湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2020年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第34節(2020年12月19日、土曜日)
- 変則コラム-again・・またまた神様スクリプトの限界ドラマが繰り広げられた!?・・(アントラーズvsセレッソ、1-1)&(グランパスvsサンフレッチェ、1-0)
- レビュー
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- 勝負の最終節。
あっと、その前に・・
前節コラムで、リーグ4位が内包する「ACLの可能性」に言及するのを忘れていた。
そう、フロンターレorガンバが天皇杯で優勝したら、リーグ4位のチームにも、ACLの出場権が与えられるんだ。
なんか、最後の最後まで盛り上げてくれるじゃネ〜か。
ということで、最終節の勝負マッチ。
試合時間が残り(ロスタイムも入れて!)10分というところまで、緊張感が支配する雰囲気のなか、ある意味「淡々と」時が刻まれていた。
もちろん、勝たなければならないアントラーズが、ボールは握っていたさ。
でも彼らは、スペースを突いていけず、「淡々」ってな雰囲気を打開していけない。
逆に・・
セレッソ十八番(オハコ)の、清武弘嗣をコアにする(!)カウンター気味の(素早いタテへの!)仕掛けから、何度か惜しいシュートチャンスを創りだされちゃうんだ。
特に、(ホントは、才能いっぱいの!!)柿谷曜一朗は、二度ほど、ビッグチャンスに恵まれたよね。
そんな、セレッソ十八番の(勝負には強い!?)ゲーム展開。
それが急に・・
ここからは、わたしの「心の揺動」もふくめて、箇条書きで・・
・・観ているこちらも、「淡々」ってな雰囲気に呑み込まれていた82分・・
・・セレッソGKキム・ジンヒョンがゴールキックを飛ばす・・
・・中盤でのヘディングの競り合いから「こぼれた」ボールを最初に触ったのは、アントラーズ中盤の王様、レオ・シルバ・・
・・もちろんコチラは、「そこ」から、再びアントラーズの攻めがはじまるって思うわけだ・・
・・でも・・
・・あろうことか、「あの」レオがトラップミスを犯しちゃうんだ・・
・・そして、そのボールを奪ったセレッソが、そのままタテパスを通しちゃう・・
・・受けたのは(ホントは、才能いっぱいの!!)柿谷曜一朗・・
・・例によって、華麗に持ち込んでシュートを放つ・・
・・でも、アントラーズ選手がブロック・・
・・そのこぼれ球を拾ったのが、キム・ジンヒョンのゴールキックを、三竿健斗とのヘディング競り合いで負けた松田陸・・
・・でもすぐに、フリーでボールを持つ松田陸は、アントラーズ選手たちに、「前方」を塞ぐなど、取り囲まれちゃうんだ・・
・・もちろん、フリーのボールホルダー(松田陸)は、味方への横パスで「逃げる」コトもできただろうけれど・・
・・でも、松田陸は、逃げたくなかった!?・・
・・だから、彼に残されたオプションは、「エイヤッ!!」のシュートをブチかますコトしかなかったんだ・・
・・ロビング気味のミドル弾・・
・・誰もが、その軌跡を追った・・
・・そして、あろうことか、そのシュートが、アントラーズ左上角に、「ストンッ」ってな感じで、吸い込まれちゃうんだ・・
・・ビックリして目が醒めた・・
・・こりゃ、大変なコトになった・・
・・この先制ゴールの情報は、もちろん、別会場で行われていた、こちらも、まさに「淡々」と進んでいたグランパスvsサンフレッチェ戦にも届いていたに違いない・・
・・だから、今度は、そちらのゲームを、より「リキ」を入れて注視したんだ・・
・・そして・・
・・たしかに、そこからは・・
・・(そこまでは、引き分けで3位を確保できていた!)グランパスの「仕掛けの勢い」が、格段にアップしたって感じられたモノさ・・
・・そして・・
・・セレッソ松田陸のゴールから1〜2分ほど後に、仕掛けの勢いを増幅させたグランパスの前田直輝が、夢のような、ダイレクトでのミドル弾をブチ込んじゃうんだよ・・
・・ところで、この二つのゴールが決まったゴールのスポット・・
・・それは、いずれも、ゴール左上角だったんだ(あっ・・シュートを決めたチームから観た場合ね)・・
・・また、ゲットした、セレッソ松田陸も、グランパス前田直輝も、左足一閃・・
・・たしかに、松田陸はコントロールシュートで、前田直輝は、「ズドンッ!」ってなキャノンシュートではあったけれど・・
・・それでも私は・・
・・なんか、あり得ない神様のイタズラを観ているような気にさせられたモノさ・・
・・でも、アントラーズvsセレッソ戦のドラマは、これだけじゃ終わらない・・
・・そう、90分に、エヴェラウドが同点ゴールをブチ込むんだ・・
・・(ストライカー才能いっぱいの!)上田綺世が競り合ったこぼれ球を、まさに冷静に、セレッソゴール右角に、「ゴールへのパス」を決めたんだ・・
・・ロスタイムは5分・・
・・ゲームの雰囲気は、まさに、風雲急を告げている・・
・・そして実際に・・
・・そう、タイムアップ直前のアントラーズの仕掛け・・
・・93分には、コーナーキックからのこぼれ球に、アントラーズの犬飼智也が、フリーのダイレクトシュートをブチかます・・
・・ホント、セレッソGKキム・ジンヒョンは、よく止めた・・
・・もしアントラーズが勝ち越しゴールを決めて勝ち切れば、ACLは、アントラーズの手に落ちる・・
・・そりゃ、この雰囲気の変容だから、そんな「タラレバ」の感性だって出てくるさ・・
・・へへっ・・
・・そして迎えた、ロスタイムの「ロスタイム1分」・・
・・全体的には、96分ね・・
・・エッ!?・・
・・ちょっと違和感があったけれど、何か、時間がロスされたんだろうな・・
・・あっ・・キム・ジンヒョンの、怪我の手当か・・
・・あっと、犬飼智也のミドル弾だった・・
・・そして・・
・・その直後の94分には、(ストライカーの才能いっぱいの!)上田綺世が、強烈なミドル弾までブチかます・・
・・私も含めて、ため息・・
・・そんな、エモーショナルな感性に包まれていた次の瞬間、最後のドラマが起きた・・
・・そう、96分が、すでに半分は過ぎたタイミング・・
・・そのキッカケは、アントラーズ広瀬陸斗からのアーリークロス・・
・・まず・・
・・センターゾーンでの競り合いからこぼれたボールを受けたエヴェラウドが、右足一閃・・
・・それを、キム人ヒョンがセービング・・
・・前にこぼれたボールを、上田綺世が、ダイレクトで叩く・・
・・そのシュートを、キム・ジンヒョンが、今度は足で弾き出す・・
・・そのこぼれ球を、今度は、ヘディングでつなぐアントラーズ・・
・・そして、最後に、ヘディングでシュートを放ったのが、またまた、上田綺世・・
・・でも、無情・・
・・そのシュートされたボールが、セレッソゴールの右ポストを直撃しちゃったんだ・・
・・そして、その直後にタイムアップ・・
「あの」淡々とした雰囲気からの、ゲーム展開の、180度の変容。
フ〜〜ッ!!
とにかく・・堪能した。
ということで、結局、最終節が始まる前のランキングで、最終順位が確定したっちゅうわけだ。
えっ!?・・何ですか?
ピックアップするテーマは・・ってか〜!?
結局は、サッカーの神様に「弄ばれている」ステークホルダーたち!?
スミマセン・・
もう今日は、アタマが回りません。
悪しからず・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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