湯浅健二の「J」ワンポイント


2021年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第27節(2021年8月29日、日曜日)

 

効果レベルの高いダイナミックなボール奪取プロセス(守備)の応酬・・だから、エキサイティング勝負マッチへと成長していくのも当然の成り行きだった・・(ベルマーレvsレッズ、0-0)

 

レビュー
 

ゲームは、互いに攻め合う、とても動的に均衡したダイナミックマッチへと「成長」していった。

堪能した。

特にベルマーレ。

思っていた通り、浮嶋敏は、チームを、大きく進化&深化させているじゃないか。

その絶対ベースは、素晴らしい攻守ハードワークとリスクチャレンジ姿勢(強烈な意識と意志とイメージング)だけれど・・

そんな、積極的&攻撃的なプレー姿勢が前向きに発展している背景には、「結果」が伴いはじめたコトがあるんだろうね。

もちろん、そこには、浮嶋敏の、優れた心理マネージメントも、ある。

選手たちを励まし、ミスを恐れないチャレンジ姿勢を発展させつづけた浮嶋敏。

そして実際に、選手たちの自信と確信のレベルが、着実に「積み上がって」いったっちゅうわけだ。

そう、継続こそチカラなり。

でも、そこで・・

ほんの少しでも、指揮官が疑心暗鬼に陥ることで信念や確信に「陰りを見せたら」、次の瞬間には、チーム全体の確信レベルが地に落ちてしまう。

でも逆に・・

どんな苦境に陥っても、決して弱音を吐かず、前向きに牽引すれば、選手も、ミスを恐れず、攻守にわたって常にチャレンジ姿勢を貫けるようになる。

そう、浮嶋敏ベルマーレのように・・

とにかく、これまでの「決して諦めないチャレンジの内実」を思い返せば、彼らが、このレベルまで総合力をアップさせるのも、当然の帰結だって思えてくる。

要は・・

チャレンジでの失敗を、ポジティブに(前向きに!!)強力サポートできる指揮官がいれば、着実に、成功へのステップを踏みつづけられるっちゅうことさ。

そう、勇気あふれる創造的な心理マネージメントこそが、成功の秘訣なんだよ。

逆に・・

失敗を恐れることで、「後ろ向きの戦術サッカー」に逃げ込むようでは、決して、創造的な進化&深化など、望むべくもない・・っちゅうことさ。

そう、攻守ハードワークとリスクチャレンジこそが、唯一の、進化の源泉なんだ。

あっと・・対するリカルド浦和レッズ・・

ゲームの立ち上がり、ベルマーレがブチかます、ゲーゲンプレスも含む前からプレスに、すこし受け身に立ってしまった。

でも・・

そう、10分もしたら、ボール奪取プロセス(守備)を大きく活性化させながら、イニシアチブを握り返すんだよ。

でも、次には、自信あふれるベルマーレが、再び、勢いを取り戻したりする。

そんな、紆余曲折を経ながら、ゲームが、まさに動的に均衡するエキサイティングマッチへと「成長」していったというわけさ。

まあ、その絶対バックボーンが、両チームがブチかましつづけた、極限ダイナミズムのボール奪取プロセス(守備)にあったことは、確かな事実だったよね。

・・このゲームでは、我々のディフェンスは、ほぼ完璧に機能したと思う・・

浮嶋敏が、ゲーム後のダゾンインタビューで、そう胸を張っていたっけね。

まあ、彼の言う「完璧」という表現のコノテーション(言外に含蓄される意味)には・・

次の、効果的な仕掛けコンテンツにつながる、ボールを奪い返す位置と状況というニュアンスも込められていたんだろうね。

とにかく、素晴らしくダイナミックでエキサイティングだった両チームの攻防に、舌鼓を打っていた筆者だったのであ〜る。

へへっ・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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