湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2021年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第11節(2021年4月22日、木曜日)
- 「寄り過ぎ」のダゾン・カメラワーク(ズーミングワーク)・・だから、この試合では、マッシモ名古屋のボール奪取プロセス(守備)だけにスポットを当てることにします・・(グランパスvsガンバ、2-0)
- レビュー
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- すごかったね〜、マッシモ名古屋・・
何がって!?
そりゃ、彼らが、最後の最後まで、120%の集中力(強烈な意識と意志!!)でブチかましつづけた、スーパーな、ボール奪取プロセス(守備)以外にないでしょ。
その、ボール奪取プロセス(守備)を構成するエッセンス・・
まず何といっても、ボールを失った瞬間での(実は、その直前での!!)守備への切り替え。
その視点で、マッシモ名古屋は、全員が、素晴らしくトレーニングされている。
そんなトコロにも、マッシモ・フィッカデンティというストロングハンドの骨子を見た。
そして、もちろん、爆発的な忠実チェイス&チェック。
同時に、相手パスの「意図」を読むイメージングと、実際のインターセプトアクション。
カバーリングと、ボールがないところでのマーキング。
もちろん、上記プレーを積み重ねることで、相手ボールの動きを「停滞」させ、協力プレスをブチかますチャンスを増幅させる。
そこでの、選手たちの一連の「動き」、そう、クリエイティブな意識と意志が詰め込まれた「集散アクション」が素晴らしいんだ。
そして、このコラムの骨子だけれど・・
そうなんだよ。
とにかくマッシモ名古屋の、「その後」のチェイスやフォローアップの「勢い」がレベルを超えている・・っちゅうテーマをディスカッションをしなきゃいけないんだ。
要は・・
最初の「寄せ」を外されたり、安易なアタックを外されて置き去りにされちゃうようなシチュエーション。
でも彼らは・・
そんな、気落ちさせられるミステークの後の「フォローアクション」が素晴らしいんだ。
間髪を入れずに、「次」を、フルスプリントで追い掛ける。
とにかく彼らは、主体的にサッカーをやっている。
だから、自分のミスは、確実に、自分自身で「埋め合わそう」とするんだ。
そんな、主体的フルスプリント・ハードワークを積み重ねるからこそ・・
そう、そんな全力での「追い掛け」が重なることで、「協力プレス」でのボール奪取シーンが、めちゃ、くちゃ、多いなるっちゅうワケさ。
そんなだから・・
相手に、決定的な「仕掛けの流れ」を創りだされても、それに対抗する「ディフェンスの流れ」に参加している人数が、ハンパない。
また・・
そう、決定的ピンチの瞬間に伸ばし切る「最後の半歩」の内実だって、ハンパない。
そりゃ、マッシモ名古屋のボール奪取プロセス(守備)の内実が、ものすごく充実するのも道理ってもんだ。
何せ・・
マッシモ名古屋プレイヤーたちは、まさに、自分から、ボール奪取プロセス(守備)での仕事(ハードワーク)を探しまくっているんだから。
それこそが、ホンモノの守備意識。
そこまで選手たちの(自分主体で仕事を探しまくる!!)意識と意志を高めたマッシモ・フィッカデンティというストロングハンドに、心からの拍手を!!
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ところで・・
この試合での、ダゾン・カメラワーク(ズーミングワーク)だけれど、良くなかったよ。
肝心な、ボールがないところでのドラマが、いつも、画面から外れているんだよ。
こちらは、画面に入りかけている「そのシーン」が観たいのに・・。
そう、最前線での、攻守にわたる「意識と意志のせめぎ合い」。
それが、ホントに、ギリギリのところで観られない。
とても、とても、フラストレーションが溜まり、何度、観戦を止めようかって思ったことか。
どうなんですかね、ダゾンさん。
ホントに、こんな、中途半端な中継映像がお望みなんですか??
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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