湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2021年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第28節(レポート日:2021年9月12日、日曜日)
- 素晴らしく動的に均衡したダイナミック&エキサイティングな勝負マッチだった・・それにしても、ケヴィンが言うように、マリノスの3ゴールは、たしかに「マリノス的」じゃなかったかな!?・・(サンフレッチェvsマリノス、1-3)
- レビュー
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あまり言いたくないけれど・・
そう、ダゾンのカメラワーク(ズーミングワーク)への苦言。
どうしてなんだろ〜、ネ。
外国で行われる試合のダゾン中継カメラワーク(ズーミングワーク)は、とても高いレベルで安定しているのに・・
そう、ある一定の「攻撃プロセス段階」から、後方のボールホルダーと最前線プレイヤーたちを、一つの画面に「収まる」ように、カメラのフレームワークを調整するんだ。
それが、この試合では・・
そう、後方のボールホルダーが、前線へのロングフィードを「狙っている」のが分かっているのに、その「後方ボールホルダー」をズームアップし過ぎちゃったりする。
そして、こちらは・・
最前線パスレシーバーと相手マーカーによる、「結果としての」競り合いシーン「しか」観られない。
サッカーは、ボールがないところで勝負が決まるんだ。
だからこそ、(特に!)ロングパスが出そうになる状況での、最前線の、攻撃側と守備側の「マーキングのせめぎ合い」も、見所なんだよ。
そう、スペースをめぐる、せめぎ合い(だまし合い)ね。
もちろん、攻撃側が相手ハーフに入ったら、全体をカバーするけれど、それも、「結果にしか過ぎない」ってな状況のシーンが多いんだよ。
まあ、たしかに、時間の経過とともに、「ズーミング」を、少し多めに「引きはじめた」と感じられたけれど・・さ。
とにかく、ダゾンさんには・・
カチッと安定したコンセプトに基づいたカメラワーク(ズーミングワーク)を願って止まない筆者なのであ〜る。
へへっ・・
あっと、試合・・
サスガに城福浩。
サンフレッチェは、いつものように、攻守ハードワークとリスクチャレンジあふれる、高質なダイナミックサッカーを魅せつづけていた。
絶対ベースは、積極的&攻撃的なボール奪取プロセス(前からプレス守備かな!?)。
サンフレッチェ選手は、決してサボらず、攻守ハードワークとリスクチャレンジを、自分主体で探しまくるんだよ。
その、ハイレベルな「意識と意志とイメージング」に支えられた「主体性プレー」こそが、城福浩サンフレッチェであることの所以。
ホント、城福浩は、よい仕事をしている。
ということで・・
対する、ケヴィン横浜マリノス。
そんな、強いサンフレッチェをモノともせず、ダイナミックに「自分たちのサッカー」を貫いてしまう。
その大前提もまた、言わずもがなの、ダイナミックなボール奪取プロセス(守備)。
ゲームが、「素晴らしくエキサイティングな動的均衡マッチ」へと成長していくのも道理、。
でも、そのなかで認識できたのは・・
最終勝負プロセスの量と質で、やはり、ケヴィン横浜マリノスに軍配が挙がるという事実。
たしかに、全体的なゲーム展開としては、動的な均衡状態だったけれど・・ね。
両チームともに、魅力的でダイナミックな(積極的&攻撃的な!)サッカー・コンセプトを貫いている。
でも、だからこそ・・
最終的な結果は、「個の才能プレーの内実」による・・ってな、言い尽くされた現実に落ち着くっちゅうわけだ。
ところで・・
そう、ケヴィン横浜マリノスがブチ込んだ、三つのゴール。
それって・・
ダゾン試合後インタビューで、ケヴィン・マスカットが、いみじくも言っていたように・・
・・自分たちのサッカーイメージからすれば(!?)チト異質なゴールではあった・・
・・ってなコトなのかもしれないね。
フムフム・・
まあ、そうだね。
ここで、その3ゴールを描写しようとは思わないけれど(後でネットで拾ってくださいネ)・・
たしかに、そうとも言える。
でも、「それ以外」では、しっかりと「マリノス的」なゴール機会は、何度も創りだしていたわけだから・・
とにかく、素晴らしく動的に均衡したダイナミック&エキサイティング勝負マッチではありました。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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