湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2021年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第31節(2021年10月2日、土曜日)
- まあ、サッカーだから「こんなコトもあるさ」ってな試合だったね・・リカルド浦和レッズのサッカーは相変わらず、高みで安定している・・また三浦淳寛ヴィッセルも、どんどん進化している・・(ヴィッセルvsレッズ、5-1)
- レビュー
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あれっ!?
このゲームは、エネーチケーBSも中継しているから、ダゾンのカメラワーク(ズーミングワーク)と比較をしようと、両方を見比べながら観戦していたんだよ。
でも・・
そう、カメラアングルが、同じなんだ。
両方とも、とてもバランスの良いカメラワーク。
ボールと、最前線での、攻守での「意志のせめぎ合い」を、画面のなかで、しっかりと視認できるんだよ。
このところ、ダゾンのカメラワーク(ズーミングワーク)が、とても不満だった。
何せ・・
ほんの10メートル「分」、カメラが「寄り過ぎ」だから、ボール(仕掛けの起点)と、最前線の「動き出し(勝負のイメージング内容)」を、同時に確認できずにいたんだよ。
でも・・
そう、このゲームでは、エネーチケーもダゾンも、とても優れた「アングル」で、攻守ドラマを同時に視認できるように画面を構成してくれていたんだ。
だからゲームを、とても楽しめた。
両カメラマン(ディレクター)の皆さん、お疲れ様でした。そして、有難うございました。
さて・・
まあ、全体的な印象としては、サッカーだからこんなコトもあるさ・・ってな感じだね。
何せ、ヴィッセルが放ったシュートが、すべて、レッズのゴールに吸い込まれちゃったんだから。
でも、後半は・・
両チームの「ホンモノの実力」がぶつかり合うなかで、動的に均衡した、とてもエキサイティングで内容のあるゲーム展開になった。
両チームともに、活発なボール奪取プロセス(守備)を絶対ベースに、立派なサッカーを展開したということサ。
特にヴィッセル。
効果的な攻守ハードワークが詰め込まれた、素晴らしくチャレンジャブルなサッカーを展開したと思う。
それを観ながら、数日前の「フロンターレvsヴィッセル」戦のコラムを読み返していた。
フムフム・・
たしかに、鬼木達フロンターレの、攻守にわたる、勝負イメージングが、とてもハイレベルにシンクロ」したサッカーの「質」には、「微妙」に到達できていない。
でも、このゲームで魅せたように、そんな、攻守の勝負イメージングも、どんどん進化&深化しているって感じさせられたんだ。
三浦淳宏(淳寛!?)は、とても良い仕事をしている。
まあ、彼の「学習能力の高さ」の証明・・ってなコトなんだろうね。
あっと・・
もちろん、リカルド浦和レッズも、例によって、トータルフットボールのベクトルに乗る、とても立派な「勝負強いサッカー」を展開した。
だから、「この点差」については、まあ、「サッカーだから、こんなコトもあるさ・・」ってな、トータルの印象だったわけさ。
ところで・・
それにしてもイニエスタ。
2ゴール、1アシストの大活躍だった。
そんな彼を「取り囲む」チームメイトたち・・
ハンパない大迫勇也、やっと本格的に「乗り」はじめた武藤嘉紀、攻守にわたって実力を存分に発揮しはじめたセルジ・サンペール、そして若手の郷家友太と佐々木大樹。
たぶん彼らは、こんなイメージでプレーしているはず。
イニエスタを「コア」に置き、その周りで、攻守ハードワークをブチかます・・
そして・・
ボールを奪ったら、すぐにイニエスタを探し、自身は、次のスペースへ走り抜ける。
もちろん、そんなプレーイメージは、イニエスタに対する絶大な信頼があればこそ。
まあ、彼には、全力チェイス&チェックに代表される守備ハードワークは、十分には望めないというコトも含めてネ。
とはいっても彼は、「読みベース」のインターセプトは、何度も魅せたけれど・・サ。
あっと・・
そんな、イニエスタの周りでブチかます攻守ハードワーク。
特に、大迫勇也、武藤嘉紀の、ダイナミックな守備ハードワークが特筆モノだった。
ソレがあるからこそ、
佐々木大樹、郷家友太といった若手プレイヤーたちも、まさに骨身を惜しまず攻守ハードワーク(&リスクチャレンジ)に勤しめる。
そして、だからこそ、大迫勇也にしても、武藤嘉紀にしても、次の仕掛けの流れで、良いカタチでボールの供給を受けられる・・っちゅうわけだ。
またヴィッセルには、日本サッカーに慣れはじめたボージャン・クルキッチやリンコンといった実力派も控えている。
三浦淳寛ヴィッセル。
彼らも、(来シーズンにかけても!)注目に値するチームということだね。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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