湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2022年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第10節(2022年4月29日、金曜日)
- 「最後の半歩」を効果的に出せるようになったコトこそが、ミハイロ札幌コンサドーレが、強豪に名乗りを上げられた絶対ベース!?・・(コンサドーレvsベルマーレ、1-0)
- レビュー
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- 期待に違わぬ、素晴らしくダイナミックな動的均衡マッチだった。
ボール奪取プロセス(守備)でも、スペース攻略プロセス(攻撃)でも・・
堪能した。
とはいっても・・
やっぱり、すでに「強豪クラブ」の仲間入りを果たしている(自他共に認めている!?)、ミハイロ札幌コンサドーレに、一日の長があるのは確かな事実だね。
その、「微妙な差」のバックボーンのなかで、もっとも目立つのは??
たしかに、人とボールの動きもあるけれど、やっぱり・・
ルーカス・フェルナンデス、福森晃斗、駒井善成、ガブリエル・シャビエルといった天賦の才がブチかます「個の勝負」の内実・・かな。
そして、もっとも大事なポイントが・・
そんな才能連中が、攻守にわたって、とても忠実に、そして創造的に、攻守ハードワークを、主体的に「探しまくっている」っちゅう、確かな事実ね。
そして、ソレがあるからこそ・・
ダイレクトパスを織り交ぜたコンビネーションも含む組織プレーと、前述した個の勝負プレーが、とても有機的、効果的にコラボするんだよ。
そう、「組織」と「個」の、高質なバランス・・。
まあ、そんな様々なファクターの積み重ねが、両チームの「有意差」となってグラウンド上に現出していたっちゅうことだね。
でも、ゲーム自体は、あるコトをキッカケに、風雲急を告げていくんだ。
そう、コンサドーレの菅大輝が、後半7分にブチ込んだ、夢のようなスーパーミドル弾(先制ゴール)をキッカケに・・
「すべてからフッ切れた」ベルマーレが、人数をかけ、ガンガンと攻め上がっていったんだよ。
そして何度か、コンサドーレを「振りまわし」て、スペースを攻略した。
とはいっても・・
素晴らしく集中したコンサドーレ守備ブロックは、次、その次のスペースを潰しながら、ベルマーレがブチかます必殺の仕掛けを、はね返しつづけた。
わたしは、そんなエキサイティングな時間帯でコンサドーレが展開したボール奪取プロセス(守備)の内実を体感しながら、こんなコトを考えていた。
そう、この、しっかりと「最後の半歩」も効果的に出せるボール奪取プロセス(守備)がうまく機能しはじめたコトこそが・・
ミハイロ札幌コンサドーレが、強豪クラブへと脱皮できた絶対ベースだった・・。
ところで・・
ボール奪取プロセス(守備)の最終勝負シーンで繰り出す「最後の半歩」・・
私がよく使う「最後の半歩」という表現には・・
相手のシュートやラストパス、ラストクロスを阻むブロックアクションだけじゃなく・・
決定的フリーランニングに代表される、相手パスレシーバーの「勝負イメージング」をも読んで、忠実に「対応」できるコト・・ってなニュアンスも含まれるんだよ。
そして「ソレ」が出来てきたコトこそが、ミハイロ札幌コンサドーレが、ホンモノの強豪として名乗りを上げられた絶対ベースだって思うのさ。
最後の瞬間に、マークしていた相手をフリーで「行かせて」しまったり、寄せ切れなかったりといった集中切れのミス・アクションが、チームを敗戦に追い込んでしまう・・
そして負けが込むことで、チーム全体の「意識と意志とイメージング」の活力も、失われていく・・
そんな、心理・精神的な「悪魔のサイクル」に陥らないためにも・・
そう、ボール奪取プロセス(守備)での、「最後の半歩」を繰り出せるように、イメージトレーニングを欠かさないことが、強豪でありつづけられる絶対ベースの一つなんだよ。
とにかく・・
このゲームを勝ち切れたコト、そして、ここまでコンサドーレを強くしたミハイロ・ペトロヴィッチの優れた仕事に対して、称賛の拍手をおくります。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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