湯浅健二の「J」ワンポイント


2021年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第10節(2021年4月16日、金曜日)

 

素晴らしく高質なサッカーのぶつかり合い・・堪能した・・でも今日は、アンジェ横浜マリノスに、少しだけ、一日の長があった!?・・質実剛健サッカーの「実」という視点でネ・・(コンサドーレvsマリノス、1-3)

 

レビュー
 
すごかったネ〜・・

ミハイロ(ペトロヴィッチ)対アンジェ(ポステコグルー)・・

わたしは、この二人には、心から、感謝しているんですよ。

そう、日本サッカー全体レベルアップへの貢献・・という視点でネ。

まあ、言うまでもないけれど・・

とにかく、二人とも、積極的&攻撃的サッカーの権化なんだ。

そう、美しい質実剛健サッカーを目指して。

そして・・

選手たちが、完璧に「解放されたマインド」で、攻守ハードワークとリスクチャレンジをブチかましつづける・・ってな特筆ポイントもある。

そう、両チームともに、素晴らしい「主体性プレー」のオンパレードなんだよ。

不確実なファクターが満載のサッカーだからね。

次に何が起きるかなんて、誰にも分からない。

だからこそ選手たちは、攻守にわたって、瞬間的に(積極的に!)状況を把握し、勇気をもってリスクにもチャレンジしていかなきゃ、決して進化&深化なんて望めない。

そう、サッカーじゃ、決して「カタチ」から入っちゃいけないんだ。

そうではなく、あくまでも、「攻守の目的」を、自分たち主体で達成しようとする「姿勢=強烈な意志」こそが重要なんだよ。

その意味で、両チームともに、美しい質実剛健サッカーを展開していたって言える。

そんな2チームの対戦だから、ゲーム内容が、これ以上ないほどダイナミックに(美しく!)活性化していくのも道理。

わたしは、心から、舌鼓を打っていましたよ。

まあ・・

あれほど素晴らしいサッカーを展開していたミハイロ北海道コンサドーレが、大逆転で敗れてしまったことには、少し、後ろ髪を引かれる思いはある。

もちろん・・

アンジェ横浜マリノスが、最後の最後までリスクにチャレンジしつづけたことで(自ら!)掴み取った大逆転劇だから、心から祝福していたサ。

ということで・・

ゲーム内容は、まさに「動的な均衡マッチ」と呼ぶに相応しい、魅力にあふれた「実」が詰まった高質ドラマだった。

まあ、内容については、細かく描写する必要なんて、ないでしょ。

両チーム全員が、攻守にわたって「最高の主体性ダンス」を踊りつづけたわけだから。

一つだけ・・

マリノスが創ったゴール機会の内実・・という視点だけはピックしておきたい。

それらは・・

前半8分の、エウベルからの決定的クロス(マルコス・ジュニオールの決定的ヘッド!)。

後半35分の、天野純の左足アウトサイドでの決定的クロス(オナイウ阿道が同点ゴール!)。

後半37分の、水沼宏太の右足クロス(前田大然が勝ち越しゴール!)。

まあ、戦術的な視点という意味で、個の突破からの見事なシュートをブチ込んだエウベルの3点目ゴールは除きます。

そう、視点は、マリノスがブチかました、危険なクロスボール。

前述した三つとも、相手ディフェンスとGKの間に、瞬間的にできた決定的スペースを突いたラストクロスだったという視点。

もちろん、シューターは、そのクロスボールをイメージして(信じて!)、「最後まで」走り抜けた。

言いたいことは・・

クロスを信じて走り抜けたゴールゲッターと、その「走り込み」を信頼しきってラストクロスを送り込んだアシスト選手の「勝負イメージ」が、完璧にシンクロしていたっちゅうこと。

その視点で、今日のアンジェ横浜マリノスには、質実剛健サッカーの「実」という意味合いで、ほんの少しだけ(!?)一日の長があったっちゅうことなんだろうね。

それでも私は、こんな素晴らしいチームを創りあげている(現在進行形!)ミハイロ・ペトロヴィッチに、心からの賞賛の拍手を送っていました。

あっと・・

もちろん、アンジェ・ポステコグルーに対してもね。

Thank you guys for Japanese Soccer____

_______

最後に、ダゾンのカメラワーク(ズーミングワーク)。

良かったですよ。

もちろん、まだまだ、観たいトコロが「画面から外れてしまう」ってなコトもあったけれど、全体としては、満足できるカメラワーク(ズーミングワーク)でした。

お疲れ様でした。

============

最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





[トップページ ] [湯浅健二です。 ] [トピックス(New)]
[Jデータベース ] [ Jワンポイント ] [海外情報 ]