湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2021年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第14節(2021年5月15日、土曜日)
- 相馬直樹は、良い仕事をしている・・アントラーズのサッカーが、明らかに復調している・・(アントラーズvsマリノス、5-3)
- レビュー
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- ダゾンのカメラワーク(ズーミングワーク)も良かったし、山本雄大レフェリーの「仕切り」も良かった。
そして・・
両チームが展開した、攻守ハードワークとリスクチャレンジあふれる、まさにエキサイティングそのものってな高質ゲームにも舌鼓をうっていた。
いや、言うことなしだね。
たくさん入ったゴールの「内実」というテーマは、別にしてね。
あっ、そうか・・
何らかのプロセスの結果として生まれた(!)ゴール(整数!)は、勝敗を決する、唯一の基準だった。
それが入るまでのプロセス内容によって、ゴールの数字が、「1.5点」になったり「0.5点」になったりするわけじゃなかったっけね・・。
へへっ・・
要は・・
両チームは、互角に、とてもハイレベルな動的均衡マッチを創りだしたっちゅうこと。
そう、この点差は、両チームのサッカー内容を測る基準じゃ、全くない・・ということが言いたかったというわけさ。
スミマセン・・回りくどくて。
ということで、両チームのサッカー内容・・
アンジェ横浜マリノスが魅せつづけている、ハイレベルで美しい質実剛健サッカーについては、もう語るまでもないでしょ。
だから、ここでは、リカバーリング途上の相馬直樹アントラーズにスポットを当てます。
ということで・・
監督が相馬直樹に代わったアントラーズ。
彼らは、様々なニュアンスを内包する「活気」が戻ってきたって感じさせてくれた。
たぶん相馬直樹も、下積みなど、有意義な体感をベースに(!?)、選手たちのマインドを、しっかりと「解放」させられているんだろうね。
そう、優れた心理マネージャーとして・・ね。
また・・
試合前、試合後のダゾン・インタビューでの表情にも(その語りにも)、ホンモノの勝負師としての雰囲気が漂いはじめていたよね。
ところで、ハナシ変わって、戦術というテーマ・・
それは、選手たちが脳裏に描く、「こんな方向性のプレーをやる」という、基本的な、攻守のイメージングとも言える。
その意味で戦術は、チーム全体のプレーのベクトルを統率し、スムーズに機能させるために、とても大事なのだけれど・・
でも、ここでは・・
そこに、「規制」というネガティブなニュアンスも含まれるというテーマに触れたい。
「こうやる」とか「これをやっちゃダメ」ってな物理的(規制)ファクターによって、「呪縛」や「言い訳」等といった、「心理的ワナ」も生じてくるのさ。
だから選手は・・
あくまでも「戦術イメージ」をベースにしながらも、呪縛(≒言い訳ファクター!?)などといったネガティブ要素から、自分自身を「解放」していかなければならないんだ。
そう、「規制と解放のバランス」という心理メカニズム・・
「そのバランス感覚」を自分のモノにできなければ、世界との「最後の僅差」を埋めることなど望むべくもない。
そう・・
最後は、「自由」にプレーせざるを得ない、不確実なサッカーだから・・さ。
そのメカニズムを理解し、自分自身を「積極的に解放」できるようになってはじめて、選手たちは、本当の「楽しさや喜び」を体感できるようになる。
その「解放」の意味合いは、たぶん・・
攻守ハードワークやリスクチャレンジという「勝負エッセンス」を、自ら、積極的に、そして戦術的な決まり事を越えて、「探しまくれる・・」ようになるっちゅうコトなんだろうね。
ということで・・
相馬直樹がテイクオーバーしてからのアントラーズ。
選手たちの「プレー姿勢」が、明らかに、ポジティブに(自分主体に!!)進化している・・ということが言いたかった。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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