湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2021年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第11節(2021年4月25日、日曜日)
- ものすごい、ドラマチック勝負マッチだった・・多分・・両チームにとって、ものすごく貴重な学習機会(刺激)になったはず・・そう、次の進化&深化プロセスを加速させるためにね・・(レッズvsトリニータ、3-2)
- レビュー
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- サスガに片野坂知宏・・
あれほど、昨シーズン活躍した「天賦の才」を引き抜かれながら、今シーズンも、とても良いチームを創りあげつつあるじゃないか。
実は・・
そう、私としては、浮嶋敏ベルマーレと同様に、同じタイプの(!?)チャレンジを限界まで突き詰める片野坂知宏トリニータ「も」支持しなきゃいけなかったんだよ。
でも、やっぱり、大分は、遠いから・・ね。
とにかく、片野坂知宏の「並外れて優れた仕事」を再認識できてよかった。
あっと・・
まず、ダゾンのカメラワーク(ズーミングワーク)の素晴らしさに触れようと思っていたんだっけ。
そうなんだよ・・
とにかく、カメラマン氏、ディレクター氏のおかげで、両チーム最前線での、攻守にわたる「意識と意志とイメージングのせめぎ合い」まで、心から楽しめたのさ。
また、その優れたカメラワーク(ズーミングワーク)のおかげで、前線プレイヤーたちの「意識と意志の内実」まで、しっかりと体感できた。
そう、そこにゃ、「勝負イメージ空白」の選手がいたり、「知らんぷり」から、急激に「爆発」したりするような高い意識と意志に満ちあふれた選手がいたり。
ということで、ダゾン諸氏に対して、今日のダゾン観戦クオリティーが、限りなくスタジアム観戦に近いモノだったという感謝の念を表明しようと思ったのさ。
あっと・・試合・・
とにかく、冒頭で述べたように、片野坂知宏トリニータがブチかます、素晴らしく充実した「意識と意志ベース」の、攻守の闘いが、目立ちに目立っていた。
(ダゾン実況の八塚浩さんによれば!?)リカルドは、試合前から、トリニータのスリーバック&強固ブロック守備を警戒していたらしい。
そう、実際に、「1-2」と逆転されてからは、スペース攻略という視点で、まさに、手も足も出なかったんだよ。
それが・・
そう、後半になって、「例の」ゼロトップ的な「やり方」にシフトしたことで、彼らのサッカー内容が好転していくんだ。
それって・・
やっぱり、人とボールの動きが、様々な意味合いで「アップ」したことが最大の要因だったということなんだろうね。
そう、攻守ハードワークとリスクチャレンジにおける量と質のアップ。
だからこそ、「あの」強烈に堅牢なトリニータ守備ブロックに対して、(まあ・・アバウトではあったけれど!?)何度かは、スペースを攻略できるようになった。
そう、レッズ攻撃の「実効レベル」が高揚していることの体感!!
そんなゲーム内容のポジティブ変容が、(まあリードされていることもあって!?)周りの選手たちの「意識と意志とイメージング」を高揚させないわけがない。
ところで・・
攻守における、究極の目標イメージは、全ての局面で、常に、数的に優位なシチュエーションを創り出すことだよね。
後半の、リカルド浦和レッズ選手たちは、そんな目標イメージに、近づいていけている・・って感じていたはず。
だからこそレッズ選手たちは・・
そんなポジティブ変容の「感性」をベースに、リスクチャレンジへの意志を、どんどん増幅させていった(増幅させられた!)っちゅうコトだと思う。
それに対して、片野坂知宏トリニータ。
彼らのボール奪取プロセス(守備)は、素晴らしくトレーニングされている。
そう・・
レッズのサッカーが好転しているコトを敏感に感じ取っていたハズの彼らだったけれど・・
ボール奪取プロセス(守備)の勢いが衰える(少し様子見になったり受け身になったりする!?)気配は、まったく感じられなかったんだ。
まさに、「究極の意志の闘い」を魅せつづけた、片野坂知宏トリニータ。
それは、ホントに、素晴らしいコトなんだよ。
彼らは・・
イレギュラーするボールを足であつかう不確実なサッカーが、究極の「心理ボールゲーム」だって理解している!?
このゲームを観ながら、「そのコト」も体感させられていた。
そして結果として・・
リカルド浦和レッズが、逆転、大逆転・・なんていうドラマチック勝負マッチを制した。
この勝利は、リカルド浦和レッズの進化&深化プロセスに、これ以上ないほどの「心理エネルギー」をもたらすはず。
もちろん・・
そう、片野坂知宏トリニータにとっても・・
最後の最後まで、あの「素晴らしい闘い」を完遂できたコトは、これからの彼らの発展を支える、自信と確信レベルの高揚につながるはず。
そんな視点でも、このドラマチック勝負マッチは、とても深いコノテーション(言外に含蓄される意味)を内包していたのかもしれない・・
・・なんてね。
あっと、最後に・・
相手ゴール(レッズ失点)を二度もアシストしながら、局面での、スーパーな「最後の半歩ディフェンス」でピンチをしのぎ、同点ゴールまでブチ込んだ、槙野智章・・
そして・・
言うまでもない、西川周作先生・・
彼らに対して、賞賛の拍手をおくります。
オメ〜〜ら、ホントに、スゲ〜〜なっ!!
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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