湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2021年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第5節(2021年3月17日、水曜日)
- ミハイロ札幌コンサドーレは、例によって立派な積極サッカーを展開した・・レスペクト!!・・またリカルド浦和レッズも、次につながる正しいベクトル上を、ひた走っていることを感じさせてくれた・・(レッズvsコンサドーレ、0-0)
- レビュー
-
- ゲーム前・・
ホントに、心から心配していたんですよ。
楽しみにしていたこのゲームだから、それを、低級なダゾン・カメラワーク(ズーミングワーク)で台無しにされちゃたまらない・・って・・ネ。
でも、それは・・
杞憂に終わった。
ホント、素晴らしいカメラワーク(ズーミングワーク)だったんですよ。
ダゾンのスタッフの方々には、心から、感謝です。
ところで・・
どうなんですかね・・
このフレームワーク(ディスプレイ構成)内容は、ダゾンとして、望まれるものじゃないのでしょうか。
どうして、そんなことを言うのかというと。
そう、まだまだ「寄り過ぎ」のズーミングワークが散見されるからなんです。
ダゾン全体としての、カメラワークのコンセプト指示が徹底されていない!?
だから、まだまだ、そんな「寄り過ぎカメラワーク」が横行している!?
だとしたら、これからも、ゲームがはじまるまで心配しなければいけない。
それって・・やだな〜〜・・
まあ、これからも、ダゾン・カメラワークに対しては、メリハリをつけて(!)、物申させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。
あっと・・試合・・
素晴らしく積極的で攻撃的な「せめぎ合い」だったエキサイティングマッチ。
そのなかでも・・
後半ロスタイムに飛び出した、山中亮輔からのクロスを、杉本健勇が決定的ヘディングシュートをブチかましたシーンには鳥肌が立った。
でも・・
そう、そのシーンを観ながら、とても微妙な「心持ち」でフリーズしていたんだよ。
もちろん私は、ミハイロ札幌コンサドーレ「も」支持していますからね。
この試合でも、ミハイロは、素晴らしい仕事をしたんです。
全体的なサッカーとイニシアチブの内実では、誰もが、ミハイロ札幌コンサドーレに軍配を上げるでしょ。
そして何度か、まさに「これぞゴール機会」ってなチャンスも創りだした。
だからこそ、前述の、レッズ杉本健勇の決定的ヘディングシュートを、微妙な心持ちで凝視していたっちゅうわけさ。
もちろんサッカーだから、そんな神様ドラマだって、アリなんだけれど・・サ。
へへっ・・
ところで・・
そんな、ミハイロ札幌コンサドーレがイニシアチブを握りつづけた実質的なゲームの流れを左右したのもまた、ボール奪取プロセスの内実だったわけだ。
・・攻守の切り替えの素早さと、その効果レベル・・チェイス&チェックのダイナミズム・・そのボール奪取プロセスに乗ってくるチームメイトたちの「覚醒レベル」・・また、協力プレスへの選手たちの集散への意識と意志の内実・・
・・そして、決定的な瞬間に、「最後の半歩」を伸ばし切れるかどうか・・
前からプレスの内実も含めて、そんなボール奪取プロセス(守備)こそが、やっぱり、全てを決めるっちゅうことだね。
それがうまく機能しているからこそ、次の「人とボールの動き」も加速させられるんだ。
そう、ボールがないところでのサポートの動き(サポートやパスレシーブetc.)が、自然と活性化するっちゅうわけさ。
そして・・
そう、直前のボール奪取プロセスに、どのくらい真剣に(強烈な意志で!?)、イメージング的に「参加できていたのか」というテーマに突き当たるわけだ。
「そこ」で、しっかりと参加できていた者は、例外なく、次の攻撃(仕掛け)までも、しっかりとイメージングできていたハズだからね。
だからこそ、ゲームの(勝負の!)実質的な流れも掌握できるっちゅうわけだ。
あっと・・
そう、リカルド浦和レッズ・・
彼らだって、とても良い時間帯を、何度も創りだしたよ。
そして、決定的なゴール機会だってブチかました。
それは、それで、とても立派なプレー姿勢(強い意識と意志!)ではあった。
でも、そのダイナミズム(攻守ハードワークとリスクチャレンジを積極的に探しまくるエネルギー!?)が、ミハイロ札幌コンサドーレと比べ、やっぱり、すこし劣っていたというコトも確かな事実だったわけさ。
たぶん選手は・・
ミハイロ札幌コンサドーレがブチかます「勢い」に、心理・精神的に、少し、押され気味になっていたっちゅうことだね。
もちろん・・
その、少しネガティブな状態が、心理的な「悪魔のサイクル」にまで落ち込んでいかなかったという、ポジティブな感覚も残ってはいたさ。
まあ、微妙だけれど、とにかくリカルド浦和レッズは、ただしい発展ベクトル上を゛ひた走り」つづけているっちゅうこと「も」言いたかった筆者なのだよ。
そう、そこには、大いなる「希望の光」が差し込んでいるんだ。
それだけは、確かな事実さ。
あっと・・
リカルド浦和レッズの交替選手たち。
とても良かったじゃありませんか。
その交替によって、サッカー内容が、着実にアップしていったわけだから。
もちろん・・
交替して下がった選手たちの出来が「悪かった」というコトじゃなく、ゲームの(勝負の)流れをポジティブに変容させる、リカルドのグッド采配・・っちゅうニュアンスだよね。
交替して下がった選手たちにしても、「あのゲームの流れ」では、そりゃ、良いプレーが出来ないのも道理さ。
なんてったって、不確実な要素がテンコ盛りのサッカーは、究極の「組織スポーツ」とも言えるわけだからさ。
そうそう、もう一つ・・
リカルド浦和レッズが擁する、ドリブラー。
まあ、関根貴大、汰木康也、たまには山中亮輔ってなイメージだけれど・・
でも、それに加えて、ニューフェースも存在感を発揮しはじめている。
その筆頭が、田中達也なんだろうけれど・・
でも、この試合では、後半に登場した大久保智明「も」素晴らしく積極的(勇気まんまん!)チャレンジで存在感を光り輝かせたよね。
ドリブラーは、とにかく、仕掛けていく「積極性」こそが「命」。
相手ディフェンスと静対した(1対1の!)状況で、展開パス(横パスやバックパス!?)といった安全パスを出すのは、やっぱり「逃げ」としか見えない。
その意味で大久保智明は、相手が複数人いても、果敢に、ドリブルで「突っ掛けて」いったんだよ。
それも、何度も・・
そして、前述した、後半ロスタイムでの、杉本健勇の決定的ヘディングシュートを、陰で演出したっちゅうわけだ。
そう・・
大久保智明が、勇気をもって、「センターゾーン」へドリブルで切れ込んでいった(相手を引き連れた!)からこそ、山中亮輔が、まったくフリーでクロスを上げられたんだ。
とにかく、リカルド浦和レッズのニューフェースたちには、とても面白い素材がいっぱい。
それも、希望と期待のリソースっちゅうわけさ。
============
最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
-
===============
重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
==============
ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
-
-
-
-