湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2021年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第28節(2021年9月11日、土曜日)
- 堅牢な勝負強さを発揮し、勝ち点3をゲットしたリカルド浦和レッズ・・ということで今日は、少し、わたしの「思い入れ」を主張させてもらうことにしました・・(横浜FCvsレッズ、0-2)
- レビュー
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このところ、とても安定した「勝負強さ」を魅せつづける、リカルド浦和レッズ。
でも・・
そう、オリンピック前までの、素晴らしい「攻守ダイナミズム」が、(私にとって!?)すこし「落ち着き気味」って感じられるのも確かなんだよ。
もちろん、ネガティブ論評に突っ込んでいこうなんて思わないけれど・・サ。
とにかく「今の」リカルド浦和レッズは、守備が、とても安定している。
でも「それ」は・・
そう、積極的&攻撃的な「ボール奪取プロセス」とといった雰囲気とは相容れない、純粋なディフェンス(守備!)・・ってな感じなんだよ。
もちろん、とても安定したブロック守備だからこその勝負強さ・・という(勝負の!?)メカニズムは、よく分かる。
でも私は、リカルド浦和レッズには、もっと魅力的な、積極的&攻撃的サッカーを期待しているんだよ。
そう、美しい質実剛健サッカー・・ね。
だからこその苦言・・って、ご理解いただければ幸甚です。
まあ、いまは、主力級の新戦力を、リカルドの戦術イメージに「インテグレート」している最中ということなんだろうね。
そして(願わくば)・・
そのうちに、個の才能あふれる「新しい」主力連中が、攻守ハードワークとリスクチャレンジあふれるダイナミックサッカーを魅せてくれる・・
そう、鬼木達フロンターレや、ケヴィン横浜マリノスが魅せつづける、美しい質実剛健サッカー・・ね。
ということで、「この段階」でのリカルド浦和レッズ・・
そんな彼らの、今日のゲームでの戦術アイデアだけれど・・
たぶん・・
江坂任をトップに据え、その回りで、小泉佳穂、汰木康也、関根貴大といった、エネルギーあふれる「衛星プレイヤー」たちが、仕掛けプロセスを加速させる・・ってなアイデア!?
実際・・
この試合では、立ち上がりは、そんなイメージ通りのサッカーが展開できていた・・と思う。
でも・・
そう、徐々に、チェイス&チェックやカバーリングの「勢い」がダウンしはじめ、相手にイニシアチブを握り返されるってなネガティブ展開に陥ってしまうんだ。
もちろん・・
ゲーム全体で、イニシアチブを握り「通せ」なんて言っているわけじゃない。
そうではなく・・
チェイス&チェックやカバーリングの「勢い」の減退傾向が、「そのまま」つづいてしまったことに、課題があるって感じていたんだ。
「そこ」から、再び全体的な「攻守ダイナミズム」を高揚させられなかったコトね。
そんな、ネガティブに「落ち着いた」展開だけれど・・
それを、再び「活性化させる」ための、唯一の方策。
それは・・
ボール奪取プロセスのダイナミズムを高揚させることなんだよ。
このテーマについては、「このコラム」も、ご参照あれ。
ところで、リカルド浦和レッズにおいて・・
その、(上記コラムでのラモス瑠偉のように!?)コマンド(号令)をブチかますのは、誰!?
(プレーで引っ張る!?)小泉佳穂だけじゃ、足りない。
また、汰木康也や関根貴大にしても、強力な「自己主張」でチームを引っ張っていくタイプじゃない。
あっと、天賦の才に恵まれた江坂任・・
彼にゃ、そんな、爆発的な攻守ハードワークや、強力テンションの(!?)リーダーシップなんて、はじめから期待薄だしね。
そして、少し「落ち着いた」雰囲気がチームに蔓延し、「そこ」から、簡単には抜け出せなくなってしまう。
とにかく・・
とても勝負強く、立派に勝ち切ったリカルド浦和レッズだからこそ・・
この試合については・・
わたしの個人的な「思い入れ」を主張させてもらうことにした次第。
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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