湯浅健二の「J」ワンポイント


2021年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第29節(2021年9月18日、土曜日)

 

素晴らしく勝負強いサッカー・・でも、そのうち「また」、トータルフットボール的なベクトルに戻って欲しい・・へへっ!・・(レッズvsセレッソ、2-0)

 

レビュー
 

・・ここ数試合、誰が出ても、しっかりとハードワークできているし、ミスが起きても、全員でカバーできるという自信が深まりつつあるんですよ・・

レッズ岩波拓也が、ダゾン日々野真理さんの、失点が少ない安定守備という質問に対し、真剣な面持ちで、そんな立派なコメントを残した。

それにしても・・

「あの」、後半の追加ゴールシーン(汰木康也がゲット!)を演出した岩波拓也の、一発ロングアシストは、素晴らしいの一言だった。

そのチャンスメイクについて、日々野真理さんに質問されたときには・・

・・汰木康也とは、そんな一発ロングパス勝負についても、チャンスがあればって、いつも話し合っているんですよ・・

・・と、少し、相好を崩したっけね。

へへっ・・

あっ・・そうそう・・

ダゾンのカメラワーク(ズーミングワーク)。

とても良かったですよ。

このところ、「ほんの10メートル分、寄り過ぎ」のズーミングワークに苛ついていたこともあって、今日のダゾン観戦は、とても清々しいモノだったんです。

どうも、有難うございました。

あっと、その、ダゾン日々野真理さんのインタビュー。

リカルド・ロドリゲスは、このところの(戦績の!?)好調さに関する質問に対して・・

・・目指しているサッカーを、継続して進化させられている・・

・・と、自信をのぞかせていた。

ところで、その、目指すサッカーだけれど・・

皆さんもご存じのように、わたしは、「美しい質実剛健サッカー」へ着実に近づいて欲しいと願っているわけで、その意味で、まだまだ満足していないんです。

いまのリカルド浦和レッズだったら、本物のトータルフットボールだって目指せる・・って、期待しているんだよ。

とはいっても・・

そう、このところの(どんどん進化しつづけている!?)レベルを超えた「勝負強さ」については、それは、それで、素晴らしいとは、思っていますよ。

その勝負強さ・・

冒頭のインタビューで岩波拓也が語っていた、「誰が出てもハードワークが・・」というクダリ。

そこに込められた、もっとも大事なニュアンスは、やっぱり、優秀なボランチを多く擁している・・っていうコトなんじゃないだろうか。

もちろん最終ラインにも、(この試合ではベンチだった)槙野智章を筆頭に、優秀な人材が揃ってはいる。

でも私は・・

そう、優秀な(ダブル)ボランチ人材の豊富さをピックしたいね。

柴戸海、伊藤敦樹、金子大毅、そしてスーパーな平野佑一。

また、小泉佳穂や明本考浩だって、場合によっては、十分に、パフォームできるでしょ。

岩波拓也は、そんな彼らのことをイメージして、「守備ハードワークもしっかり、こなせる・・」ってな表現をつかったと感じているのさ。

そりゃ、最終ラインにしてみたら、その前段階のボール奪取プロセスで、いかに「抑え」が効いているかというテーマは、ものすごく大事なファクターだからね。

あっと・・

その守備ハードワーク・・

いまのリカルド浦和レッズでは、前線プレイヤーたちも、サボらず、しっかりとボール奪取プロセス(守備ハードワーク)にも精を出している。

だからこそ、(その視点で、物足りない!?)江坂任をワントップに据えるという、とても実効レベルの高いチーム戦術アイデアが功を奏しているってわけだ。

そう・・

江坂任の周りを、「ハードワーク衛星プレイヤー」で固めることで、彼のチャンスメイク能力やストライカー才能を、存分に発揮させられるんだよ。

でも・・さ・・

わたしは、どうしても、オリンピック前までの「トータルフットボール的」なベクトルが、懐かしくて仕方ないんだ。

まあ、ACLのイスを狙うという、「実」の部分を強調した闘いを志向する(!?)今のところは、仕方ないにしても・・ね。

とにかく・・

そう、江坂任という「天賦の才」の考え方を、根本的に改める努力は、つづけて欲しいね。

何せ・・

そう、もし彼が、小泉佳穂や明本考浩の「チームワーク・マインド」を自分のモノに出来たとしたら・・

そりゃ、世界に通じる「本物サッカー選手」を創りだせるわけだから・・ね。

まあ、とにかく・・

いまは「結果=実」を優先させ、いつか「また」、トータルフットボール「的」なベクトルに戻ることを願って止まない筆者なのです。

へへっ・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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