湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2020年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第30節(2020年11月29日、日曜日)
- 内容と結果(点差)が、雲泥とも言えるほど乖離(かいり)した勝負マッチではあった・・(アントラーズvsレッズ、4-0)
- レビュー
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- 浦和レッズ。
今シーズン最高のサッカーを展開した・・と、思う。
攻守ハードワークとリスクチャレンジを、主体的に(解放されたマインドで!?)探しまくる、積極的なプレー姿勢。
だからこそ・・
人とボールを、素早く、スムースに動かしつづけるなかで、とてもスマートな仕掛けプロセスから、何度も、アントラーズ守備のスペースを攻略した。
もちろん、「そのポジティブな内容」は、攻撃に、より多くの人数をかけられるようになったからに他ならない。
だからこそ、多くの局面で、数的に優位な状況を創りだせたし、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションも繰り出せた。
また、そんな高質な組織プレーと、危険な個のドリブル勝負がうまくコラボレートするシーンも観られた。
そう、そこには、カタチではなく、チャンスを主体的に(猛禽類の眼で!?)探しまくる、解放された意志が、あったんだよ。
また、守備にしても・・
創造的&想像的な「ボール奪取プロセス」と呼べる、主体的、積極的なモノだった。
チーム&ゲーム戦術をベースにしながらも、「解放された」自分の判断と決断、そして勇気をもって勝負にいくという、とても「アクティブ」な内容だったんだ。
だから、チェイス&チェックやカバーリング、マーキング、協力プレスでの集散、最終勝負シーンでの「最後の半歩」等などの連動プレーも、効果的に機能しつづけたと思う。
そりゃ、良い内容のサッカーになるのも道理だったんだよ。
でも、結果は・・
先制&追加ゴールを決めたのは、アントラーズ新人の、天才ゴールハンター、上田綺世。
2ゴールともに、世界レベルのデイフェンダーでも止められない、スーパーレベルだった。
その後、アントラーズが決めた3点目、4点目は、どちらかといったら偶発的な産物。
とにかく、ゲーム全体を通じ、攻守イニシアチブという視点では、まさに互角の、ダイナミックな「動的均衡マッチ」だったんだ。
ということで・・
この、素晴らしくエキサイティングな勝負マッチを創りあげた両チームに、日本の「サッカー人」の一人として、心からの賞賛の拍手をおくります。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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