・
サッカーの内実を進化&深化させていくための(良いサッカーへの!?)、スタートラインは・・
チーム&ゲーム戦術(規制というカタチ!)から入るのではなく、「攻守イメージングの解放」から入っていくべきだってネ。
この試合での浮嶋敏ベルマーレ。
とても、全体的な人数と、相互ポジショニングのバランスを意識していた・・と感じた。
・・タテへ(無計画に!?)行きすぎず・・追い掛けすぎず・・
そんな受け身で消極的なプレー姿勢じゃ、進化など決して望めない!?
いやいや・・
「そんな」浮嶋敏ベルマーレ選手たちの攻守イメージングには、繰り返し体感させられた、悔しい経験という「心理・精神的バックボーン」があるのさ。
だからこそ・・
そう、だからこそ・・
ものすごく「実効レベル」の高い、攻守ハードワークとリスクチャレンジあふれる(動と静が高質にバランスした!?)積極&攻撃サッカーを展開できるようになったんだと思う。
今シーズンの彼らを追い掛けづけているからこそ、そんな仮説を導き出せるのさ。
へへっ・・
とにかく、浮嶋敏ベルマーレの、自信&確信コンテンツには、とても充実した「実」が詰め込まれているって感じるよ、ホントに。
また・・
今日の浮嶋敏ベルマーレについては、こんな表現もアリかもね。
それは・・
「前から協力プレス守備」と「ブロック守備」の、とてもバランスの執れた使い分け・・
そんな「使い分け」がうまく機能する背景には、もちろん、ものすごく深い「相互信頼関係」がある。
誰一人としてサボらない。
だからこそ選手は、自信と確認をもって(勇気をもって!)攻守ハードワークとリスクチャレンジを「探しまくれる」。
そう、それこそが、これ以上ないほど健全でダイナミックな「自己主張」でしょ。
まあ、いまの浮嶋敏ベルマーレの選手たちは、楽しいだろうね。
そう、彼らもまた、ハッピーグループっちゅうわけだ。
ということで・・
そんなに美しくはないけれど(浮嶋敏さん・・ゴメン!)・・
それでも、実の詰まった、冷静な(!?)質「実」剛健サッカー・・
浮嶋敏に、賞賛の拍手をおくります。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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